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俺っちのあひょーんサンデー

タイトル通り、マヌケな日曜日を過ごしたので聞いてほしい。

大学2年生の夏。最後の彼女は高校時代ということで、自由気ままに「好きな事を、好きな時に、好きな分だけ」な生活を送っていた。
マッドレスや枕にお金が使えるほど、まあまあ金銭的にも余裕がある。
強がりではなく、僕はこの生活に満足していて、彼女は良い人がいれば!ぐらいの気持ちでいた。

しかし、その状況に居ても立っても居られないは親だった。
バイト代で買ったシワくちゃのシャツにアイロンをかけていたり、ワックスを付けようもんなら「デートか?」と。

そんな日常を過ごしていると、流石に焦った方が良いのかと思ってきた。親の思う壺かもしれないが。

そんなある日、ついにマッチングアプリを入れ、人生をさらにカラフルにすべく行動開始。
そして今回出会う女性とマッチした。
1日に1メッセージ、平安時代の恋文のような頻度で会話を続けた。
この少なすぎる頻度ゆえに、デートの詳しいやりとりは前日の夜まで続いた。「12時半新宿駅」がギリギリで決まり、就寝。

次の日はいつもより早く起きた。シャツにアイロンをかけ、ワックスをつけて「いざ出陣!」と思いきや、家に出るタイミングで小雨が降ってきた。

なんだかついていない

1時間ちょっと電車に揺られる。
Amazonでセールをやっていたので覗いてみると、この前バイトの昇給祝いで満を辞して買ったヘッドホンが2000円も割引で売られていた。
窓の外の雨は強くなっていた。

新宿駅に着き、待ち合わせ場所に着いた。もちろん10分前に。
スマホを見るなり、通りよく人を見るなりして10分過ごしたが、彼女が現れることはなかった。

今日1日を振り返ると、ずっと雲行きは怪しかったし、なんとなくそんな気がしていた。
それでも恥ずかしかったので、友達に電話をかけてみたりしてその場を去った。
滞在時間15分で新宿を去った。エド・シーランの「I don't care」を聴きながら。

おしゃれもしていたし、話題の映画「怪物」を観ようと決意。
時間の都合が一番合う横浜駅のムービルへ。「ガッツだぜ!!」を聴きながら。

お化け屋敷かと思う程古臭いムービルに着き、チケット売り場に並んだ。
見たい映画と座席をガラス越しの係員に伝えるという、お化け屋敷らしい古臭いシステムだった。
自分の番が来て、見たい映画を伝えた。
「13時45分からの怪物くんで」

同い年ぐらいの係員が笑いを堪えて、「怪物でよろしいでしょうか?」という。
僕はアニメ史上最も内容がないで有名な「怪物くん」とカンヌで脚本賞を受賞した「怪物」を間違えてしまった。
ムービルには魔物が住んでいるとすぐにわかった。

昼ごはんを食べていなかったので、映画館には映画鑑賞に加えてごはんを食べにきた。
ポップコーンセットに加えてチーズをトッピングをしたホットドッグを購入し、準備満タン。
他の映画館では味わえないガラガラの席で、のびのびと鑑賞した。

しかし映画に集中できない事態が発生した。
それはホットドッグのソーセージが良いやつということだ。
映画館ではポップコーンの咀嚼音がならないように静かに噛んだりすると思うが、ソーセージがまさかのパキッと美味しいタイプ。
噛むたびに映画館では聞かないソーセージのパキッと音を奏でてしまった。
おまけにガラガラだから、その音は館内に響き渡った。

今日は本当についてない日だった。

肝心の映画の感想は「なんか凄かったけど、よくわからなかった」である。
映画の構成が素晴らしく圧巻だったが、おバカ大学生にはとっては「いろいろわかりそう!ここから面白くなるぞ!」と思った瞬間にエンドロール。

今日は全部解決しないまま過ぎ去っていく。

モヤモヤした1日だったが、今日はマッドレスを新調したことで、追い出される羽目になった15年近く愛用したボロボロのマッドレスが回収される日だった。ずっと部屋で場所を取っていたそいつともようやくお別れだ。

家に着くと、今日引き取ってるれるはずのマットレスが部屋に横たわっていた。古すぎて回収できなかったらしい。

こいつにも迎えが来なかった。

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