ホワイトハットの実態に迫る!シリーズ3.5(11/1加筆修正)
0.はじめに
今回は箸休め的な記事になります。ネサラゲサラだけでなく、QFSやホワイトハットの存在もほとんどがデタラメであることが明らかになるにつれて、そして、詐欺的なエリートが庶民に与えていた夢物語・幻影・鎮静剤(ホーピアム)、あるいは既得権益者やインフルエンサーの人気取り、はたまたお人好しで騙されやすい人々と詐欺師が相互依存で紡いできた勘違いや期待感に基づく妄想の寄せ集めであったことを悟るにつれて、明らかに調査のモチベーションも下がってきています。心のどこかでは、もう少し多くの真実が含まれていることを期待していたのかもしれません。
パラディンも、あれ以降、パッタリと投稿が止まったままです。彼が誠意と善意の人であることは疑っていません。彼も騙されていたのではないでしょうか。そして、自分が騙されていたことに気づき、投稿をやめてしまったのではないかという気がしています。いずれにせよ、今は語るべきことがなくなったということでしょう。彼が再び口を開く時を待ちたいと思います。
さて、この記事では、私たち庶民が真実に対して持つべき姿勢と、エリートや既得権益者がいかに偽善的な詐術を用いるか、という2点について考えるための資料を提供します。
1.ジョン・スチュアート・ミル『自由論』
まずは、数ヶ月前に仕事で読む機会があり、とても共感した文章を紹介します。1859年に出版されたミルの『自由論』という書籍からの抜粋です:
これが160年以上前に書かれた文章だというのは不思議な感じがします。今の時代にもそのまま当てはまることが多いのではないでしょうか。残念なことに、現在の「トゥルーサー」や「覚醒者」のほとんどが、一段落目で批判的に語られていた人々に当てはまります。彼らは、たまたま「真実」という単語を使っていますが、その実際は単なる迷信になってしまっています。
「少なくとも一般的な反論から身を守ること」すらできていないことが多いのです。2、3割正しい主張をしていても、迂闊にも7、8割は弁明のしようのないデタラメを言わずにいられないという、一種の精神病です。フラットアース等、本来の主張とは全く関係のないことを熱心に語りだしてしまい、自らを不利な状況に追い込んでいくのです。
反論から身を守ることを諦めると、反論を単に無視すればいいという安直な考えに陥ります。そしてどんどん小さな信念のフィルターバブルに閉じこもっていくことになるのです。そこで繰り返し「教義」がエコーチェンバーによって増幅され、信仰となっていきます。新興宗教にハマるのと全く同じことです。
先日、たまたま見た動画で、改めてそれを確信しました。
①新興宗教のメンタリティ
ここで言われている「教祖漬け教団漬け」は、フィルターバブルとエコーチェンバーのことであり、「紐付けられる、関連付けられる、因縁付けられる問題」は確証バイアスのことです。本来全く関係のないニュースを引用して、「Qプラン」・「ホワイトハットの作戦」・「QFS」・「ネサラゲサラ」などと結びつけ、悦に入ったり、ありがたがったりしているのは、新興宗教の熱心な信者と全く同じ精神構造によるものなのです。
かつての優秀なQチューバー、真実の探求者たちは、ゲマトリアや暗号解析ごっこから足を洗いました。一方、もともと「御利益」や「手柄」欲しさのカルト信者体質だった人たちが、いまだに「Qプラン」や「ホワイトハット」にすがっているのです。Qが「偽預言者に気をつけろ。私は預言者ではない。あなたも預言者ではない。私たちは預言者ではない。使命に集中しろ。」と言って投稿をやめている理由は、基本的にここにあります。
マイケル・フリンがQオペレーションに何らかの形で関わっていたのは明らかですが、今の「Q/トランプ/ホワイトハット信仰」には何の肯定的な意味も見い出せないのでしょう。改めて以下のように述べています:
②マイケル・フリンがQを葬る
