続・大麻取締法改正 経過の振り返り⑥「第212回国会」
審議会を経て内閣から「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案」が提出され、第212回国会で議題となりました。
【第212回国会 厚生労働委員会 第3号(令和5年11月10日)】
一人目の質問者は自由民主党上田英俊委員、答弁は厚生労働省医薬局長です。
大麻については素人だが質問する。規制薬物の広がりが社会に与える影響について認識はどうか。 > インターネットを悪用した密売が広がっており深刻な状況。
法改正の必要性とその内容は。 > 大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするため、麻向法の麻薬に位置付け規制する。不正な施用に係る禁止規定を適用する。栽培免許制度を見直し、医薬品原料、大麻草由来製品の原材料とする目的の栽培区分を設ける。
大麻草から製造された医薬品はどのような効果が期待できるか。 > 欧米諸国では難治性てんかんに効果が得られている。国内ではエピディオレックスの知見が進められており、早ければ令和6年後半に承認申請が行われる。
大麻取締法には使用についての規定はないが、所持罪についてはどうなっているか。 > 施用罪がないのは「麻酔い」が理由のひとつ。施用罪がないことは乱用を認めたのではなく、所持罪により乱用も禁止していたもの。
大麻の有害性、健康への影響はどのようなものがあるか。 > 短期的には意識障害、認知障害、車の運転における障害、交通事故リスクの高まりなど。定期的な使用では、依存、若年期で学校中退、認識機能障害、その他の薬物の使用、抑うつのリスクなど。
検挙者数の推移は。 > 令和3年まで8年連続で増加、30歳未満の若者が69.2%を占め乱用拡大が顕著、乱用期にある。
大麻の施用罪にどのような効果を期待しているか。 > 使用罪がないことが使用のハードルを下げている。施用罪の適用が、大麻事犯の拡大への歯止めになると考えている。
大麻草の栽培について、盗難や周辺住民からの反対への対応はどうするか。 > 栽培には有害成分が低い種子を用いるため、盗難や乱用の危険性が低い。栽培に関して正しい情報提供に努める。
大麻の有害性を全ての人に理解してもらう普及啓発が必要と思うがどうか。 > 審議会取りまとめでも、科学的証拠に基づいた大麻の有害性に関する正確な情報の広報啓発に取り組むと示された。広く国民向けの啓発資材を作成して周知する予定。
以上です。上田委員は「大麻については素人」宣言をしてから質問をはじめていますが、国会質問をそんなレベルの人にさせるのかと大変残念な気持ちになりました。
小委員会の取りまとめくらいは読んだらしく、自分の知識のような口ぶりでいろいろ発言はあるのですが、既出の意見ですので省略しています。
質問をする国会議員がこのレベルだと、まだまだ欧米のような国民を巻き込んだ議論にはならないのだろうなあと思わされます。
2人目の質問者は自民党の鈴木英敬委員です。答弁者は、名前のないところは医薬局長です。
薬物乱用に関する普及啓発を今後どう行うか。 > 若年層をターゲットに、SNS等を活用し、正確な知識を掲載したホームページに誘導する。プレスリリースやインターネット広告も使う。
学校薬剤師の活用についてはどうか。 > 厚生労働省では学校薬剤師を含めた薬物乱用防止指導員に対して研修を実施している。
栽培用の種子の管理について、成分測定などの具体的な手法は。 > 海外の規制も参考にしつつ、THCの基準値や検査方法を策定・周知するとともに、検査機関の実施体制整備を行っていく。
免許制度における基礎自治体の役割は。 > 都道府県で免許基準を設定する際に市町村との連携や栽培地管理などの要件を設定し、適正な運用ができるよう技術的助言として示す。
都道府県と厚労省の連絡会議など、実態把握に向けた方法が必要ではないか。 > (塩崎大臣政務官)連絡会議設置を前向きに検討する。
