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否定的なフィードバックは意味がない、その理由って?
Harvard Bussiness Reveiew(2018.7)に掲載されていた記事。
「否定的なフィードバックから進歩は望めない(Negative Feedback Rarely Leads to Improvement)」が、上司部下のコミュニケーションを考える上で役に立ちそうでしたので、まとめてみました。
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2018年07月号 [雑誌]
調査・分析の結果。同僚から批判的な評価を受けた社員は、もっとよい評価をしてくれそうな人の近くで仕事ができるよう、自身の職務内容を調整する。という傾向が、見えたそうです。
1.人は「承認」を求め続けるもの
本誌によると、否定的なフィードバックが、ポジティブに働くことは無かったようです。
そればかりか、否定された人は、他の人に承認を求めにいくような傾向が強く見えたとのこと。これを著者は「承認を求めるショッピング」行動と名付けています。中々おもしろい名称。
否定的なフイードバックが役に立ちそうな時でさえ、受けた側には脅威として受け止められてしまいます。
自分自身を肯定的にとらえるには、その肯定的な見方を支えてくれる社会的なつながりが必要で、この考え方が「承認を求めるショツピング」の根っこにあるのです。
そうした結び付きがない場合、探しに出ることになります。
ベースの人間関係ができていない否定的フィードバックは、意図通りに働かないってことですね。
2.否定的なフィードバックで、意図した効果は出ない
それでも、フィードバックする側が否定的なフィードバックをしてしまうのは、なんででしょう。以下のような背景があるからと述べられています。
フィードバックの背後にあるのは、育てて向上させようという考え方です。自分では見えないところに光を当てることが必要だ、厳しくても現実も知る必要がある、というわけですね。
そこには、向上したいというモチベーションを持たせるには、本人が考えているほどその人が優れているわけではないと思い知らせることだ、という思い込みがあります。
しかし実のところ、人間は自分を自日の下にさらすような人からは離れてしまうものです。これでは、意図した効果は全然期待できません。
否定的フイードバックは私たちをいい方向に行動させるモチベーションとなる、という思い込みがあるからです。
事実そいった局面があるかもしれませんが、ほかのモチベーションも生まれるかもしれないことを認識する必要がありそうです。
育てて向上させたいという思いと&現実を理解せる。
これが否定につながり、相手の自己肯定感を奪う事になるというわけです。
では、どのように解決すればよいのでしょうか。
2つの視点が私は大事だと思います。
3.①人間関係を築くことが最良の解決策
解決策の1つ目は、「人間関係を築くこと」です。
どんなフィードバックにせよ、脅威にならないような、承認的な環境と承認的な人間関係をつくり出すことがスタート地点となるでしょう。
組織に伴う非常に多くのことが、そういう環境を持てないような条件をつくり出しています。
至極あたりまえですが、この認知が大事だなと思います。
対象者との人間関係、信頼関係を築くこと。
組織内における評価とは分離して、人間関係を築くこと。
同じ言葉でも、言う人によって自分の捉え方が違う、ということはありますよね。あの部長から言われると納得できるけど、あの課長から言われると納得できない!なんてこと。
フィードバック与える側は、対象者との「人間関係」を築けてるかを考慮の上、フィードバックする。築けてなければ、人間関係を構築する。
フィードバックを受ける側は、自己肯定というものを意識し、自分自身を常に肯定しているような状態をつくる。
その前提を頭にいれるだけでも変わると思います。
4.②フィードバックは、自己と分離して捉える
解決策の2つ目は、自分自身の捉え方を変えることです。
否定的なフィードバックを受けたときは、そのフィードバックは「事象」に
対する指摘であって、「自分」に対する指摘ではないと捉えることがコツかなと思います。
例えば、提出した資料に対して「資料の意味がわからない」「論理展開が全くもって稚拙である」という否定的フィードバックがあったとき。
上記フィードバックは、提出された資料に対するフィードバックであって、自分の能力に対するフィードバックではない。
能力が否定されたわけではないと捉えることが大事です。
私自身も、否定的フィードバックがあった時は「自己肯定感」のゆらぎを感じることはあります。「あー俺ってだめなやつだなぁ・・・」「こんなこともできないのか・・・」みたいな。
が、直ぐ忘れて改善に取り組むことが必要。
「これは自分から生まれた資料が否定されただけ、直接的な能力否定ではない。さ、作りなおそーっと」と言うような捉え方をするようにして、自己肯定感のゆらぎを抑える様にしています。
何はともあれ、まずは人間関係。
上司側の人によって異なった対応というのが大事なんだと思います。