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649 兵庫県のようにはいかない各地の選挙

はじめに

今日のコラムは、昨日投開票となりました岸和田の市議会銀選挙と世田谷区長選挙の結果から見えてくることについて少しお話してみたいと思います。

岸和田で示された結果

大阪府岸和田市の永野耕平市長に示された不信任決議案が可決され、市長は議会を解散しました。その後に実施されたのが今回の選挙となります。今回の岸和田の選挙には、また、N国の立花氏が永野市長を擁護するために選挙に候補者を立てたり、永野氏の奥様を市議選挙に出すために動かれたりしていました。まずは、永野氏の擁護をするためと称して立候補したN国公認の候補者は最下位で落選となりました。また、永野市長自ら選挙カーを運転し奥様を全面バックアップしたのにもかかわらず、奥様は21位での当選ということでした。24人の当選者が出る選挙に29名が立候補しておりましたので、5名が落選という選挙でした。
いずれにしても、今回当選した22名はもう一度、永野市長に対して不信任決議案を提出するとの意思を示していますので、市議会で再度の不信任決議案が可決されれば、失職となり次は、市長選ということになりそうです。永野氏はすでに出馬する意向を表明していますので、今回の選挙の結果をどのように受けとめているのでしょうか。
また、衝撃的だったのがN国公認の福井候補の最下位での落選です。あれだけの知名度を誇ると言われている、自他ともに認める立花氏が選挙の応援を繰り広げましたが、岸和田の問題を語れない候補者には投票する人はなかなか増えなかったようです。

千代田区長選挙

今回、番狂わせが起こる可能性があったとされているのが、佐藤候補者でした。現職の樋口氏に迫る後半の伸びが叫ばれていましたが、私はそのきっかけはリハックでの黒田氏とのやりとりであったように思います。ジャイアントキリング(大番狂わせ)の可能性はそこから一気に高まったように思います。実際にふたを開けてみると樋口氏が約11000票に対し、佐藤氏は約7000票ということでしたので、約4000票もの差がありました。
問題は、投票率です。今回の選挙の投票率は39%と前回を大きく下回りました。4年前と比べて6ポイントも下回っていますし、過去最低の数値となっています。まさに今回の選挙は、候補者に魅力を感じるまたは未来を託す区民の民意が4割の人間の中で示された程度の選挙であったということです。
各候補者の政治家としての魅力もそうですが、掲げている公約の実現性やその公約を述べている人間への評価がそのまま数字に表れているかのような選挙ではなかったでしょうか。

善戦するも当選できず

注目は、福井候補の最下位ではなく、佐藤氏の大健闘です。N国からの出馬ではなく独自の路線で立候補した佐藤氏は明確に他候補とは違う政策を掲げていました。また、30万人近い登録者を有するYouTubeの発信力や多くのボランティア、配信者などと連携した選挙戦は、大きな組織をもたない人間の選挙の戦い方の一つを見せていたように思います。
YouTubeは候補者のいつも観ることの出来ない一面を垣間見ることができます。また、街頭演説に行けない人でも配信してくれる人がいればその様子を見ることができます。選挙がまるで芸能人の人気投票のようになっているかのような勘違いをしてしまいがちですが、実はより具体的にその人柄やその政策にSNSやYouTubeを通して触れることができるのかもしれません。
選挙に出続けることで広がる支持者の数とスキルがいつかその成果として目標を達成するのかもしれません。それにしても候補者のそれなりの実力は必要だということは、岸和田と千代田区に出たN国にゆかりのある人物の結果を見れば明らかかと思います。

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