資格試験を受けてきた過程で考えてた事
ふーれむ@ditflame です。
この投稿は「技術同人誌・商業執筆 Advent Calendar 2021」に参加しています。
現在は大阪で社内SEをしてますがそろそろ転職予定。 その前(2016年の夏ぐらいまで)は大阪で受諾開発のSEをしておりました。
先日(12/13が合格発表だった)、色彩検定の3級とUC級に合格しまして、よくわかんないのですが10年もがき続けていたら年1ぐらいのペースで国家資格/公的資格が取れた みたいな事になりました。
(なお、トータルでの合格率は年4~5つ受けて1~2個取れてりゃ良い方なので2割ぐらいなものです。試行回数が多いので多く受かっているだけ という側面は正直なところあります。)
ブログや同人誌執筆などもアウトプットの代表格ですが、資格試験もアウトプットの代表格だろう…と思うので。 まあこういう記事もいいんじゃないかなと思っています。
そろそろ書き残しておかないと当時の経緯を忘れそうというのもありまして…。(実際記事書いてて錯覚してた事に気づいた)
新人の頃~2010年ぐらいまで
ついうっかり学生時代に第一種情報処理技術者試験が取れてしまったのが良くも悪くも… という感じはあります。
(当時、学生の合格率1%以下だったのでこの試験が一発でしれっと取れちゃうのは変といえば変でした。内情を説明しちゃうと、高校から工業科に狙って行ってたような人なので、5年ぐらい工学に浸かっていれば…という単純な年数の積み上げによるものです。種も仕掛けもあります。妻に背景を説明したら「そんなんチートやん」って言われました。否定しにくいw)
その後、自然な流れとして高度を受験してみるか~ という風にはなるのですが、当時はまだ翔泳社さんなど資格対策書籍を出している出版社さんが高度情報の対策書を出す直前でした。
とりあえず受けてはみるのだけれど…
・何を問われているのかがさっぱりわからん
・過去問も公開されてないので過去の情報を見て調べるにもちょっと辛い
という感じで、それ以上はどうにもならなかったのが学生の頃ですね。
(後になれば技術的が俯瞰で見えてくるようになるし、試験対策書籍がちゃんと揃うようになるので ああこういう事を掘ればよかったのか…とわかるのですが、それは後の祭りという奴です。)
社会人になった後は3年ぐらい炎上案件に突っ込まれたりとかして全然時間が取れなくなっちゃいました。(それ以上に周囲の人が情報処理技術者試験全然取ってないのにふんぞり返ってる感じもあって、別に無くても困らんのか… というのもあった。)
10年以上前の私
2010年ぐらいまで、ひょんな事から入った(古き良き感じの)客先常駐での組み込み案件がえらく長くなり、新しい資格を取ろう…という感じにはなかなかならなかったのですが、物事には始まりがあれば終わりもあるのです。当時の所属してた会社は単価が高いという理由で切られちゃいまして、いきなり組み込み案件から撤収する事になりました。
さてどうすっかな~という話になったのと、当時所属してた会社が査定ルールをちょっと明確化しだした頃で、資格取得が評価点に乗るようになったので、資格に受かるメリットが客観的にちょっと出だしたのがこの頃です。(実は情報一種取ってからも、ずーっと高度情報の試験は年1回しか機会が無いこともあり受け続けてたのですが、なんか箸にも棒にもかからないぐらいの結果がずーっと続いてました。)
あと、ITSS(ITスキル標準)が一般的に整備されたのもこの頃かな…
世界の果てがよくわからん所に世界地図がいきなり現れた感じだった。
2012年
実務に全く影響はなかったのですが、なんとなくアマチュア無線3級を受けたくなって受験 → 合格
某試験(詳細は後述。)を受けようとして専門分野検討した際の詳細試験範囲を検討した結果、マルチメディア関係の設問があるのですが、情報処理技術者試験のカリキュラム的にはほぼない(一応高度の午前1とかで出るっちゃ出るけどカスる程度なので…)事に気づく
↓
