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day4.英文方式で履歴書を書くと、自分がスキルフルな人間に思えてくる

いま読んでくれている中で、英文履歴書を書いたことがある人はどれだけいるだろうか。

かねてより日本での生きづらさを抱えていた私にとって身近な選択肢であった海外就職。忘れもしない2016年、知人から海外勤務を打診されて英文履歴書(CV)を初めて作成したときの衝撃を、親愛なる皆さんと共有したい。

和文の履歴書は事実の羅列、余計な感情は挟まない

日本の履歴書は事実の羅列を書いていく方式が主流。どこに入学して卒業し、どんな資格を取ってどこで何年働いてきたか。「御社が求めるスキル、私も持ってますよ!」と紙の上で大きく手を振るために良い大学に入り、新卒では有名企業を目指す。「未来の履歴書に何を書きたいか」を逆算させることは今の教育現場でも多い。

私は留学の資金調達のため、大学を1年休学している。留学も単位互換が一切認められない規則だったのでさらに1年。その弁解もできないまま、在学年数6、可も無く不可も無い学歴と職歴の空白を書き綴るだけの作業は気分が滅入る。淡々と綴られた事実だけをみると、私は価値のない人材だという事実を突きつけられているようで凹むが、私のように海外駐在に同行した女性達からも「空白のある履歴書に向き合うのがつらい」と言う声をたまに聞く。

衝撃のフレーズが並んだ英文履歴書

一方、私が4年前に書いたCVのデータを開いたら、でかでかと太字で書かれた自分の名前が目に飛び込んできた。一番最初に自分の生年月日と連絡先を記載したあと、私は希望ポジションについて書くことにしたようである。
海外では自分が働きたい会社で自分が何をしたいのかを書くのが主流なので、求人が出ていなくても履歴書に自己アピールをてんこ盛りに書いて送りつけるところがポイント。「すごい私をYOUの会社で活躍させたくはない?」くらいの積極性とハートの強さがないと、逆に海外式の就職・転職はキツいだろうと感じる。

名前と連絡先の後に決まって学歴・職歴欄が続く日本式と違い、CVはフォーマットが人によって様々である。学歴を先にしたり、今までの仕事のサマリーを書いたり、前職で成し遂げたことを一言で説明したりと内容もさることながらCVのデザインにも個性を光らせ「私は他人とは違うんだ!」と主張するこだわりの1枚を作り上げるのだ。私の場合は、自分のビジネススキルを自信がある順に書いていた。例えばこんな感じである。

-Excellent xxxxx and xxxxxx skills (自信のあるスキルを書く)
-X years of experience in xxxxxxxx (応募ポストに近い職種経験を書く)  
-Experience of delegate in international program (プログラム参加経験等)
-Advanced computer skills: Word, Excel … (得意なOffice系ソフトがあれば)

和文履歴書ではスキルや資格の欄は小さく、車の免許やTOEICの点数くらいしか書いたことがないが、CVでは「優れた○○のスキル」を持っていることを明示し、どれだけ希望するポストに自分が相応しいかを熱く語る。

どれも日本語では書いたこともないような自信満々の語り口に、こんなに余裕があるのはどこのどいつだと問いたくなるが、どんなに小っ恥ずかしくても書いたのは紛れもないかつての私だし、CVの中ではよくある表現であることもここに明記しておきたい。

そして極めつけはこちら。

-Have cheerful disposition and humorous personality

どなたか、お客様の中に『私は陽気な性格でユーモアのある人間です』と履歴書に書いたことのある方はいらっしゃいませんか?

これは私がカスタマーリレーションのマネージャー職に応募していたため、紹介してくれた知人から人柄について言及するようにとアドバイスされたためだ。その頃の私が通っていたビジネス英語塾の講師にネイティブチェックを真っ赤に入れられ続けて出来上がった最終版に載っていたので、きっとネイティブには特段おかしな内容ではなかったと思うのだが、今改めて読み返すと日本人の私には衝撃的なフレーズである。

私って明るくて性格良いよ!が履歴書のアピールポイントになるなんて思ってもみなかった。思ってもみなかったが、同じ職務経歴がある人材ならば同僚や部下、上司には性格の良い人を迎え入れたくはないだろうか?意外と理に適ってない?

その後に語学スキル、資格、職歴、学歴と続くが、学歴は高卒なら高校、大卒以上なら大学以降だけだし(日本はなぜ高校まで書くのだろうか)職歴も社名、ポジション、業務内容等を箇条書きで終わり。これだけ先にたくさんアピールしておけば後から学歴職歴に穴があろうとさほど怖さを感じなくなる。

日本の履歴書はもっと自由になっていい

以上までが、私が和文英文両方の履歴書を書いた経験から知ったことと、感じたことである。
日本の履歴書の罫線や太枠が当たり前と思って過ごしていたけれど、パソコンを開いて真っ白な画面から始めていいのはとても自由で心地よかった。

結局、現地まで面接に行って採用一歩手前まで漕ぎ着けながらも、夫の海外赴任により立ち消えてしまった私の海外就職。いつかまたチャンスがあれば前のめりで挑戦したいし、思ったより早く機会が来るかもしれないと予感もしている。

自分の価値は学歴や職歴だけではない。それはパーソナリティであり、過去の経験から得たモノの見方であり、シートのデザインセンスかもしれない。決まり切ったもの以外にも自分の魅力を再発見して、もっと堂々と仕事を探しにいく姿勢ができれば、日本の会社、ひいては社会も少しずつ変わって行けるんではないかと思っている。一歩ずつ自分を変えて、日本を変えよう。

眠くてなにを書いているんだかわからないので、一旦終了。オチはない。






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