【祝・合格🎊】からの→「あれ?もしかして俺って、仕事できない人間なんじゃね…?」とうっすら思い始めた時に読みたかったエントリ

やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「焦り」みたいなものを感じてくれたと思う。
晴れやかな気持ちでいっぱいな今だからこそ、そういう気持ちを忘れないで欲しい。
そう思って、このnoteを作ったんだ。

じゃあ、注文を聞こうか。


 改めましてみなさんこんにちは。開示𝕏連結𝕏税務がんばる士と申します。みんなからは「カイジ」って呼ばれているよ!文字通り、開示と連結会計に関する業務をメインに、最近は税務も頑張っています(いずれも得意とは言っていない)。
 本稿は、てりたまさんご発案「X会計士界隈から論文式試験合格者の皆さんへのリレーメッセージ」の企画に寄せて、じゅんしさんの記事からバトンを受取りお送りしております。

 公認会計士・論文式試験に合格された皆様、本当におめでとうございます。費やした時間や置かれた環境などは人それぞれかもしれませんが、1つ目標を達成できたことは、みな同じく本当に本当に喜ばしいことですね。同じ苦労を経た者として、我が事のようにうれしいです。
 合格の喜びを味わうのも束の間、目下は就職活動・引っ越しに追われ、期待に入り混じって不安を覚える方もいらっしゃるのかもしれません。
 しかし、人生何とかなります。不安なんて要らない、何も、捨ててしまおう。そんな思いを込めて1曲演奏しました(思いっきりララさんのパクり)

 おめでとうございます、何度言葉にしても良いものですね。
 …こんなにめでたいムードのなか、こんな鬱々としたタイトルの記事を出すなんてと怒られてしまいそうです。

 が、しかし!

 私が現職で面接官として、監査法人からの転職者を面接する中で、「合格してはじめの一歩を踏み出そうとする今だからこそ、共有しておくべき失敗話があるのではないか」と思う場面があったことから、当エントリを書くことにしました。
当エントリが役に立つ人が、あまり出ないことを祈りながら。

本稿のゴール:

  • サンプル数1のとある男のつまずきを共有及び周知し、踏み台としていただく

  • つまずきながらも、しかし野望は一丁前にあり、なんとかそれを叶える方法の一考察


■サンプル数1の、とある男のつまずきを、共有及び周知し、踏み台としていただく

・サンプル数1の、とある男のつまずき

 私は新卒後、上場会社の経理部に配属されました。そこそこ歴史がある、大企業でした。新卒に求められる程度ではありましたが、仕事は卒なくこなせていたと思います。慣れてきたころには、既存業務の改善やAccessでのDB管理とそのレポートツールの作成なんかもやっておりました。
 しかし後から気づくのですが、これは全て、優秀な先輩・上司との良好な人間関係による心理的安全性の担保、手厚い教育機会、ゆったりとした業務環境が揃っていたからこそできたのだと考えています。私が優秀だったわけではなく、少しずつ難易度の高い業務をこなせるよう成長させる仕組みがあったのだと思います(今思えば素晴らしい会社だったな)。
 そのまま勤務しながら論文式試験に合格し、ずっと憧れていた監査法人への転職も無事に果たせました。
 しかし、監査業務に従事し始めて、状況が一変しました。監査業務においては、私は途端に落ちこぼれてしまったのです。これから監査法人に入所する皆さんをビビらせる意図は全くありません。ただ私が環境の変化に追いつけず、状況を冷静に分析できていなかっただけです(ただし「変化が生じる」という観点で見ると、会社員経験者の合格者は大なり小なり、同じような状況となる可能性があるのかもしれません)。

・失敗の分解

 後知恵となりますが、原因・要因は以下のように分解できるものと考えています。
・組織の慣習に順応できなかったこと (状況把握の不足)
・監査基準、会計基準両方の理解不足(知識習得の不足)
・執務場所(被監査会社・訪問先)が固定化されていないことによるストレス(柔軟性の不足)
・アサイン横断的なタスク管理ができていなかったこと(自己管理の不足)
・そもそも監査手続一巡が好きかどうかを内省しなかったこと(内的欲求把握の不足)

 当時はこのように原因の究明に努めることなく、「自分は仕事ができない落ちこぼれなんだ」と混然一体と要因を決めつけ、監査法人を去ってしまいました。

・バツイチまではセーフ理論

 話は逸れますが、私はお酒を介する社交場(見知らぬお客さん同士でガヤガヤするバー、スナック、クラブなど)が好きです。そこでしばしば、人生の先輩からまことしやかに聞かされるのは、「バツイチまではセーフ理論」です。「バツイチなら、まだ別れた相手に難があったのかなと考えてくれる人もいるが、バツニ以上になると途端に、お前に難があるんじゃないかという目で見られてしまうから、気を付けろ」というものです。大体私と仲良くしてくれる先輩は、男女問わずバツニ以上なので気を付けたいと思います。
 閑話休題、当該理論の正当性の立証は別に譲るとして。
 転職者の面接官として採否を決める中では、私は退職・転職の数自体はあまり気にしません。
 一方で、退転職のきっかけ・理由の説明(私はストーリーと呼んでいます)を、うまく言語化できない退職(つまるところ、何となくの退転職)が2社以上あると、「この人を採用して大丈夫かな」とフラグが立ってしまう、というのが正直なところです。

