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414 虚しい平和サミット

はじめに

2022年、2月に本格的なウクライナへの侵攻を開始したロシアですが、現在開催されている平和サミットへは招待されていません。
ロシアとウクライナの戦争においては、多くの民間人への被害が出ています。ウクライナの病院、学校、住宅などの市民の建物に被害を与えているこうした行為の一部は戦時国際法に違反する無差別攻撃だとも言えます。
つまり、戦争犯罪だということです。ウクライナでは何百万人という人々が国外に避難する生活を送っています。

参加状況

スイスで開かれましたウクライナが提唱した今回の平和サミットは、ウクライナとロシアの和平の実現に向けた国際社会の合意形成を進めていこうというものです。
しかし、厳しい見方をすると参加している国を見るとウクライナを応援する国々とそうでない国々をはっきりとさせただけのような気がします。
アメリカやヨーロッパの多くの国々、日本はウクライナを支援する姿勢ですが、ロシアや中国との関係を重要視している新興・途上国は出席を拒んでいる又は、首脳脳出席を行っていません。インドの首相も参加していませんし、南アフリカやインドネシア、ブラジルなどは高官や大使を派遣する程度です。

グローバルサウス

様々な地球規模の問題を考えていく中でポイントとなるのは、グローバルサウスだと私は感じています。
このグローバルサウスとはインドやインドネシア、トルコ、南アフリカといった南半球に多いアジアやアフリカなどの新興国・途上国の総称です。
北半球に多く見られるの先進国との対比した言葉として使われるグローバルサウスですが、世界経済における格差を見ていくと現在は、北半球が圧倒的に格差の上では上位に立っています。
やはりそうした経済的格差における南北問題があることは、様々な感情を南半球の国々に与えてしまうように思います。
結局、こうしたグローバルサウスの国々の参加状況に弱さがあるサミットは、仲間内で話し合いをしているだけのように思えてしまうのです。
課題を共有するべき、また和平を結ぶべき相手であるロシアやその支援国である中国は、安保理の常任理事国である5つの国の内2カ国ですから、その参加が無いことはこのサミットの存在意義自体に関わってきます。

実現の難しい話題は話し合わない

100の国の首脳と機関が出席したとしても、ウクライナが提唱する和平案の内、「領土の返還」と「ロシア軍の撤退」という最も重要であり、実現すべき問題についての議論は行われません。
それは、現実に実現が限りなく無理である状態だということを同時に意味します。ロシアは、自分たちの参加しないサミットに何の意味もないことを主張しています。こうした姿を見ているとサミットとはいったいどんな意味があるものなのかという問いを立てずにはいられません。
世界が協力して一つの問題に向き合ったことなど、人類の歴史上で一度もないわけですが、一日も早いウクライナとロシアの和平の実現を願ってしまいます。

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