"General Lattice Studio"で3Dプリントの未来を先取りしよう!
Rhinocerosのプラグイン置き場であるFood4rhinoに3Dプリント向けデザインツール"General Lattice Studio"が登場しました。※商用利用不可のベータ版です(2020/11/7 時点)
▽基本機能▽
本プラグインはRhinoceros用で、極小曲面やラティスなどの構造体を自動で生成してくれるというものです。例えば、FDMユーザーにはおなじみのジャイロイド曲面などの曲面構造や、ラティス構造などがつくれます。NURBSとボクセルを組み合わせたモデリング手法(NURBS Voxel Modeling)だそうです。そして地味にやばいのがグラディエント機能。(これについては後で解説します)
▽これっていつ使うの?▽
このプラグインはどちらかというとFDMより、光造形型(DLP/SLA)や粉末焼結型(SLS)プリンター向きで、製品の軽量化を図ってコストダウンをのぞむことが可能です。切削加工とは逆で、肉を抜くと製造コストが下がるのが付加製造(Additive Manufacturing)なので、Additive Manufacturing専門の企業(3Dプリンターを使ってものをつくる企業)の設計者が設計する際にはとても便利でしょう。
▽実際に使ってみた▽
操作には何段階かあります
1.下準備
2.サーフェイスを選ぶ
3.構造体タイプとセルの個数を指定する
1.下準備
まずは二枚の平面を用意します(あとで必要になる)
LatticeLoftというコマンドを呼び出します
ライセンスキーを入力するとパネルが現れます
2.サーフェイスを選ぶ
ライセンスキーを入力すると、パネルが現れます
パネルを拡大、XYZにセルを何個つくるか指定できます
構造体のタイプと厚みを指定できます
サーフェイスを選択すると青い線が現れます
3.構造体タイプとセルの個数を指定する
XYZのセル1個、ジャイロイド、厚さ1.25mmでつくってみます
すると数秒でこういうものができます
レンダリングモードで見るとこんな感じ
操作の基本的な流れはこんな感じです。非常に簡単ですね。ちょっと違うものもいくつか試してみます。
サーフェイスは何枚でも選択できます
3枚選択するとこういう青い線が出てきます
XYセル2、Zセル3、ジャイロイド、厚さ1.25mm
真ん中のサーフェイスを回転してみます
青い線が捻れているのがわかります
一つ前のものとセルと構造体は同じで、捻れて生成されました
シュワルツ曲面でもやってみます
捻れました
このようなラティスもつくれます(しかも曲面構造系より処理が早い)
これで3分ぐらいかかりました
あと、素晴らしいのがグラディエント機能です。ボクセルで計算しているのもあって、セルの位置を変えることが可能で、つまりセル境界内部で構造体の密度を変えることができます。
こんなことができちゃいます!これで強度が必要な部分の密度を上げるなど、設計の幅が広がりますね!
あと「このプラグインは光造形やSLS向きだけど、FDMで何かつくるなら…」と思ってつくってみたものが下の画像です。
ジャイロイドinジャイロイド
多重孔構造
こういった構造体がボクセルで入れ子構造的に複雑になっていくのは、ちょっと未来を感じますね。
▽見つかったいくつかの問題点▽
さてここからは、ネガティブな側面に触れていきます。使用の際の諸注意と試行錯誤の軌跡です。
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