day3.起業セオリーをフリーランスに当てはめるだけで挫折しそう
いまの職場は急成長中のスタートアップ。社長は全社員に起業家マインドを持つことを期待している熱血漢のため、とにかく熱いし暑い。Zoom会議中にパソコンのファンがブォンブォン回っている。
リーダーシップとはなんぞやとか起業するってなんぞやとか、みんな大事な仲間だぜウェイ!とか熱く語る姿にちょっと引きつつ、きっと良い人なんだろうなとPCの画面越しに見ている社長が全社員とクライアントに伝授している起業セオリーがこれ。
①ミッションを策定する
②ハードルを抽出する
③ソリューション(事業)を作る
しかし私は知っている。三日坊主には絶対に成し遂げられないことを。
これを昔の哲学者は無力の知と言ったか言わないかは定かではないが、身辺の新規事業立ち上げを見る限り、運良くメンターを獲得したとしてもアイディアを練ってはダメ出し練ってはダメ出しの辛口ミルフィーユに自己効力感皆無の私が耐えられる気がしない。
さっそく方向転換が必要なので、起業専門家の著書から自分のためのヒントを見つけることにする。今日はちょっとお勉強モードの私、心の中にめがねをかけて(裸眼とても良い)夫の本をペラペラ。
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スタートアップ界隈で伝説の人と呼ばれる麻生要一さんという人がいる。これまでに2000件もの新規事業開発をしてきた、いわばタイムリープの存在を証明できる稀少な人物だ。著書は元々ビジネスに明るい人向けに書かれた本なので、目次の段階から専門用語や三文字頭字語の多さに思わず目が滑ってしまい、打ってもいない頭がもう痛い。
そんなことを考えていると、この文言を見つけた。
新規事業開発とは「自分の頭で考えたことに、自分で顧客を見つけて、自分で商売にする」業務(『新規事業の実践論』麻生要一著、NewsPicks Publishing, P.11 l.14-15)
読める…読めるぞ。
つい名言が漏れてしまうほど嬉しい日本語だけの一文。しかし簡単に読める文章なのに、どうやって、が皆目見当もつかない。最も簡単に読めるこの一文こそが一番厄介な状況は、探偵に協力的な人物が犯人の推理小説に似ている。頑張って読み解こう。じっちゃんの名に賭けて。
ちなみに言うと、麻生さんと弊社では起業セオリーの入り方が真逆だしミッションの立て方も違う。熱血漢が説く弊社のセオリーをベースに、麻生さんのやり方も言葉を拾いながらのハイブリッド方式でやっていくことにする。
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なんだい、起業セオリーを何にするか決めるだけで文字数も時間もかかってしまったではないか。フリーランスってこんなに考えること本当に必要?と自問自答しつつも、腰を据えてフリーランスのライターとしての自分と長いお付き合いをしたいんだ、そのための基礎工事なんだと思い直す。
残念ながらタイムリープができない私、前前前世からの自分数名を総動員で本気出さなきゃなぁなんて考えていたら、頭の中で「やっと目を覚ましたかい?」と熱血漢の声が聞こえた。もう寝よう。
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