大麻栽培の機械化、省力化の支援は。 > (農水省生産振興審議官)産業利用に向けた大麻草の産地化についても農水省の既存の支援策を活用可能。
大麻栽培のカーボンニュートラルへの有用性についての調査や自治体プロジェクトへの支援を行ってはどうか。 > (環境省サイバーセキュリティ・情報化審議官)地方公共団体の意欲的な脱炭素の取組を支援していく。
関係省庁の連携が重要と思うがどうか。 > 関係省庁の大臣で構成される薬物乱用対策推進会議の戦略に基づき法務省や警察庁と連携していく。
3人目は、公明党の福重隆浩委員です。
法改正の意義、必要性、有効性はどうか。 > (武見大臣)意義のひとつ目は大麻草から製造された医薬品を日本の患者に利用いただくことを可能にすること。二つ目として不正な施用を法律上禁止し大麻事犯の拡大の歯止めとすること。
施用罪の適用により、大麻を原料とした医薬品が必要な人が躊躇してしまうこともあるのではないか。 > 大麻草を原料とした医薬品についても医療用麻薬のひとつとして適正使用を推進していく。
医療用が認められることにより不正に乱用されるおそれはないか。 > (浜地副大臣)大麻を麻薬と位置づけ麻向法で厳格な管理を行うため、医薬品の乱用可能性は低い。大麻一般については正しい知識の提供と啓発に努める。
CBD製品に残留するTHCは限度値を設けるとしているが、監視指導はどう行うのか。 > 買上げ調査を行う。
薬物犯罪の入り口となっているSNSの実態調査が必要ではないか。 > 麻薬取締部にサイバー捜査課を設置してサイバー空間での薬物密売への取締りを強化している。
(この後の危険ドラッグ、市販薬関連の質疑は省略)
3人の国会議員による質疑のあと、参考人が5人出席し、それぞれ意見を述べました。
1人目は慶應義塾大学法学部教授太田達也氏です。この方は、刑事政策と被害者学を専攻領域とし、犯罪者に対する刑罰制度や、仮釈放、保護観察といった処遇制度のほか、犯罪被害者の支援制度を法制度の観点から研究する一方、法務省や警察庁、厚生労働省、地方自治体における立法や施策の検討にも関わっている、とのことです。意見は以下のとおり。
大麻は海外で合法化され、健康に害がないといったインターネット上の誤った情報を背景に、若者の大麻の危険性への認識は極めて低い。
安全だから合法化したのではなく、乱用が深刻になり、やむを得ず大麻の流通や使用を一定の制限化で認めたもので、その施策が成功しているとも思えない。
法務省調査によると、覚せい剤事犯の受刑者が最初に乱用した薬物は大麻が多い。
戦後の一時期、大麻の使用罪があった時期がある。しかし大麻の繊維をとる農業に支障があったため、大麻取締法には使用罪がない。当時は乱用という問題もなかった。
使用罪がないから使用が許されているという誤解を正すうえでも法規制すべき。THCを麻薬に指定し施用も禁止の対象と示すことは重要。
化学合成されたTHCはこれまでも麻向法で規制されてきたので、大麻に含まれるTHCを同様に規制しなければ合理性を欠く。
使用罪により大麻への偏見差別を助長するという向きもあるが、覚せい剤やヘロインも差別解消のために合法化すべきということにはならず、別の問題である。
有害な薬物の所持や施用は規制し、治療環境を整備し、個人が抱える問題に対応できる体制づくり、広報、教育が重要。合法化すれば解決するという見解は正しくない。
今回の法改正は正当かつ合理的なものである。
2人目は、神奈川県立精神医療センター副院長の小林桜児氏です。精神科医として依存症の臨床に19年間従事してきた方です。
ここ5年、大麻だけの依存症患者が増えてきている。
海外のデータを見ても若年から習慣的に大麻を使用していると将来的に依存症を発症するリスクが3倍になり、IQの点数も5.5点下がる。大麻は医学的に危険性がある。
アルコールと同じように大麻を吸った状態で運転するとリスクがある。
欧米で嗜好に関して違法にしないという政策がとられているが、生涯経験率が高いからであり、日本で同じ政策をとることは疑問。
