3Dプリンター系デザイン業者として、初めの1円を稼いだ時を振り返る
デジタルファブリケーションが楽しすぎる3DYAです。最近思います。
「あー、お客さんがいい人でマジ助かったなあ」と。
幸いにも、私が今まで出会ったお客さんの中に、人格的問題のある人はいませんでした。これはまじで奇跡に近い何かだとふと思いまして記事を書く気になりました。
今回は、3Dプリンター系デザイン業者として、初めての1円を稼いだ時を振り返ります。
▽この記事を読むべき人▽
3Dプリンターで制作依頼を受けたいビギナー
※私は副収入程度(月10万円以下)しか稼いでいない、弱小業者であることを先に記しておきます。もちろんこれだけじゃ食えないので、他にも仕事しています。
▽自己紹介▽
3Dプリンターが楽しすぎて仕事辞めて、現在フリーターより少ない手取りで毎日働いています、3DYAと申します。税金とか年金とかで毎月死にそうになっています。フリーのデザイナーです。実家(和歌山)住みです。「実家じゃなければ死んでいたな…。」と毎日思っています。しかもTwitterでは、フォロワー350人ぐらいのくせに偉そうなこと言ったりします。
金銭的にしんどいと思うこともあるけど、受注件数も徐々に増えてきているので、いずれどうにかなると思います。とにかく、使える設計の技はこの1年で爆発的に増えました。これでも、かなり楽しく仕事させてもらっています。3Dプリンター楽しいからね。みんなやろうね。
▽ココナラみたいなプラットフォームに登録しよう▽
一昨年に、勢いでココナラに登録しました。(ココナラはスキルを売り買いするプラットフォームです。個人業者の登竜門?になりつつあるのかな?)
ほんとに勢いでやっちゃいました。登録したときは「本当に依頼きたらどうしよう?ちゃんとできるかな?」ぐらいの気持ちでした。サービス内容は、(抽象的すぎて草生えるんですが) 「3Dプリンターを使って何でもつくります!」でした。
でも、当時はろくにプロダクトを設計したことなくて、3Dプリンターの詳細な設定(特にスライサーソフト)も全然わかっていませんでした。建築が好きで、通信の大学で建築学科の学生もしています(来年度は休学にしました。もっと仕事したいから。)ので、模型を作る練習をしていたんですね。それで「これ将来的に仕事になるんちゃう?」とふと思いまして、ココナラに登録したというのが、僕の個人業者人生の始まりでした。
ココナラに登録してから数ヶ月(たしか半年ぐらいかな?)経って、初めての依頼が来ました。内容はIoT製品の試作でした。IoTというと難しそうですが、内容はめっちゃ簡単で、厚み1mm以下の単純な箱で、組み付け部分(例えば、リモコンの電池入れるところにあるツメの部分)のみ私が設計するというものでした。「こんなん余裕やろ(鼻ほじ)」みたいな状態で、その時はデータだけの納品だったので、設計料のみの2000円で請け負いました。しかも、お客さんは平面図、立面図、断面図まで用意してくれました。もう後はツメの部分を考えるだけです。いまなら似たような内容であれば、下手すりゃ即日データ納品できると思います。
しかし…、全然うまくいかない。「なんで?ピッタリハマるように設計したのに…。」そりゃそうです。うまいことハメたいなら、0.1mm〜0.2mmの隙間を設計しなければいけません。ピッタリの寸法だとプリントする際の誤差とか、その他諸々の影響でハマるわけがないのですが、そんなことすら当時はわかっていませんでした。それで結局…、
その0.1mmの隙間に気づくまで1ヶ月かかりました…。
(まじでダメな業者です。みなさんはこんな業者に引っかからないようにしてください。)
当時だいぶ焦りました。「やばない?もう半月経ってんけど。どうすればいいか全くわからん」と言うザマでして、とうとう設計する手も動かなくなって、ひたすら3Dプリンターの挙動や仕組みを理解しようと勉強していました。
それでなんやかんや納品→売上金2000円→ココナラに売上金の25%取られる→手元に残ったのは¥1500。その頃は建設の仕事をやっておりましたので、仕事から帰る(21時)→設計・プリント(0時)→起床・確認・家を出る(5時ぐらい)という生活でした。でも楽しかった。「僕、3Dプリンターで仕事してんじゃん!」って。利益とか数字度外視ですが、楽しんでいました。この件の記事がこれですね。構成とかグダッていますが、画像だけ見ればなんとなくわかるでしょう。
https://note.com/disconosuke/n/nb3c1c4b945cc
こんな状態でも納品が終わってお客さんから「ありがとう!」と言ってもらえました。と同時に「もしこれが無償だったら、責任持ってできなかっただろうなあ」と思いました。でもまあ結局、1ヶ月かかって1500円だったわけで、ほぼ無償だとは思うのですが、それでも金銭のやり取りが発生しているので、額とか関係なく強制力が働くということを痛感しました。値決めって難しいけど、本当に重要。当たり前ですが、作業の見通しが甘ければ、物凄く赤字を出すことになります。その後、料金体系の大幅な見直しを図ります。駆け出しの頃はそうやって見直しを何回もやっていくんですよね。そういうもんなんだろうな。(そういうもんなんですか?同業の方、いらっしゃったら教えてください)
同業者っぽい人はTwitterを積極的に利用し始めてから見かけるようになりました。フィギュアを作っている人、サバゲーのエアガンパーツを作っている人、釣竿につけるルアーを作っている人、いろんな人がいることを知りました。Twitterで「3Dプリンター」と検索するの楽しいですよ。おすすめです。
話はそれちゃったんですが、最初の一円を稼ぐにはココナラのようなプラットフォームに登録が良いと思います。駆け出しの人間にとってココナラのようなプラットフォームは非常にありがたいです。登録して、何が作れるかポートフォリオをいくつか自分のページに載せて、料金を設定していれば、半年以内に一件くらいは依頼が来るでしょう。だから副業的にやりたいなら、「まだ依頼を受けるには早いかなー」ぐらいの頃にサービス開始するくらいでいいと思います。サービス内容が抽象的なうちは、どうせ依頼なんて数ヶ月来ません。売上金の25%を手数料で持っていかれるのはかなり痛いのですが、それでも何者でもない人間が何者かになるには十分です。
▽「自分でビジネスモデルをつくる」という劇薬▽
建設関係の仕事をしていた頃、営業担当の人が仕事をとってきて、その仕事をこなすというのが当たり前でした。世間ではそのようなビジネスモデルは多いのではないでしょうか。もし自分でビジネスモデルをつくったなら、自分で値決めしたり、PDCAを回しているうちに、いかに自分が所属している会社のビジネスモデルがよくできているか、(頭でわかると言うより)内臓に響いてくるようなレベルで理解できますよ。始めたては誰でも割りを食うのだと思うのですが、面倒なことほど価値があったりするものです。サービス開始しちゃえば、お客さんがついて、自分の思っても見ない注文をいただきます。大体の場合、「不明な点は多少あるけど、できるだろうな。できなかったらどうしようかな。不安だな。」と思いながら請けることになります。それをこなしているうちに、爆発的に成長しますが、もう後には戻れません。注文は完了するまで継続します。フリーランスは楽しいですし自由ですが、楽ではありません。仕事がいつ途絶えるかもわかりません。個人的には、長い人生のうちにどうしようもなく楽しくて楽じゃない期間があってもいいと思います。まさに劇薬ですが、飲んでみる勇気はありますか?
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