■つまずきながらも、しかし野望は一丁前にあり、なんとかそれを叶える方法の一考察

 さて、ここまでサンプル数1のつまずきのエピソードを話してきました。しかし、つまずいてしまったからと言って、それまでに抱いていた「会計士になったらこうしたい」という野望まで捨てないといけないなどという道理はまったくありません。
 とある男が抱いていた野望は、以下の2つです。
・モテたい
・年収を上げたい
ここにきてとんでもなく俗っぽくなりましたが、少なくない人が持つ、偽らざる本音ではないでしょうか。

・モテたい

 残念ながら私の風貌では、モテに対して「会計士」が寄与した件数は体感2割くらいでした。あとは自助努力で何とかするしかない。
 虚無。
 詳細は割愛します(会計士諸氏はロマンス関係のネタに厳しいので、リアルでもSNSでも気を付けてね!)。

・年収を上げたい

 転職を支援してくれるエージェントと面談すると、以下のような図を紹介されることがあります。

※円の外側ほど、既存の経験・スキルである監査業界との関連性が低いことを表す

※なお、何を以って「監査業界との関連性が低いか」と評価するかは、割と難しいと考える。
例えば「決算開示支援」は監査手続に「触れる」機会は多いが、求められるスキルという観点では必ずしも関連性が高いとは言えないかもしれない

 監査から離れるほど、「リスク」が高くなる、という図のようです。ここで言う「リスク」は、「年収の上り幅」と「業務が自身にフィットするか」という2軸の不確実性だと捉えています。
 私自身でいうと、上記の通り「監査業務の失敗」をろくに分析せずに五里霧中で転職をしたことから、リスクを取ることはできませんでした。

 ただし、以下のように監査業務の失敗の要因を手当てでき、結果オーライというだけなのですが大幅に待遇を改善することができました。

・組織の慣習に順応できなかったこと (状況把握の不足)
→転職後は、とにかく人、設備、規定、あらゆる組織の論理を観察するよう意識する

・監査基準、会計基準両方の理解不足(知識習得の不足)
→会計基準をメインの武器とする業務に従事することにより、会計基準の勉強に専念する。ただし会計業務と密接にかかわる監査基準はキャッチアップする

・執務場所(被監査会社・訪問先)が固定化されていないことによるストレス(柔軟性の不足)
→基本オフサイト(自社オフィスでの業務)の方針をとる職場を選ぶ

・アサイン横断的なタスク管理ができていなかったこと(自己管理の不足)
→会社で許可されているタスク管理ツールを活用する(Microsoft Plannerやtrello、notion)

・そもそも監査手続一巡が好きかどうかを内省しなかったこと(内的欲求把握の不足)
→監査自体は嫌いではなかったので、ほどよく近い周辺分野を選ぶ

■結局監査スキルって要るんだなって思った場面

 「監査手続一巡が好きかどうか」という観点に関連して、監査スキルの重要性について、個人的経験則でしか言えずお恥ずかしいのですが、1点補足して本稿の締めといたします。
 それは、やはり大なり小なり、監査のスキルは大事だという点です。
 これは、「公認会計士が監査及び会計の専門家だから」とか「唯一の独占業務だから」とか言うつもりは全くありません。
公認会計士という肩書で仕事をする以上は、「あ、こいつは大なり小なり監査を知っているんだろうな」という目で見られる場面を、何度も見てきたことに依ります(複雑な心境ですが、この肩書が却ってプレッシャーとなり、準会員(1号)の登録すらも抹消する人もいるくらいです)。
 例えば、あるIPO準備会社で、資本政策周りの支援をしている会計士に対して、監査上の取り扱いや監査への対応についてクライアントから質問をされる場面を見ることがありました。その方は監査業務を離れて長かったこともあり、返答に窮しており、「監査基準やっぱりある程度は分かっておかないとなぁ…」と後でおっしゃっていました(たまたま同席していた私がそっと助け舟を出したところ大変に感謝され、新規案件のご紹介につながりました!)。
 また会計士が会社のCFOに就任した場合、経営側・監査側両方から寄せられる、監査対応への役割・期待が、一段と高くなるように思います(そうは言うものの、「俺監査離れて久しいからわかんないんだよね」というCFOへ助言をする、なんてサービスのニーズもあったりします)。

 合格者のみなさんにとって本稿が役に立つ日が来ないことを願いますが、それでも、何かあった時には、ご参考としていただければ幸いです。
 改めて、公認会計士・論文式試験に合格した皆様、おめでとうございます!!

 さて明日は、税務に従事されている幸田 架さんの記事です。どのようなメッセージをいただけるか、今から楽しみです!

#公認会計士論文式試験合格おめでとう


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