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サンゴ礁の話

 ※専門家ではないので、いろいろ聞きかじったものをまとめたものになりますので、そのあたりご了承くださいませ。

 はい、ではみんな大好き! 珊瑚礁のお話!
 サンゴは無数に存在していますが、大きく分けるとイソギンチャク強化版のような見かけをしている「ソフトコーラル」と、硬い「ハードコーラル」です。
 枝が生い茂ったような「エダサンゴ」、脳のような形をした「ノウサンゴ」、キャベツのような形をした「キャベツサンゴ」とか、ああいう硬いサンゴをハードコーラルと言います。

 ドキュメンタリー「チェイシング・コーラルー消えゆく珊瑚礁ー」を見てのトピックとなります。

■サンゴという生命体

 そもそも、サンゴという生命体は、「体の中に微細藻類という『植物』を持つポリプ(動物)」が無数に共生することで出来上がる、高度な生命体だそうです。
 究極の共生体、とも言えるかもしれません。

 サンゴの体の中に無数にいる「ポリプ(動物)」の中には微細藻類という「植物」がいて、その植物が光合成をし、栄養を供給することで、「ポリプ」を生かし、無数の「ポリプ」を宿す「サンゴ」という一つの生命体として活動する。
 昼には「微細藻類(植物)」の方が光合成をして栄養を供給し、夜になると「ポリプ(動物)」の触手で海の生き物を捕獲するそうです。

 ですが、このサンゴの核となる無数のポリプ——その中にいる微細藻類がうまく機能しなくなると、ポリプは体の中の機能不全となった微細藻類(植物)を異物として排除し、何もいなくなった透明な「組織(ポリプ)」だけが残り、骨格である「骨」があらわになっているのだとか。そして、そのまま餓死します。
 つまり、サンゴの白化は「白い骨が透けて見えている状態」ということらしいです。
 そして、サンゴには基本的に寿命がないのだとか。なので、サンゴが死ぬときは、環境が変わったから。
 いやぁ、興味深いですね。

■サンゴの白化

 サンゴが真っ白で表面がツルツルとしている状態は、まだ「仮死状態」に近い状態ですが、微細藻類が現れサンゴの表面が毛羽立つと、それはもう死んでしまったサンゴということだそうです。

■なぜサンゴは白化するのか

 では、体の中に「植物」はなぜ、機能不全になってしまったのか。
 この「植物」が機能不全にならなければ、ストレス反応——異物として排除すること——を起こすこともなかったでしょう。
 その原因は、地球温暖化。水温の上昇にあるそうです。
 ドキュメンタリーの実験では、白化した珊瑚礁の水温を二度あげると、珊瑚礁は元に戻りました。

 それでも、白い珊瑚は美しい。皮肉ですね。

■サンゴの進化

 そしてサンゴは今も進化し続け、鮮やかな紫や黄色の、蛍光色のサンゴが現れるようになったのです。これは、日焼け防止のための色なんだとか。
 いつか、サンゴ礁は蛍光色の生き物になり、そうでないサンゴは滅びてしまうのかもしれませんね。

■サンゴがもたらす影響

 海に住む25%の生き物はサンゴ礁に依存しており、その生き物を私たちが食べ、またサンゴから新薬がつくられることもある。
 また大波やサイクロンから人類を守っているそうです。
 珊瑚礁は私たちと大きな関係があるということですね。

■サンゴの死滅

 フロリダキースの珊瑚礁は、1971年から2015年の約五十年で、生きている珊瑚礁は0.01%まで減少し、フロリダ全体でも8〜9割の珊瑚礁が死滅し、世界単位で見ても、ここ三十年で5割の珊瑚礁が死滅しているそうです。

 このトピックを書こうと思ったドキュメンタリーでも、たった二ヶ月で珊瑚礁は死滅し、サンゴが死ぬことで魚もいなくなり、淀んで濁った海になりました。

 私は数年前、オーストラリアのグレートバリアリーフに遊びに行ったのですが、あの壮大な珊瑚礁が五十年後には一切なくなっているかもしれない。
 2020年現在の20年後、2040年には水温の上昇により、地球上の珊瑚礁が全て死滅する、なんて話もあるそうです。

 20年なんて、すぐですよ。ほんの少し先の未来の話です。
 鳥肌が経ちました。
 世間では全然話題になっておらず、せいぜい「地球温暖化」くらいですが、海の世界はこんなにも変わっているのですね……。
 けれど、幸いにも、海洋環境改善のための活動が活発になっているそうです。

■実感。

 このドキュメンタリーを見て、ハッとしたことが二つありました。

 一つは、伊豆大島にサンゴが増え始めたということ。
 え! 増えてるじゃん! いいじゃん! と思うかもしれませんが、今までいなかったところにサンゴが現れたということは、海洋環境が変わっているということです。

 伊豆大島に増え始めたサンゴはエダサンゴ・脳サンゴ・キャベツサンゴではなく、テーブルのように並行に広がる「テーブルサンゴ」ですが、ここ数年で伊豆大島にもテーブルサンゴが増え始めました。
 ということは、珊瑚礁は「消えゆく」と同時に、生きられる場所へと「移動」しているのかもしれません。移動して移動して、そしてもう移動できなくなってしまったら、やはり珊瑚礁は最終的に死滅してしまうのではないでしょうか。
 そう思うと、私は伊豆大島にテーブルサンゴが増えたこと、どうにも喜べないのです。

 実際、2019年10月に行った小笠原の珊瑚礁も多くが白化していました。
 小笠原諸島父島の製氷海岸です。ここの珊瑚礁は近年毎年白化して、その多くは今のところ復活していますが、いつか完全に死んでしまうかもしれない、そう思うと恐ろしいです。


 そしてもう一つは、2019年、台風がこなかったこと。
 次のトピックに続きます。

出典

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