大麻だけで受診する患者は本人は困っておらず、一回か二回で来なくなる。大麻のおかげで眠れる、リラックスして仕事ができる、害はなく大麻を奪われる方がつらい、という若者がいっぱいいる。
薬物の力を借りて何とか生き延びている患者さんが多く、実際それによって短期的に救われているためやめる理由がない。
習慣的に使うようになり、害が出たら手遅れ。使用罪が依存症を治すというつもりはないが、早い段階でやめた方がいいと思ってもらう動機づけとして役に立つ。
犯罪者にすることが治療に役立つとは思っていない。依存症の背景にある生きづらさについて広報して、犯罪者ではなくリハビリが必要な精神障害者なんだという観点を強調したうえであれば、司法というプレッシャーも役に立つことがある。
3人目はAsabis株式会社代表取締役の中澤亮太氏です。CBDに関するコミュニティを運営している方とのこと。
CBD産業界では今回の法改正全般をポジティブに捉えている。
これまではTHCの基準値がないため参入のリスクがあった。基準が明確になれば投資や参入、研究を見据えている人もいる。大手企業の参入は市場全体の底上げや健全化を後押しする。
THCの基準値はこれから議論されると思うが、欧米で医療大麻として活用されており、一律で有害なものとして禁止するのではなく、ルールの下で活用する方向を模索することが重要。欧米の国際基準とそごのないものにしてほしい。
医薬品の承認は喜ばしい。市場の成長率は大きい。CBDの安全性を考慮いただき、食品としても流通が許されるようにしてほしい。
CBDの成分分析については、検査体制などのルールや基準を設定すべき。
4人目、日本てんかん協会理事・事務局長の田所裕二氏です。エピディオレックスを抗てんかん薬として使えるようにと活動してきた方で、医療大麻やCBD全般ではなく、海外で使われている薬を日本でも使えるようにということを求めているとのこと。
てんかんは専門医が少ないので、エピディオレックスが承認されたときにどこに住んでいても薬が届けられるような運用をお願いする。
5人目、一般社団法人ARTS代表理事の田中紀子氏です。ARTSは薬物ほか依存症問題の啓発や社会提言を行い、依存症問題に苦しむ当事者や家族の方々の支援をしている団体とのこと。
日本の薬物問題は、刑罰中心の政策、間違った啓発の在り方、それに伴うメディアの過剰反応により、多くの誤解や偏見を生み出し、当事者や家族に苦しみを与えている。薬物乱用防止キャンペーン、パンフレットは薬物問題に苦しむ当事者や家族の人権への配慮がない。
犯罪統計を見ると、ギャンブル依存による犯罪が多く、薬物の作用による犯罪は、異常酩酊、精神障害、パチンコ依存と比較しても最も少ない。
アルコールやギャンブルに手を出した未成年者には生活習慣の見直しや環境要因の見直しがなされてきた。大麻も同様であるのに、日本では薬物乱用者には刑罰を科してさらしものにし、再起を許してこなかった。
非犯罪化を求める。合法化とは別であるので誤解のないようお願いする。世界では非犯罪化へ舵を切り、医療サービスへつなげる方向に進んでいる。
薬物事犯全体は減っており、大麻はゲートウェーという仮説を否定している。危険ドラッグの取締り強化により処方薬や市販薬の乱用が増えたが、大麻でも同じことが起きるだろう。
早期に相談、治療を受けさせるためにも、相談したら逮捕されるかもしれないとなってしまう弊害を考えてもらいたい。
捜査機関と報道についてだが、大麻の個人使用のような微罪の逮捕者について、捜査機関は報道機関に個人情報を提供することをやめてもらいたい。学生の実名報道があり、教育の機会も奪われている。
一方で島根県警は大麻を所持していた男性巡査長について名前や勤務場所の公表をしなかった。全国的に島根県警の取組が広がってほしい。実名報道により若者の将来が奪われるべきではない。
社会から取り残された当事者や家族の声を取り入れた改正を望む。大麻のあり方検討会では、薬物問題を抱えた家族はメンバーに入れていただけなかった。メンバーの選定にも恣意的なものを感じている。
