生産技術か研究開発か…メーカー志望者がぶつかる壁
こんにちは。まずは簡単な自己紹介から。
早稲田大学大学院 先進理工学研究科出身。電気・生命系という少し異例な専攻です。
内定先は某医療機器メーカ―の研究開発職採用です。
今回のテーマは
「本選考前の皆さんに何か役立つメッセージを伝えることはできないか」
各々の思いで企業にエントリーする就活生を思い浮かべながらそんなことを考えていると、自分が本選考前、あることでひどく悩み苦しんでいたことを思い出しました。
今回はそれについて「具体的な経緯」と、「どう決断したか」をお話ししたいと思います。理系特有の悩みではありますが、もし同じような悩みを今現在もっている人がいれば自身の決断の参考にしていただければと思います。
※就活のやり方には一切触れません。周りに流されず自分の納得のいく方法で進めてください。
私が本選考前に悩んでいたこと、それは【生産技術と研究開発どちらを受けるべきか】です。これはメーカーを受ける人にとって答えの出る時期に差があるにしろ、誰もが一度は考える議題でもあると思います。
私がこの選択に頭を悩ませていたのも、ある食品メーカーのインターンシップに参加したことが始まりです。
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就活当初から私は「商品を通して人の健康を支える」を軸にしていました。そんな修士1年のあるとき、健康食品の販売を行っている某食品メーカーの生産技術系インターンシップを見つけ、参加することにしました。
軽い気持ちでインターンシップでしたが、業務や懇親会などを通すうちに、社員の健康食品に対する熱い思いや社風が自分にあっている点に惹かれ、「この会社で働きたい」と強く考えるようになりました。
2月になり、就活も間近に控えたある時、インターンシップに参加した企業の人事の方から連絡がありました。話を聞いてみると、生産技術職で最終面接のみの優遇選考ルートを用意してくれるとのことでした。
第一志望企業からの優遇選考の連絡という、思ってもないありがたい話でしたが、素直に喜べない自分がいました。
というのも、インターンシップを体験して生産技術職のやりがいや重要性を認識する一方で、「自らの手で新しい商品を作りたい」という思いを捨てられずにいたのです。
しかしそれは第一志望である企業の優遇選考を辞退し、一から選考を受け直すということ。つまりインターン時の何十倍もの倍率の選考を潜り抜けた幸運さと内定へのチャンスを棒に振り、さらには内定承諾の決断を早くに迫られる大学推薦の受験を諦めるということでした。
人事の方に自分の思いを打ち明け数週間悩みに悩んだ挙句、最終的に私の導き出した答えは「優遇選考と大学推薦を諦め、研究開発職として再応募する」ことでした。
辞退する決意をした理由としては3つ。
・「これまでにない新しい技術を世の中に生み出したい」という自身の夢を叶えるためには、生産技術職ではなく商品そのものに携わる職種でなければならなかったから。
・ここで妥協したら一生後悔してしまうと思ったから。
・(そして思い上がりですが)、もし本当に社風の合う会社であれば再応募したとしても内定までたどり着けるのではないかと考えたから。
結果として、私は最終面接まで行きついたものの、そこで落とされてしまいました。正直落とされた悔しさよりも、社風が合うと信じていた企業に入ることができないという虚しさが残りました。
ただ今回の「優遇選考の辞退」という決断は、自分が懸命に悩んで下した判断であり、その決断自体に後悔はありませんでした。最終的には医療機器メーカーの研究開発職という自身の夢をかなえられるチャンスの広がった企業に内定をいただくことができた点も、今思えばよかったと思います。おそらく自分の軸を曲げて妥協し選考を受けていたら、本当に一生後悔していたでしょう。そして自分の将来について懸命に悩み、強い軸をもって就活に挑んだことは、必ず今後の糧にもなると思っています。
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私の体験談は終わりです。ただの日記のようになってしまいましたが、私が伝えたいことは1つだけです。
強い軸を持ち、よく考え、後悔のない選択をしてください
これから就活を進める上で、多くの選択を迫られることになると思います。その都度自分が社会人として働くにあたり、絶対に譲れない点は何であるのか。もう一度よく考えてみてください。
職種を選ばず、自分の好きな企業に入ることを最優先するのもいいと思います。今の話を聞いて生産技術職を受けるのもありだと思います。会社の売り上げに直結し世の中への貢献度が非常に高い職種であることは間違いありません。
いずれの道を選ぶにしても、自分の信念を曲げることなく、就活と真摯に向き合ってください。そうすればきっといい結果が待っていると思います。
就活に最適解なんてありません。自分が分からなくなる時期だからこそ、「自分の意志」を信じて頑張ってみてください。皆さんが納得のいく就活を終えることができるよう、心から応援しています。