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444 辛いポテトチップス

はじめに

今日の教育コラムでは、東京都のとある高校で、昼休みに友だちと辛いポテトチップスを食べていた集団が、体調を悪くして病院に搬送されるという事態になったことについて少しお話してみたいと思います。

18禁ポテト

生徒が口にしたポテトチップスは、パッケージに「18禁、辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください」と書かれていたものでした。また、高血圧、体調不良、胃腸の弱い方や辛さに弱い方への注意喚起もされていました。加えて、辛さに強い方への注意もされているなど、いたるところに警告がされていました。
しかし、生徒たちはその警告を無視して口にしました。結果として、学校が「辛いお菓子を食べた生徒が体調不良を訴えている」と119番通報をするはめになり、ポテトチップスを食べた生徒のうち、15人が体調不良を訴え、14人が近くの病院に搬送されました。最終的な落ちは、軽症で全員無事でした。

カプサイシン

カプサイシンと呼ばれる辛み成分は、カプサイシノイドと呼ばれる炭素、水素、酸素、窒素からなる天然の有機化合物の一つです。唐辛子などに含まれているわけですが、世界中には唐辛子の何十倍もの辛みをもたらす香辛料があります。激しい激痛を伴う様な辛みを水で流そうとしても、ほとんど水には溶けません。乳製品や油やアルコール、酢には溶けやすいので、逆に水を飲んでしまうと辛み成分が残り、症状が増す場合があります。

侮ってはいけない

アメリカのマサチューセッツ州で激辛チップスを食べた少年の死亡事故の記事を読んだことがあります。
少年は、14歳ということでした。彼が食べたのは世界で最も辛い唐辛子が使われた商品でした。死因は、唐辛子の辛味成分カプサイシンを過剰摂取したためでした。該当の商品は、販売停止になりました。
今回のポテトチップを製造している会社は、食べ方を正しく警告し、消費者に説明しています。それは、パッケージのデザインそのものが警告を中心としている点からも確かです。それでも、年齢制限を無視して口にしたり、自己の体調や体質への配慮を軽視したりして口にしたりしてしまうわけです。彼らが行った行動は、会社や学校に迷惑をかけるだけではなく、もしかするとこうした食べ物を楽しんでいる人たちが手に入れにくくなるような事態を巻き起こしかねないのです。
彼らが何を目的に学校にそのようなお菓子をもちこんで口にしようとしたのか、決してそれほど深い意味はなかったでしょう。しかし、もしも命に係わる事態になっていたら今頃、様々な人が責任を負われていたことでしょう。多分そのことを彼らが想像できることが本当の意味での反省となるのでしょう。

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