多様性のあるチームになるには、対話型鑑賞が適しているのではないかという話
※「対話型鑑賞ファシリテーター Advent Calendar 2021」2日目の記事として投稿しています。
こんにちは、タカ(高田大輔)@ロコタビ と言います。
最初に私の経験をお話しますと、私自身は、対話型鑑賞のファシリテーターの訓練を受けたことはなく、数度参加者として経験をした程度です。
そのような少ない経験ですが、対話型鑑賞の可能性に惹かれて、企業の中でも活用できないかと思っていました。
私が関わるロコタビ社のなかで、対話型鑑賞をオンラインで実施しました。その時のことをシェアします。
良いチームであるための1つの重要な要素は、多様な人で構成されたチームであることだと思っています。
多様性があるチームであるには、(当たり前ですが)多様な人を集めることは大事ですよね。
でも、私は、今そばにいる人が多様であることを認識することこそが重要だと思っています。
近くにいる人の多様性を理解するのに、適性検査やそれに基づいた分析なども流行っているように思います。もちろん、そういうものも有効だと思います。一方で、今となりにいる人を、数値で測ることは少し虚しい気がします。そして、それは多様性を認めるという行為から離れてしまっているようにも感じます。
大事なのは、今となりにいる人が、何を感じ、何を思っているかを静かに聞き、理解することではないかと思います。
そして、多様性のあるチームを作っていくには、そのような機会を作り、チームにその習慣がつくことが重要のように思っています。
私が、対話型鑑賞を初めて行ったときに、同じ絵を見ているのにも関わらず、こんなにも感じ方が違うのだという衝撃を受けました。それは、近くにいる人の多様性に気付かされた出来事でした。
そのときに、きっとこの手法はビジネスを行うチームにも有効だろうなと感じたので、会社でも実施しました。
私が参画しているロコタビはコロナより前からリモートワークで働いています。ですので、対話型鑑賞もオンラインで行いました。
リモートワークだと顕著のように思いますが、働いているメンバーのことが理解しにくいように思います。また、同様に、自分という人間をわかって貰う機会もありません。
それは、リモートワークでのコミュニケーションでは、業務上の役割を全うする情報以外が抜け落ちやすいからのように思います。(出社が前提な会社だと、飲み会や普段の何気ない雑談などからもう少しわかる気もしますが、それでも不十分かもしれません)
実際に会社で対話型鑑賞を行ってみて、事業を行うチームが相互理解をするのに、優れた仕組みだと思いました。
理由は、「話し手が、自由に発言ができること」と「聞き手が、話を分析や判断をせずに聞ける」ということだと思っています。
仕事上のコミュニケーションだと、多数の制約やルールのなかで発言をする必要があり、自分らしい発言をすることは難しいことがあります。
また、聞き手も、同様の制約やルールの中で話を聞きますし、自分の役割においての評価や分析をしてしまうと思います。
対話型鑑賞では、答えがないなかでの発言なので、そういった制約やルールが取り払われたコミュニケーションになり、結果、その人らしさが現れやすし、受け入れやすいのだと思います。
実施したときの感想は、
・ぼんやりと理解をしていた人の輪郭がはっきりする
・逆に、同僚の意外な側面に気づく
・自分の考え方が理解されていないことにも気づく
などでした。同僚もそのような感想をもっていたようです。
実際に実施をしてみて、オンラインで行えるワークショップで、相互理解を目的とするものでは、私対話型鑑賞は非常によい手法だと思いました。
できれば、このような機会を定期的に作り、「近くにいる人の話を静かに聞く」という習慣がチームに作れると良いなと思いました。そういうチームは、多様性のあるチームになっているのではないかと思います。