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18歳娘、カナダの大学生活が始まる【入寮→買い出し】

2024年8月30日

彼女のカナダ生活がスタートした記念すべき日である。

海外は全くの未経験の純ジャパ。海外の大学に行くと決めた時からずっと行き当たりばったりの道を歩んできた。「色々な国の人たちと関わりたい」以外に何も武器を持たない丸腰での海外生活スタート。英語力はIELTS5.5(最大瞬間風速)という心もとなさだ。

そんな娘が初めて一人で海外に行き、一人でホテル泊をし、一人で国内線のチェックインを行い、無事に最終目的地の島までやってきた。その間、食事も自力で調達したのだから大したものである。

とある島の上空からの写真

そして、ついに降り立った島の空港での娘の第一声。

「寒っっっ!!!!」

だった。

日本の気候のまま真夏の恰好で行ったのだからそりゃ寒いであろう。ちなみに、モントリオールで上着を探したもののコレジャナイものばかりだったらしい。探し方にも問題があったのかもしれん。

ロストバゲージもなく自分の荷物を回収。小さな空港なので多くの留学生が同じ便に乗っており、今思い返してみると知ってる顔ぶればかりだ。あらかじめ申し込んでおいた大学のピックアップサービスで空港から大学へ向かう。

日本だとピックアップサービスを申し込んでいる学生の名簿一覧なんかを作っておくのが一般的だが、まずそこからして違う。

大学スタッフがA4用紙の束を持っている。

何って、、、

一枚ずつに学生の名前が手書きで書いてあって、そこから該当する学生を探し出して学生に渡すという手順らしい。

おーう、、、めちゃくちゃ非効率、、、

でもその雑さに安心するずぼらな我が娘

ロシア人の女の子と中国人の男の子と娘の三人が同じタクシーに乗り込んだ。次は入寮の手続きがあるのだが、どうやらその時に必要な書類があるらしい。けど、娘はその書類にピンときていなくて、2人が色々と教えてくれた。

ロシア人の女の子はとても優しいんだけど、聞き返す時に

「アァ?!?!」

っていうらしく、それがヤンキーみたい(「ああ!?お前なめてんのか?こら!?」みたいな雰囲気)で最初は怖かったと言っていた。

入寮時、早速困ったことが発生した。

それは、



何説明されてるのかわかんない・・・

のだ。

めちゃくちゃ早口だし、全体に向けて話をするからどんどん話が進んでしまう。今まで主に一対一でしか会話をしてこなかった弱点が早速出た。一対一もしくは、少人数での会話であれば、その場でわからないこともすぐに聞き返せるが一対大勢となるとそれができない。

困ったぞ・・・

全然わからん・・・・


しかし、

娘はそんなことで挫ける人間ではなかった。

困ったら周りの人に助けを求めればいい。

万歳!!他力本願!!


自分が困っていることを伝えたら周りの留学生たちは気持ちよく手を差し伸べてくれた大学のスタッフもみんな優しかったらしい。他力のお陰で無事に学生証を作成し、入寮手続きも滞りなく終わり、これから始まる自分の部屋に足を踏み入れた。

入寮手続きの列

寮の部屋は2人部屋が2つあって、最大4人で1つのユニットを使う仕様だった。トイレ、シャワーブース、洗面台も2つずつあり、更にキッチンと広々としたダイニングまであった。既に上級生(東南アジア系)の1人が部屋に入っており、もう一つの2人部屋に根城を作ることにした。

寮の部屋

その上級生は3年生で、寮や周辺お店など基本的なことを教えてくれた。生活を始めた当初、彼女にはとても助けられた。

一通りキャンパス内を歩き回って「海外に来た感」と「これから生活していくんだ、ここで感」をかみしめる。

キャンパス内
まだこの時は夏空だったな
校舎
レンガ調の外壁にテンションぶち上る

ホームステイではなく寮生活なのでとりあえず何もない。シーツや布団、枕もないので睡眠の質を確保するために調達しなければならない。我が家の家訓は「いついかなる時も睡眠が第一優先」である。ルームメイトの情報によると近くのスーパーストアには何でも売ってるとのことなので、一人で行ってみることにしたらしい。

後から振り返ってみると、よく初日から一人で買い物に行ったなと思ったし、大学の仲間からも「初日から一人で買い物に行ける度胸がすごいよ」と褒め(?)られた。

なんてったって交通ルールすら知らないのだ。歩行者が渡る時は手を挙げるのが規則なのだが、青信号で適当に渡ってたらしい。ただ、島の人はとても穏やかでドライバーも優しく、必ず歩行者を優先してくれるから問題なく往来できていた。

寝具が思ったよりもかさばって一回の買い物では持ち切れず、初日は二回に渡っての買い出しとなった。


2回目の買い出しの時にちょっとした出来事があった。

シーツを買おうと思ったらシーツに値札が付いていなかった。そのスーパーストアはセルフレジなので値札がないのは困る。キョロキョロしていると近くにいたお店のスタッフ(お姉さん)が来てくれた。

「何かお困りですか?」

「値札が付いてなくてスキャンできないんです。」

「ああそうなのね!

 今日って誕生日?


へ?タンジョウビ?

誕生日って聞こえてるけど、この流れで誕生日っておかしくね????


「ごめんなさい。もう一度言ってください。」

「今日はあなたの誕生日?」


やっぱり誕生日って聞こえる・・・

脈絡がなさ過ぎて困惑する娘。

「いや・・誕生日ではないです(汗)」

「OK!!わかった!!
 このシーツは私がおごってあげる!!
 お金は要らないよ!!
 頑張ってね!!」

ええええええええええええええ!!!!!!
どういう展開!?
何が「OK」なのか、もはやワケワカメ。
いやいや、おごるってどういうこと?!
不思議の国のアリスみたいな何でもない日おめでとう的なやつ?
ワンダーランドに迷い込んだ?
異文化がすぎる!!!

謎のカルチャーショックを受けて買い出しを終えた娘だった。

想像するに大学の近くのスーパーなのでこの時期には多くの留学生が買い物に来るのであろう。アジア人は珍しいし、娘は童顔なので「はじめてのおつかい」風に見えたのかも・・・?ともかく、移民に優しそうな土地柄は嬉しい。

入寮して初めての夕食をダイニングホール(ビュッフェスタイル)で食べた。しかし、今となってはダイニングホールの場所とかどうやって知るところとなったのか、誰かと食べたのか、もはや思い出せないらしい。
とにかく大学までは何としてでもたどり着きたい一心だったので、安心して覚えてないのかもしれない。

こうしてカナダ生活1日目が終了した。

翌日、娘は早速次なる壁にぶち当たることになった。


2日目の朝
寮の窓からの景色


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