大学の頃、そういや応用科目の授業でCGの授業やってたな… そういやCG検定って資格あったよな と思い、教科書買ってきて勉強し、CGエンジニア検定(エキスパート)と画像処理エンジニア検定(エキスパート)を同時受験、結果 CGエンジニア検定(エキスパート)のみ合格
※まさかこの頃はこんなノリが10年近く続くとは思っていなかったよ わたしゃ…
2013年
倒し残した敵を倒しに行きました。画像処理エンジニア検定(エキスパート)合格。CG検定の他の資格は別に私のスキルセットの方向としては無くても困らないので受験対象外としました。(まあ受けても良いのですが…)
その後、ずーっと長らく受けてたネットワークスペシャリスト試験(まだ今も受かってないです)の対策にずっと苦戦してた(業務であんまりカスらないので…)のもあり、「よし、物理側から攻めるか!」と思って電気通信の工事担任者 DD第一種(今のデジタル一級)にこの年やっと合格しました。(厳密にいうと合格は翌年なんですが。)
この試験、実は素晴らしい科目合格制度を備えており、3科目を3年かけて取れば資格になります。受験費は3倍要るけどね。(組み込み案件をやってたと言っても主導してたのは制御ソフトとアプリケーションソフトの統合検証やフィールドエンジニアリングが主であり、あくまでソフトウェアの範疇から出ない程度の仕事をしていた事もあり、当時ちょっと電子回路などの範囲からは離れて長かったので、1科目ずつ地味に崩して受かりました。)
この資格、あんまり実務で使わないだろうな~と取得当時は思っていたのですが、今年(2021年)ひょんな事から支社の移転ミッションが爆誕しまして、10GBase-Tのネットワーク敷設工事を自前でやるミッションが発生、無事に業務でめちゃくちゃ生きました。
ここらへんの知見はアウトプットとして書ける様に情報はしっかり蓄積済みなのですが、今年はまとめるタイミングがなかったですね… 来年某パンフにでも敷設で検討した内容など、全部晒して寄稿してみようかと思っています。(こういう所に書いて強制的に配ってしまうと、きっとみんなの役に立つはずなので。)
2014年
この頃、とりあえずSE10年以上やってんだし高度をちゃんと取っておくか… という気持ちになりました。
組み込み案件をやってた時には組み込み案件にバッチバチにロックインされてもなぁ…と思って、受けもしなかった(高校が電気科、大学の卒論がフィードバック制御だった事もあり、多分数年で受かるんじゃないかなと思ってたので)エンベデッドシステムスペシャリストに2011~2年ぐらいから受け続け、確か3回目ぐらいで受かりました。これで私も高度情報処理技術者だー!ってなったのはよく覚えてます。
記事を書いていて思い出したぜ… なぜかこの試験の前日に「全社員、東京で創立記念式典やるから集まれ☆」っていう社長の大号令で東京弾丸出張してたんですわ… SIで飯食ってる会社なんだからさすがにその日程は外せよって思わなくはなかった。式典の後に全社飲み会みたいなのビッグサイトか何かでやってたんですが、試験前日の時間は貴重なんですよ。時間が惜しいので速攻抜けました。(会社への帰属意識もこの事件で大分抜けました♡)
2015年
この年、実は体調をめっちゃ崩しまして、ボロボロになりながら受けた情報セキュリティスペシャリスト試験(現:情報処理安全確保支援士試験)に受かりました。なぜこんな時にばかり受かるのだ俺。
ちなみにこの時までにやってた合格対策をQiitaにて「一番簡単(だと個人的には思ってる)なセスぺ(現:情報処理安全確保支援士試験)の取り方」という記事にまとめたところ、しばらくQiitaの情報処理技術者試験タグでトップLGTM記事として君臨し続けてました。(今はもっといい記事があるのでおそらく2位です)
他にも情報処理技術者試験ネタをQiitaに何本かぶら下げたのですが、結果Qiitaの情報処理技術者試験タグでいうとトップコントリビューターという事に何故かなってしまったのでした。(今もギリギリそうみたい。おかげで講演時の掴みとしてネタに使わせてもらってます。)
