0.はじめに
今回のコーリーのアップデートの翻訳が遅れたのは、コーリーの話の中に、個人的に少し腑に落ちないというか、納得のいかない部分があったからでした。私はコーリーの代弁者ではなく、常に客観的で批判的な視点を失わず、公平に彼の情報を紹介しようと努めています。ですから、自分の調べた情報と、以下に紹介する彼のデイヴィッド・グラッシュ(グラシ)の内部告発に対する見解の違いに、当初は戸惑い、消極的な気持ちになったのでした:
最初にこの更新を読んだ時は、「グラッシュがホワイトハットだ」というコーリーの意見にだけ引っかかってしまい、違和感で頭が一杯になってしまいました。(時間が経った今では、彼のメッセージの意図をよく理解していなかったと思います。)
そのため、8月19日の配信を聞いた時にも、「納得がいかない。これをただそのまま翻訳することはできない」という気持ちに支配されました。そしてその気持ちをAWTVのQ&Aにぶつけました。
マイクの回答に完全に満足したわけではなかったものの、誠意ある返答に、だいぶ気持ちは落ち着いたのでした。そして彼の言う通り、時間が経つにつれて、状況に展開が見られ、新たな検討材料が出てきました。
まずは8月19日の配信で言われていたことを見ていきましょう。
1.8月19日の配信
考察1:2024年度情報権限法
ここで一旦中断して、情報と状況を整理・検討していきたいと思います。まず、今年6月13日のWIREDの記事です。(日本語版は7月)
次はザ・ヒル紙の7月7日の記事です。これはマリク・フォン・レンネンカンプという、米国務省の国際安全保障・核不拡散局でアナリストを務め、オバマ政権では米国防総省に任命された人物による意見記事です:
WIREDとザ・ヒルの記事では、随分と受ける印象が違います。WIREDの記事では各議員の立場や見解の相違を強調していましたが、WIREDの記事が出た翌日に、上院情報委員会が17対0の全会一致で、来年度の情報権限法を採択しています。まさにこれは超党派の法案であり、議員間の見解の相違は、見せかけの対立ではないかと思えてきます。
そしてザ・ヒルの記事で述べられていたように、今回の情報認可法は、「情報を開示しなければ違法になる」という画期的な内容が盛り込まれており、これは確かに内部告発者が続々と出てくる展開を促すものです。こちらの方の記事も読んで理解を深めておきましょう:
この記事を書いた方も言っているように、まるで何かの大きな結末に向かうスケジュールに合わせるように、2024年度情報権限法によって情報開示に大きく拍車がかけられるようです。しかし、これは突如して始まったことではなく、昨年可決された国防権限法に盛り込まれていた内部告発者保護の規定ができてから、グラッシュの内部告発があって、という一連の計画的な流れの中にあり、この流れはそもそも2017年のTTSAとニューヨーク・タイムズによるUFO映像リークに始まっていることを忘れてはいけません。
そしてトム・デロングのボスはジョン・ポデスタとヒラリー・クリントンであることも忘れてはいけません。
さらに、ザ・デブリーフでデイヴィッド・グラッシュの最初の内部告発記事を書いたのも、トム・デロングのリークしたUFOビデオについて最初にニューヨーク・タイムズの記事を書いたのも、全く同じ人たちであるという事実を忘れてはいけません。
ですから、前回のデイヴィッド・グラッシュの情報開示に対する自分の考察は、間違っていたとは思いません。
しかし、この時は、2024年度情報権限法の可決(6/14)前でしたし、それがこれほどの内容になるとは知りませんでした。今ではコーリーが「グラッシュはカバールでもアライアンスでもない」と言っていた意味や、「内部告発者たちの口から出た後に、情報はスピンされる」と言っていた意味が少し理解できます。名乗り出てくる内部告発者たちは、善意で自分の真実を語っている「ホワイトハット」であるという点については、確かにそうなのだろうと思えます。ただ、この流れをもともと裏で計画し、推進してきたのは、ロックフェラー・イニシアチブであり、今後も彼らがどのような影響力を行使し、ナラティブをコントロールしようとするのか、警戒しなくてはならないという意見に変わりはありません。
配信の続き
インタビューに戻ります:
ざっとインタビューを聞いたころ、ゲイリー・マッキノンのSSP暴露、「量子もつれ」を使ったコミュニケーション方法、「神の声」テクノロジー、ELFを使った指向性エネルギー兵器など、コーリーや他の内部告発者が以前から語っていた内容が多い印象でした。また、直接的にはニュージーランドの2度のクライストチャーチ地震(2011年)を引き起こした指向性地震兵器に関わる仕事をしていたそうですが、それはこの装置を「初めて起動したことによる誤射によるもので、意図的ではなかった」と語っていた点が怪しい印象を受けました。また、このエリック・ヘッカーという人はスティーブン・グリアを通じて出てきた内部告発者だったので、コーリーは不審がっているようです。