この参考人5人に対して質疑応答がなされます。
自民党仁木博文委員
エピディオレックスの効能についてエビデンスはあるのか。 > (田所)件数が少なくデータはこれから。
従来からの抗てんかん薬を飲んでいる人も置き換えが進むのか。 > (田所)現状ではないと思う。
国内での医療用の大麻栽培は必要になってくるか。 > (田所)海外からの輸入で賄うと話している。
大麻依存症への治療薬は将来的にできるのか。 > (小林)薬物依存症はすべて対症療法。特効薬が生まれる可能性は皆無に近い。
大麻の栽培、生産体制について課題は何か。 > (太田)THCの少ない大麻については規制を緩和し、高濃度のものは厳しく管理する必要がある。
立憲民主党中島克仁委員
今後の対策について、一次予防だけでなく、使用してしまった人の早期発見、社会復帰を支援する3次予防が重要と思うがどうか。 > (太田)犯罪化すれば問題が解決できるとは思っていない。現在初犯の場合は全部執行猶予になっており、治療や処遇、支援に繋がっていない。刑事手続きに乗ったものを治療につなげる二次予防的発想がないことが問題。 > (小林)刑罰が依存症を治すわけではない。司法だけでなく保健制度、教育現場でも早期発見できるような啓蒙が不可欠。しかし司法を全部排除すればいいというわけではなく、臨床医の現場としては白黒簡単に決められない。 > (田所)依存症問題は医療で解決できる部分はわずか。一次予防と三次予防は矛盾するものではない。これからは薬物依存症者の人権を否定するような啓発はやめ、3次予防を強化してもらいたい。
大麻の規制強化により市販薬のオーバードーズの問題が大きくなる可能性についてはどうか。 > (小林)大麻は男性の使用者が多く、市販薬は女性が多いので、急激に市販薬の乱用者が増えるということはない。
日本維新の会一谷勇一郎委員
CBDの市場は急激に成長していくとのことだが要因は何か。 > (中澤)日本だけでなく世界的に広まっている。
CBD製品の過大広告は問題である。検査機関に国内外でレベルの差はあるか。 > (中澤)業界のルールがこれからできていくような状況。国内ではTHCを検査できるところが限られている。
薬を処方する医師は研修を受けた医師の方がよいと思うが、てんかんの診察はオンラインでも可能か。 > (田所)てんかんだけに特化しないで薬の特徴や注意点を研修していくことが重要。
CBDの広告が過大になると若者が大麻を使うリスクがあると思うがどうか。 > (小林)CBDが普及すると乱用者が増える可能性は危惧している。市販薬と同様の対応になると考えている。
公明党福重隆浩委員
違法薬物の乱用の背景である個人が抱える悩みや置かれている環境に対して必要な取組みは何か。 > (小林)薬物依存の患者は小児期に逆境体験を経ている人が多い。思春期では遅く、早い段階での子ども、親への教育が必要。 > (太田)ワンストップの支援体制が重要。司法も伴走しつつ地域の支援に移行していけるような一定期間見守る制度が必要。
国民民主党田中健委員
若年層の乱用増加は小児期の問題が増えているのか。 > (小林)子供たちが心理的に孤立しやすくSOSを出しづらい環境があり、薬物乱用の増加につながっている。
施用罪創設についてどう考えるか。 > (小林)刑罰で依存症は治らないが、患者の困り感を高める契機にはなる。法の運用に関しては臨床現場の意見や考えが反映されるようなシステムを検討いただきたい。
軽微な事案については依存回復プログラムを受講させて不起訴にする仕組みについてはどうか。 > (田中)逮捕は失うものが大きすぎる。執行猶予が付くとしても実刑判決ではなくて、プログラムを受け取組姿勢が良好ならば不起訴というようなことも考えてほしい。
医療機関では守秘義務は守られているのか。 > (田中)守秘義務が優先されることは少ない。相談すれば通報されるのが現実。