あとこの頃、懇意にしてもらっていた技術士さんから「簿記はやっておいたほうがいいよ。」と言われ、簿記ちゃんと覚えたいなーとなって、日商簿記3級、全経簿記2級、全経簿記1級(工業のみ)に受かりました。日商2級とか全経1級は再度受けたいなと思いながらも2021年末時点では手が出てません。そんなものです。
2016年
前述の全経簿記の合格証書が年を跨いで来たので錯覚してたのですが、この年は何も受からなかった年です。毎年なにか取れ高が出てると自分でも錯覚していたんですが、まあ厳密に合格日ベースでいうと違うなぁと(笑)
この年、忙しかったからなぁ・・・
実はこの年、転職して社内SEになったりしました。(当時は社内でDBAみたいなロールも含めてやる事になっちゃったので、翌年のデータベーススペシャリストの準備をせこせことやってました。)
2017年
長らく目標としてた試験のうちの一つであった、データベーススペシャリスト試験にやっとこさ受かりました。(おそらく7~8度ぐらいはIPAにお布施している)
SEっぽい資格がやっと取れたな という実感を得られました。あとデータベース関連の論議にあまりビビらずに突っ込んでいけるようになったのが大きかったです。
2018年
とりあえず受けてみた情報セキュリティマネジメント試験に受かりました。
人事から「この資格ってどれぐらいの難易度なん?」と聞かれるケースが増えてきて(特にITパスポート試験)、なんとなくITパスポート試験は想像がつく感じだったのですが、想像がつかない新規試験の試験難易度を見ておこうというのが主眼でした。
この試験、多岐選択ですが試験対策書を買わずに過去問数回分ざっと流して受けたところ、結構回答導出が大変だった覚えがあります。たぶん舐めてると有識者でも落ちる事ありそうな…
まあ、なぜこの試験をこんなタイミングで受けたのかというそもそもの理由はもう一つあり、この年結婚したので忙しかった…のです。当時は情報セキュリティマネジメント試験もCBTになる前で、年2回しか受験チャンスがなかったので丁度良かったという。(笑)
2019年
知財関連の知識を整理したくて、知財検定3級を受けて無事受かりました。ちょっと知財関連の流れや用語を知っておかないとなーとなったので、完全に業務起因です。
また、技書博キャラバンに参加して技術同人誌執筆に関与しだすのがこの頃ですね。(それまではQiitaがアウトプットの中心だったのですが、ここから一気に技術同人誌に比重が移っていく事になります。)
2020年
この年から親方さんの合同誌とかSlackにどっぷり入るようになります。
そんな最中に受けたのが販売士2級(3級も同時に受けたけど) 受かりました。3日前まで合同誌の誤字修正とか追記を走り続けてて、正味なところ試験対策然とした対策をした日数でいうと、3日しか勉強してないんですが…
なおこの時にやってた合同誌が「ワンストップ生き方」なのですが、私がここらへんの情報を掘ってた影響で、商業における6つのギャップの話などを第2章「お金に関する話」で書いたりしました。
ここまで試験を受け続けた事で自身に構築された枝刈り能力で試験を通してしまった感じも多分にあり、その後、大阪販売士協会さんの方から合格体験記を書いてください!って言われて大変困った事になったのも併記しておきます(笑)
この後、資格試験についてはコロナ禍で日程が変わる、試験自身が吹っ飛ぶなど色々ありよくわからん1年になりました。
受験決意した試験が日程吹っ飛ぶとめっちゃテンション下がりますね。(笑)
2021年
コロナ対策の一貫で試験日程が流動的だったりという事もあり、試験疲れが出てしまってあまり重い腰が上がらなかった年でした。
2017年に某勉強会にてユニバーサルカラーデザインについて長尺(70分)の技術講演をしたことがあるのですが、「そういえば、その底本にした本が資格試験に昇格してたんだっけか…」 という事を思い出し、色彩検定UC級を受け、せっかくなので色彩検定3級も併願受験したら先日両方無事に受かりました。
なぜこんなに色々拾う事になってるのか
いくつか理由はあります。
・技術的に高い所に到達しようと思うと基礎ガッツリ組まないと崩れる
