【TDS】コスチューム変更が何を物語るのか《ポートディスカバリー》《ミステリアスアイランド》
はじめに
先月10日のなうタグ(TDR_now)において、東京ディズニーシー、ミステリアスアイランドにあるショップ「ノーチラスギフト」の新コスチュームが投稿された。波紋を呼んだのは、そこに取り上げられた文章。
ノーチラスギフトのコスチュームが7月から変わったそうです。ポートディスカバリーと統一らしいです。
この2文目に問題があった。ミステリアスアイランドとポートディスカバリーのキャスト衣装が統一されるということ。それは、世界観を崩壊させることと同じことだと、多くの人は言った。
この2つのテーマポートの違い
そもそも、ポートディスカバリーとミステリアスアイランドとはどのような世界観なのかを解説していく。
ポートディスカバリーについて公式サイトでは、「時空を超えた未来のマリーナ。ここは自然と科学が調和した素晴らしい未来の世界です。予想もつかない動きをするウォーターヴィークルや空想未来的な建築様式など、全く新しい世界が広がっています。」とある。この文章でも強調されているように、このテーマポートは “未来” がテーマとなっている。
BGS(バックグラウンドストーリー)では、「アメリカンウォーターフロント(一説には、ケープコッド、とも)の人たちが想像した未来」という話もある。もし、これが本当であるなら、アメリカンウォーターフロントの時代背景は20世紀初頭(1912年以降)となっているため、その “未来” はそれ以降になる。
では、場所という観点も踏まえて時代背景を考えると、【20世紀初頭のニューヨークまたはケープコッド(マサチューセッツ州がテーマ)】となる。
ミステリアスアイランドについて公式サイトでは、「謎の天才科学者ネモ船長が作った科学研究所が隠されているこのカルデラでは、人々が不可能と考えていたことを可能にする様々な開発が行われています。ネモ船長が開発した地底走行車や小型潜水艇で神秘的な未知の世界へ冒険にでかけましょう。」とある。そもそもこのテーマポートは、フランスの小説家、ジュール・ヴェルヌの小説『地底旅行』『海底二万里』『神秘の島』をモチーフにしている。上記にある「ネモ船長」とは、これら3つの小説に登場するキャラクターの1人である。
では、それらを踏まえると、このテーマポートは、【1873年の南太平洋の火山島】となる。
この2つを比べると、【20世紀初頭のニューヨークまたはケープコッド(マサチューセッツ州がテーマ)】と【1873年の南太平洋の火山島】。明らかに時代背景も場所も異なる。一部の人が「世界観が崩れる」と言っているのは、これが原因だ。
スチームパンク
「スチームパンク」というと、ミステリアスアイランドをイメージする方も多いのではないだろうか。2015~2018年に公演された『ファッショナブル・イースター』では、ミステリアスアイランドのファッションリーダーとして、ヒューゴー・ベルジュールが登場。彼は、自身の衣装のテーマを「スチームパンク」と言った。
私はファッションについての知識が皆無に等しいため、デザイナーである鮎さんのnote記事を参考にさせていただく。この記事を見ると、ポートディスカバリーのコーナーで「ロゴ、サインはスチームパンクっぽい」と紹介されている。デザイナー視点で見ると、テーマは似ているということなのだろうか…?
おわりに
今回のコスチューム統一は経費削減説が濃厚だとされている(個人的にはそうである、と考えている)。では、この変更は間違っていたのか、正解だったのか?ディズニーが大切にしている「5つの鍵(SCISE)」には、経営などのお金についての記載はない。しかし、オリエンタルランドも非営利団体や法人ではないため利益を全く追及しないというわけにはいかない。ただ、今、そのあり方を考える時が来ているのではないだろうか。
最後に、ウォルト・ディズニーさんの遺した言葉を1つ紹介する。
【参考文献(掲載順)】
Twitter 志願クルー宇宙クジラ🐋&ネモクルーぬいず さん
東京ディズニーリゾート 公式サイト
https://www.tokyodisneyresort.jp/
note 鮎さん
サムネイル
「ノーチラスギフト」東京ディズニーリゾート 公式サイト
https://www.tokyodisneyresort.jp/tds/shop/detail/632/