2.ザ・ヒルでサラ博士の発言が取り上げられる
8月27日、コーリーは自身のグラッシュに対する見解の補強材料として、ザ・ヒル紙が制作している番組のクリップを紹介しました。これになんとサラ博士が出てきます。
動画を見る前に、コーリーが以前語っていた「今後のタイムライン」を振り返っておきましょう。コーリーの言い方からは、グラッシュたちが始めた情報開示は、2027年~28年にかけてある程度結実するという意味にとれます。
そして2028年~33年にかけて、偽のナラティブが広められるということでした。
これは、コーリーが「情報は内部告発者たちの口を出た後にスピン(歪曲)される」と言っていたことと一応矛盾はないように見えます。
しかし、この年表によれば、2027年~28年にはすでにGGLNが月や南極に訪れているということですから、「地上の私たちが月や南極のポジティブな変化に気がつかないのだろうか?」「世界の銀河連邦グループより前にGGLNが私たちの前に姿を表すのではないか?」といった疑問点も残ります。
では、動画を見てみましょう。
この動画につけられたコメントを一つ紹介します。
他にも不審で不穏な死を遂げたUFO研究者や内部告発者は数多くいるはずです。皆いちいち覚えていないだけで、実際に調べればたくさん出てくるのですが、この番組のキャスターのようにUFOコミュニティ外の一般層の人々の関心が高まるにつれ、「例えば誰よ?」と急な質問を受けても即答できるように、これからは普段から情報を整理して答えを用意しておいた方がいいのかもしれません。(私はそういうことが苦手なので、こうして備忘録的に記事に情報をまとめています。)
さて、この番組を見た多くの視聴者がどのような印象を受けたかはわかりませんが、サラ博士のグラッシュに対する見解は必ずしもコーリーと食い違っているわけではありません。Redactedの他のインタビューでは、「グラッシュの言っていることは完全に正しい」と語っています。ただ、その動機については、「彼は情報開示を求める派閥の代弁者なのか、偽旗作戦や部分開示のために道をならしているのか、現時点でははっきりしない。」と判断を保留しています。これはとても真っ当な意見だと思います。
問題は、このRedactedの運営者のクレイトン・モリスは、ニューヨーク・タイムズでUAPの、ザ・デブリーフでグラッシュの記事を書いたレスリー・キーンと親しいことを公言していることです。
さらに、Redactedのチャンネルでは、スティーブン・グリアへのインタビューも行われています。つまり、サラ博士も、グリア博士も、コーリーの話から受ける印象よりは、グラッシュに近いところで論陣を張っているように見えるということです。ただ、グラッシュと直接接触できていないという点では、コーリーの言う通りなのかもしれません。
いずれにしても、色々なUFO/UAP研究者が、それぞれに自分のナラティブや見解を主張しており、どこまでが正しい情報で、どこからが間違った情報なのかといった精査もなく、色々な話が一緒くたにして語られている印象を受けました。(Redactedのチャンネルではサラ博士がグラッシュの話題の後にJPの話を同列にして語っています。)
かなり混乱した状態であり、様々な情報や解釈の可能性が錯綜して、正直何が何だかわからなくなってきました。コーリーの見解にも一理あるとは思いますが、すべてを鵜呑みにする気にもなれません。時が経てばもう少しはっきりしてくるでしょうか。
一つ確実に言えることは、5年前、10年前に比べれば、ETについての議論が着実にメインストリーム化し、より多くのパーソナリティによって語られるようになり、議論の内容も深まってきているということです。この抗し難い超党派的な大きな流れは確実に存在することが肌で感じられ、「内部告発者保護法案(2024年度情報権限法)」が今更反対にあって成立が妨げられるとは思えないのです。
それはジャニーズ問題がBBCで報じられ、国連の調査を受け、結局は裁かれたのと同じようなことだと感じています。これはカバールとかアライアンスとかいう派閥を超越した大きな流れであり、その流れの中で多少の旧体制の抵抗や、ナラティブの相違や小競り合い、妥協や隠蔽はあるものの、もっと高いレベルで決定された、誰にも逆らうことの出来ない大枠の決定事項なのではないかという感じがします。
つまり、ETディスクロージャーというのは、もはやカバールもアライアンスも関係なく、超党派的な確定路線であり、いくら抵抗感を示す人たちがいても、スケジュールに沿って着実に進められていくことが決まっているのではないかという予感です。それがソーラーイベントに合わせたスケジュールなのかどうかは、これまでなかなか確信が持てずにいましたが、2024年度情報権限法の全会一致の採択というのは、実際の形ある兆候の一つであると感じ、少し興奮を覚えました。