いわゆるところの橋桁理論みたいな話ですね。自分としてもちょっと基礎組みすぎな気はしています。まあ私の精神的なところがスペシャリストというよりはゼネラリストに寄ってる という所も大きいのだと思うのですが。(我ながら悪い癖だと思うのですがゴールが見えると急激に興味が減るので、ポートフォリオ系のアウトプットとすこぶる相性が悪いんです(笑))
・最終ゴールとして取りたい資格がある
一応、最終ゴールとして通っておきたい資格がいくつかありまして、そこに直接行くのが大変しんどいのでマイルストーンとして資格を置いている というケースが多いです。
最終ゴールとして見てる資格を書いておくと、
・技術士二次試験(情報工学部門)
・中小企業診断士試験
とかになります。(ここらへんの資格って、資格なくても似たようなムーブは実は取れなくはないのですが、あると説明力が段違いなので…)
色々必要そうな資格を手当り次第取ってわかった事
色々とあるのですが、大きな点をいくつか。
・資格持ってる本数が倍だからって準備の時間は倍かかんない
まあ簡単な話なのですが、近傍領域での資格試験って、試験同士の出題範囲は当然ながら被るので、1+1は2じゃなくて1.5とか 下手すると1.1とかになります。(1.1になる代表格を挙げるとすると日商簿記と全経簿記とか。)
・意外にお金かかんない
世の趣味というのは総じて金食い虫が多い気がします。オタクムーブとか。それに比べると資格試験なんて年10万もかかんないので可愛いものですね… 可愛いものです… たぶん
(ただし本が無限に増えるし、私の場合は妻に本…多すぎじゃない?って叱られているぞ!(どっちかというと部屋が片付かない事を叱られているのだけれど))
・技術同人誌の執筆ネタが無限に産める
このアドカレの主催である親方さんのところで、同人イベント毎ぐらいの単位で合同誌企画が立ち上がり、だいたいイベントに対して1冊、何らかのテーマで「新刊の合同誌を書こう!」的な話になるのですが、親方ProjectのSlackチャンネルに入るようになってから恐らく全ての合同誌、商業化アップデートした合同誌に何かしらの寄稿(最低でも章単位)をしている…という状況になりました。
私は今回の記事で書いているようなムーブを続けてきていたので、いわゆるところのドメイン知識が普通のITエンジニアの人よりはだいぶ幅広に蓄積された状態になっているわけですが、実はこういうオールラウンダーロールみたいなスキルセットと技術合同誌の執筆ってめちゃくちゃ相性が良いんですよね… 例えるならば、バレーでどんな球が来てもとりあえずレシーブが返せる感じ。
年末に出るだろう親方さんの所の新刊(積み基板を作らないための電子工作
入門)でも、「電子工作における各種電源について」で電源関連のトピックを余す所なく書きました。なおITエンジニア臭はおそらく0の内容です。
あの本、たぶんエンベデッドスペシャリスト試験の基礎打ちとしてもさらーっと読めて、いくつかの重要概念が一気に脳内の構築される点からめちゃくちゃ良いと思っていて、手に取る機会があれば是非… という感じになってます。
おわりに
なんとか(無理やり)技術同人誌の話に着地しましたね。
(当初は資格試験の合格もアウトプットじゃろ…と思って気軽に書き始めたのですがなぜかゴールはここに吸い込まれていた。どういうことだ。)
鶏が先か卵が先かみたいな話はあるのですが、エンジニアリングに関わらず業務で求められるのは、改めて考えると普通はアウトプットなんですよね。
例えば情報処理技術者試験も基本情報ぐらいまではインプットの比重が高い試験であるのに比べ、応用情報で短文記述が出てきてアウトプット要素が幅を利かせはじめ、高度情報では適切なアウトプットができないと即死する試験へと変貌します。
最近になって非常に感じているのですが、高度なエンジニア(というか高度なプロフェッショナル)というのは所与に応じたアウトプットが適切に出せる人であるという事を強く求められているような気がしているのです。
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