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その拘りは共通点? 16bitセンセーション ANOTHER LAYER第三話の感想。

一話と二話の感想もあります。


守攻略が始まる三話

三話はいよいよ、守の攻略に入る回だったように思います。

本作でコノハちゃんが乗り越えなくてはいけない壁は二つある(と私は見ている)事を二話の感想で書きました。三話ではその一つである守の攻略がスタートします。ただ守の立ち位置が二話と比べて変化しており、そこにはいくらかの突破口も垣間見えます。詳しくは後述します。

同時に、サブ展開的に示されているSF要素。つまりコノハちゃんがタイムリープしてしまう原因へのヒントもいくらか見られました。

新キャラも2名登場しますが、顔見せをするのみで物語にどう関わるのかは不明。

すまん、コノハちゃん。

三話の感想において何よりもまず書いておきたいのが、コノハちゃんへの謝罪です。

…と言うのも、一話の感想記事で、私はコノハちゃんを「心理的視野狭窄に陥っているのでは?」と書きました。これは私の誤解を含んでいたことが、三話で明らかになりました。

その根拠になっているのは、コノハちゃんが企画書を提出するも即却下されてしまうシーンです。

三話内にはコノハちゃんがタイムリープを回想するシーンがあります。その中で彼女は自前の企画書を社長に提出しますが、読まれることなく「却下」の印を押されて突き返されてしまっていることを確認できます。

私がコノハちゃんを視野狭窄気味だと考えた理由は、コノハちゃんの話を聞いてくれている社長さんらに対し、なぜか「私の話を聞いてくれない」と嘆いていたからでした。彼女の考えは端から見れば事実に反しています。これは心理的に視野が狭まっていることの表れではないかと考えました。

しかし、せっかくの企画書をあのように扱われたとなれば、話は変わります。コノハちゃんの「私の話を聞いてくれない」という主張は、事実に沿った妥当な考え方だと言えるでしょう。

もっとも、企画書を提出して却下される下りは、一話の段階では描かれていませんでしたから、後付けの情報であると見なすこともできます。とはいえ、このことに怒っているだとかは一切ありません。細かい部分の整合性やらは何やらは、全十二話を俯瞰して見た時に取れていれば問題ないと考えるからです。

その拘りは壁か、突破口か?守をどう説得するのか。

三話で改めて示されたのが、コノハちゃんと守の対立でした。

二話の時点でも、美少女ゲームに強い偏見を持つ守と、美少女ゲームを愛するコノハちゃんは心理的に対立する部分がありました。

これをコノハちゃんはどう乗り越えるのか。

これが本作の大きな見どころになると考えている…と、二話の感想で書きました。三話ではいよいよこの対決が始まったように思います。

守は98への強いこだわりを持つあまりWindowsを毛嫌いし、プログラムを書こうとしません。しかし美少女ゲームを再び作るためには彼の存在は不可欠です。コノハちゃんは一体どうするのでしょうか。

この壁の突破口であり、同時に最大の壁でもあるのが、守の98への拘りだと考えています。

因みに、筆者もパソコンには詳しくないのですが、守の言う98とはPCそのものの名前であり、Windowsの98とは全くの別物である点には注意が必要です。98というとWindowsのバージョンのことかと勘違いしそうになりますが、作中で扱われる98はかつてNECが発売していたPCの製品名であり、Windowsとは無関係のようです。


これはNC旋盤の操作パネル

なぜ、98に拘る?

守を見ていて思うのは、なぜ98にそこまで拘るのか、という疑問です。

作中での描写を見る限り、守の98への拘りにロジックはないように見えます。開発上の不都合があるだとか、そういう論理的な理由を彼は持っていないようです。

ならばその98への拘りは、愛であると考えても良いでしょう。事実、三話内では守は98への愛を長々と語っています。

そしてこのロジックに寄らない拘りは、正に対立するコノハちゃん自身も、同じく抱えているものでした。

それはもちろん、美少女ゲームへの愛です。


美少女ゲームの例


コノハちゃんもまた、自身のデザインしたキャラクターを冒険、活躍させる夢を、美少女ゲームという場で叶えたいと願っていました。

普通に考えれば、キャラクターを活躍させる場を美少女ゲームに限定する必要はないはずです。アニメでもラノベでもアプリでも、何でも良いでしょう。しかしコノハちゃんの美少女ゲームへの愛が、この拘りを生んでいる…という予測を、一話の感想で書きました。

この点でコノハちゃんと守は、対立しながらも共通する一面を持っています。拘る気持ちを理解できるコノハちゃんなら、守を説得すること道筋もあるかもしれません。守はコノハちゃんの熱意だけは買っているような発言もしていました。

ちなみに、守役の声優である阿部敦さんも、守の98への情熱はコノハちゃんの美少女ゲーム愛に通ずるものがある…と感じているようです。


同時に、強固な壁にもなる

しかし、もしコノハちゃんと守が同種の拘りを持つならば、これは突破口でありながらも、同時に強固な壁であるとも言えそうです。

守に98用ソフトの開発を諦めさせることは、コノハちゃんに美少女ゲームでの夢の実現を諦めさせることに等しいとも取れるからです。

コノハちゃんは彼をどのように説得するのでしょうか。そもそも説得など可能なのでしょうか。


以上です。解釈の上に予測を立てている部分も多いため、今後の展開は全然違う方向かもしれません。こういうライブ感も面白い。よ。


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