グラッシュについてのコーリーの見解には、個人的にはまだ納得しきれないモヤモヤ感が残りますが、それはグラッシュ本人というよりは、グラッシュの背後や周辺にいる人たちへの不信感からです。ディスクロージャーが進むのは願ってもないことだと思っています。
そして、グラッシュの後に続いて30人、40人と内部告発者が名のり出てくるようになれば、ようやくコミュニティも何十年と続いてきたネサラゲサラなどの妄想・夢物語・宗教的救済願望のループ、つまり心の牢獄から抜け出せるかも知れません。そんなことに注意を向けるより、現実のディスクロージャーを咀嚼し、消化することに大忙しとなるからです。
3.UAPディスクロージャー法
少し紛らわしいのですが、上院情報委員会で全会一致で可決された情報権限法(IAA)と、国防権限法(NDAA)というのは、連動していているのですが別の法律で、国防権限法の「UAP修正案」の方が一般にUAPディスクロージャー法と呼ばれているようです。こちらも法案についても状況を確認しておくべきかと思い、追記しています。
6月14日に上院情報委員会で情報権限法(IAA)が可決された一ヶ月後、上院で国防権限法(NDAA)の修正案として「UAPディスクロージャー法/UAP修正案」が提出されました。
まず、いつの間にかUAPの定義が変わっていることに気が付きました。以前は「未確認航空現象/未確認空中現象(Unidentified Aerial Phenomena)」でUAPと言っていたと思うのですが、議員たちは「未確認異常現象(Unidentified Anomalous Phenomena)」と呼んでいます。わざわざ呼び方を変えた理由は何でしょうか?
「UAP」の用語の意味を拡大させたのはペンタゴンでした。
なるほど、よりリアルで具体的な話になってきた感じがします。では、法案に話を戻しましょう。先程の国防権限法(NDAA)は「UAP修正案」を含めて、すでに上院で可決されています。
議会の記録では86対11ではなく、全会一致で可決されたことになっているのですが・・・よくわかりません。
とにかくUAPディスクロージャー法がちゃんと可決されたことは間違いないようです。
国防権限法は「UAPディスクロージャー法」であり、「UFO押収法」でもあるということでした。それなら情報権限法の方は、内部告発者の尻を叩き、免責・保護するという意味で「UAP内部告発者法」と呼んでもいいかもしれません。
かなり踏み込んだ内容の法律で、これらが議会で可決されたことは、単純に「凄いなぁ」「画期的だなぁ」とは思うのですが、どこか棒読みになってしまうというか、感情がついてきません。信じきれないというか、不安な気持ちがあります。そう、2021年1月6日以来、私はこういったことに無邪気に喜ぶ心を失ってしまったのです。
まず気になるのが、この法律があっても、「国家安全保障上の理由」といって、いくらでも政府は隠蔽を続けることができてしまうのではないかということです。JFK大統領暗殺記録収集法がそうだったように。
また、「遅くとも25年以内に公開」というのも、気に入りません。最悪の場合、2050年になってから公開されるということですし、それ以降も「国家安全保障」を理由にすれば公開しなくてもよいということですから。そもそもその「UAP記録コレクション」に核心的な情報が含まれているかどうかすらわかりません。
また民間の航空宇宙産業からUFOや地球外テクノロジーを押収(収用)できるという法律の文言はインパクトがありますが、はたして航空宇宙産業が素直に従い、「はい、どうぞ」と差し出すだろうか?と考えると、大いに疑問です。普通にシカトされそうですが、何か証拠を掴み、従わせることができる勝算はあるのでしょうか?つまり、結局この法律は形骸化してしまうのではないか、という懸念があります。
その一方で、そうなるくらないなら、そもそもこんな法案ができて、可決される理由があるだろうか?とも思います。政府も議会も70年以上隠蔽し続けてきた側であり、それで彼らにとっては何の問題も起きてこなかったのですから、突然今になって自ら積極的に情報公開のための法整備を進めていることはかなり不自然です。つまり、これはあるタイミングで情報公開する目標が先に決まっていて、その決められたスケジュールに合わせて、法整備などが追いついていっているという可能性があります。この場合、完全な隠蔽の心配は杞憂となりますが、それでもナラティブの争い、部分的隠蔽・部分的開示、どこまでの真実が明らかになるのか、といった問題は残るでしょう。
この記事は以上です。