544 斎藤元彦はなぜあきらめないのか?
はじめに
今日の教育コラムは、週刊現代の記事なども拝見しながら、約一週間後に告示される兵庫県知事選挙と24日から再開します百条委員会の優勝パレードに関する疑惑などについて少しずつお話してみたいと思います。
養父市長選挙に及んだ影響
兵庫・養父(やぶ)市長選で大きな動きがありました。2021年の前回の兵庫県知事選の期間中に、前兵庫県知事の斎藤元彦氏を応援し、支持を表明した兵庫県内の市町長は何とお一人でした。
その人こそが現職でありながら今回落選した広瀬栄市長でした。現職と言っても4期という長い年月に渡り盤石な支持基盤を守り続けてきた市長なわけですから、新人として挑戦した大林賢一さんにとっては大きな壁でした。しかし今回、大林さんがこの現職をおさえて当選したのです。現職の多選への問題意識もあったでしょうが、今日の前兵庫県知事の告発文書問題に対する様々な県民の問題意識がこの選挙にも影響を及ぼしているように思います。
週刊現代の記事について
この記事をお読みいただきどのような感想をもつかは個々の自由です。私は特段、読み終わった後に斎藤元彦氏への見方が変化することはありませんでした。
その理由は、公益通報として3月または4月の時点で取り上げなかったことや3月27日の記者会見で故人を特定し、公開パワハラを行ったことに対して、記事のいずれの記載も説明をしていないと感じるからです。また、パワハラの証拠が乏しいという見方で少なくともいくつかの声が上がっているだけでも重要な問題であるにもかかわらず軽視しているからかもしれません。
同じマスコミということであれば、NHKの番組も取り上げてみたいと思いますこの番組は10月2日に放送されたクローズアップ現代というものです。
この中で、ハラスメントについてもそうですが、県政の閉塞感が強く伝わってきます。専門家の意見も踏まえながら構成されているこの番組の中の主張が今回の週刊現代の記載とは全く別の世界観を伝えています。
番組の紹介初回放送日:2024年10月2日
【番組紹介より】兵庫県庁の職員が斎藤前知事らを告発した問題。その真相や前知事の動向などを巡り、今なお、騒動が続いている。しかし、そもそもなぜ、事態が深刻化する前に食い止めることができなかったのか?番組では、県庁の現役職員やOBなど約30人を独自に取材し、組織の中に“もの言えぬ空気”が広がった経緯を探った。さらに、「公益通報」の制度がありながら、告発者が特定され、保護がなされなかった問題にも迫る。
物言えぬ空気を作っていたのはいったい誰なのでしょうか。そこに知事の資質は十分と言えるのでしょうか。知事だけではなく、組織を束ねる者の在り方こそが、今回の公益通報者つぶしに始まる兵庫県における告発文書問題から考えるべき大きな問題だと私は感じます。