FDM/FFF 3DPrint News Room メンバー 自己紹介 3DYA
はじめましての方は、はじめまして。これからこのマガジンを一緒に更新していきます、3DYAです。Twitterもやってます。よければフォローよろしくお願いします。
▽3DYAとは何者か▽
私は現在、金型射出成型を前提にした設計の支援や、出力代行(+可能な範囲で後処理も)などの仕事を受けている、個人の試作設計屋です。
最近は、Rhinocerosという3DCADの中にある機能の一つにGrasshopperというビジュアルコーディングで設計ができるものがあって、それで簡易的なスライサーソフトをGrasshopper内で実装しています。本記事ではこのことについて書きたいと思います。
(画像はグリッドインフィルを自作したやつです)
▽Grasshopperでスライサーをつくっている理由▽
さて、現状スライサーソフトなんて無料のものはごろごろあるし、年々性能が良くなってきているのに、なぜ私はGrasshopperでスライスしようとしているのでしょうか?
それについて答える前にお聞きしたいのですが、”3Dプリンター”はどんなものをつくるマシンだとイメージしますか?
フィギュア?機械部品っぽいもの?全て正解ですが、もっと視野を広げてみましょう。
昨今の3Dプリンティングに関するセンセーショナルな話題は尽きません。仮に材料を変えれば、いろんなものをつくることができます。もし吐出する材料がコンクリートならば建物がつくれるし、小麦ペーストならパンなどの食品、陶土なら陶磁器、細胞ならば生物(臓器とか)…。あとは、大型FDMで家具をつくったり、「これどうやってプリントしたんだよ…」というような変わった形態を5軸ロボットアームプリンターでつくっていたり…。とにかく多種多様です。
ここら辺の話は、よくチェックされている方もいらっしゃるでしょう。でも気になったことはありませんか?「どうやってマシンを制御しているんだろう?」と。例えば、みなさんよく使ってらっしゃるであろうスライサーソフトには、コンクリートを吐出するような設定はできません。
もうお気づきかもしれませんが、私がGrasshopperで簡易的なスライサーを実装する理由は、ニュースで見るようなマシンの制御が可能になるからです。
さて、じゃあGrasshopperでできることって何よ?という話をしましょう。
▽Grasshopperでできること▽
本当になんでもできるんですが、いくつか紹介すると
1.アルゴリズミックデザイン(プロダクトデザイン領域)
2.G-code生成やその他ロボットプログラミング(機械制御系の領域)
3.構造計算(CAE的な領域)
4.Unityとのリアルタイム連携(ゲーム開発に近い領域)
上記以外にもいろいろありますし、まだまだ開拓余地のある可能性の塊です。Grasshopperは基本的にアルゴリズミックデザインに使われるツールなのですが、なんでこんなにいろいろできるのかというと、Rhinocerosというのは全体的にオープンなものでして、開発者向けのドキュメントやAPIがめちゃくちゃ豊富なんですね。そこにいろんなスーパー開発者がいろんなプラグインを開発し始めて、いまやGrasshopper(というかRhinoceros全体)は数多くの他社ソフトと互換性を獲得していたりします。ユーザーの創造力をなるだけ高めるような思想が根本にあるんですね。しかも、Grasshopper用のプラグイン(拡張機能)というのはいっぱいあって、ほとんどが無料で、だいたい商用可能です。そして何よりフォーラムがかなり活発なのと、スーパー開発者たちがすぐに回答してくれるという恐ろしいものになっております。
▽FDM/FFFに対して具体的に何ができるか▽
ということでRhinoceros(特にGrasshopper)の魅力について簡単に語ってみましたが、では具体的にこれをFDM/FFFにどのように利活用できるかというと、例えば以下の動画です。
これは私が以前作ったもので、もちろんG-codeは自作なのですが、このように一周のパスで高さが変わるようなプリントが可能になったりします。こういうのはNon-planer-printing(非平面=平面のないプリント)の亜種と思っていただいても良いと思います。こういったものは既存のスライサーソフトでは出せないG-codeです。
例えばですが、その他デザイナーが手掛けた(おそらく)FDMで既存のスライサーソフトに頼っていないプロダクトをいくつか並べると
樹脂系だとこういった事例がありますね。一番上のザハのやつとかは個人的にインパクトが大きかったです。
ということで、いかがだったでしょうか?私はスライサーソフトに頼らないことで開ける世界をみなさんに伝えることができたのでしょうか?その魅力が少しでも伝わったなら幸いです。
▽私が紹介する分野のニュース▽
私は電気と機械いじりに関しては勉強中(暗中模索)なので、このマガジンの中では主にFDM向けの設計関連や、FDMを活用したプロダクトのリリースなどのニュースをお届けしようと思っております!
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