「ダメ。ゼッタイ。」についてはどうか。 > (太田)一次予防にある程度成果を収めていると評価するが、ダメで終わっているのが駄目。二次予防の重要性と必要性、守秘義務も含めて徹底し、安心して相談や治療ができる体制をつくっていくことが必要。 > (小林)意志を強く持てばやめられると強調されてしまうことを懸念している。助けてくれる人がいるというメッセージを発していくべき。
日本共産党宮本徹委員
薬物依存症の家族にとって一番の困りごとは何か。 > (田中)依存症の家族へのケアや支援がない。通報されることを心配して相談できずに状況が悪くなったり、保護司に理解がなく病院につながらないなど。
「ダメ。ゼッタイ。」の弊害は。 > (田中)一度でも手を出したら人生終わりと脅しており、依存症の人たちは回復できないと諦めてしまう。誤解を招くキャッチコピーで変える時代が来ている。
日本大学の大麻所持についてはどうか。 > (田中)学生から相談があった場合、捜査機関に情報を渡す必要はなかった。相談機関、薬物依存症の専門家のところにいくべきだった。
依存症はアルコール、ギャンブル、薬物とあるが、それぞれの依存に対しての刑罰の差についてどう思うか。 > (太田)犯罪と刑罰制度は差をつけざるを得ないが、どう適用するかについては様々な事情を考慮している。起訴猶予、執行猶予もあるが、その後処遇や治療に結び付いていないところが問題。起訴して刑を科して保護観察もつけず何もしないのは一番問題。薬物防止プログラムを受けることを条件に起訴猶予にする制度などを導入すべき。 > (小林)使用者が多い状況では犯罪化は無効だが、日本は1%台で、まだ司法がおせっかいの力を発揮しうる。アルコールやニコチンなども害があるが、生涯使用率という観点が必要。 > (田中)おせっかいを焼くなら3次予防でやればいい。大麻使用罪は被害者を生み出しているわけではないのに重罪を科されており不平等。
無所属有志の会福島伸享委員
小林氏は、大麻のみの使用ならコントロールされていて問題は起こさないと言っている。大麻が麻薬と同じ扱いになると懲役の刑罰がつく罪になるため、別のやり方があってしかるべきと思うがどうか。 > (小林)大麻は短期的には大きな影響が出ず、習慣化していく中で影響が出る。医療につながった時点では困り感がない。法の運用について、厳罰化を要求しているわけではなく、刑務所に行かないために医療や福祉の支援を受けるというダイバージョンが実現されることを期待する。
大麻のあり方検討会で松本氏が使用罪に反対していたところ厚労省が困るから委員が替わった、と発言しているが事実か。 > (小林)臨床現場においても使用罪に関しては様々な意見があり、賛成、反対、それぞれの意見が表明される必要があり、それを反映したのだと思う。
使用罪がないからといって使用が認められているわけではないとの発言があったが、罪刑法定主義の観点からそれでよいのか。 > (太田)所持や譲渡譲受が禁止されているのは使用を防ぐためと理解している。
あり方検討会報告書では、大麻の使用に対して罰則を科さない合理的な理由は見出し難いとされているが論理がおかしい。罰則を科す合理的な理由がなければ罰則を科しては駄目なのではないか。 > (太田)日本では戦後大麻の使用が禁止されていた。それが落ちてしまったのは、麻薬の規制対象は医療従事者で、大麻は農業従事者への規制で、免許制で規制することが望ましいとされたと承知している。
参考人の意見と質疑は以上です。
使用罪については法学者が賛成する一方、依存症治療の医師は条件付き賛成、当事者家族の支援者は明確に反対と、立場によって様々でした。
法律の構造から考えると麻向法に入れ込むならば使用罪を適用するのが妥当ということなのでしょうが、現場から見ると、逮捕して前科だけつけて支援につながらない現状があるのに逮捕要件を増やすのはどうなのか、ということのようです。
検討会から国会までどちらの主張も一貫していますが、厳罰化反対の主張は少数派のためか参考意見扱い。生涯経験率が低いことは当事者人口も少ないということですので仕方ないことではありますが。
さて、国会はここで休憩となりましたのでいったん区切ります。