金太郎飴のようになってしまったX22Reportを聞く機会はだいぶ減ってしまったのですが、カシュ・パテルがゲスト出演したときなどは聞くようにしていました。カシュ・パテルは出演する度に「軍が介入するなんてことはありえない」と言っていたのですが、デイヴはその夢物語を諦めきれない様子で、「最後は軍が介入するのが唯一の道だ」とか「不正選挙の証拠は全て宇宙軍が握っている」といった言説を毎日の放送で繰り返してきました。今度の米大統領選挙も、デイヴは「再び不正が行われる心配があるが、それをどう防ぐのか?」と、期待と不安の入り混じった質問をカシュ・パテルに投げかけていましたが、基本的に「国民を教育し、目覚めさせるしかない。そしてバロット・ハーベスティングによって投票率を上げて、不正票を上回る票を得て、選挙に勝ってからでないと、不正のできない選挙制度(紙投票・有権者ID)に変えることは出来ない」ということを言われていました。
X22Reportのニュース分析やまとめが優れていることには疑いの余地はなく、愛国者コミュニティの良心とも言える存在でしたが、彼がいつも結論として使う「Patriots in control(愛国者が事態を掌握している)」という言葉は、ほとんど宗教的信仰のような感じで、以前から危惧していました。そしてとうとうマイケル・フリンから釘を刺されてしまったということです。
ちなみに、程度の差こそあれ、宗教的信仰とQやトランプ信仰の結びつきは多くのインフルエンサーに見られます。これはもう新興宗教だったと言って差し支えないでしょう。
Q・愛国者コミュニティで一番まともな部類に入るX22Reportだからこそ、フリンは直接言及して、膨れ上がった幻想のナラティブを否定しました。まともではない人たち、つまりフラットアースやネサラゲサラ・QFS等の話とQ・トランプを結びつけている詐欺師・新興宗教・ネットワークビジネス集団については、「大きな危害」とひとくくりにまとめて、一切関わりたくないと思っているのでしょう。この日和見主義者たちはそれが気に食わないものだから、「フリンはDSだ」とか「フリンは死んで入れ替わった」とか言っています。UFOコミュニティでコーリーが言われていることと同じです。そしておもしろいことに、コーリーとフリンのメッセージの内容は全く同じなのです。
「大きな危害」と呼ばれるようになった人々が、自らの軽率さと未熟さで、Qムーブメントを腐敗させ、立て直しが不可能なほどに破壊しました。そしてフリンやパテルといった、アライアンス、ホワイトハット、愛国者(呼び方は何であれ)の彼らから見限られたということです。そしてこれは、コーリーが繰り返し話していたように、ディスクロージャー・ムーブメントにおいても同じなのでしょう。
2.女王イメルダ ー政界の果てしない闇ー
次に、Showtimeが製作したイメルダ・マルコスのドキュメンタリーからの抜粋です。とても興味深い内容ですので、ぜひ購入して視聴してみて下さい。
①イメルダの夢
②イメルダの脅し
③イメルダのサファリパーク
④イメルダのボンボン息子
⑤ピープルパワーと不正選挙
⑥起こされた訴訟
⑦マルコスの隠し財産
⑧カムバック
⑨戒厳令とサン・ファニーコ橋
⑩マルコスの選挙資金
⑪貧困層の希望
⑫強いリーダー像
⑬教育とSNS戦略
⑭副大統領選挙
⑮ドゥテルテとマルコス
3.まとめ
結局、副大統領選の結果は覆ることなく、ロブレドが副大統領を続けたようですが、2022年の大統領選挙ではロブレドの2倍の票を得てボンボンが当選しました。なぜそこまでそれで大差をつけることになったのか?という感じですが、最も気になるのは、それでフィリピン国民は幸せになったのか?ということです。
実際のフィリピン市民の本当の声はわかりませんが、今のところ高い支持率を維持しているようです。タラーノとマハルリカ王国の金塊伝説を信じていた人たちは怒っていたようですし、ドキュメンタリーで紹介されていた超法規的殺人の犠牲となった貧困層の家族は悲惨でしたが、国民の大半は満足しているということでしょうか。マルコスに期待して投票したスラム街の人たちの生活が少しでも改善されることを願うばかりです。
フィリピンのネットメディア、ラップラーについての記事に、マハルリカの話が出てきます。
やっぱりそうだったのか、という感じです。ケンブリッジ・アナリティカが関わっていたとなれば、ドゥテルテとトランプのキャラクターや、選挙戦の盛り上がり方の否定し難い類似性、そしてQムーブメントやネサラゲサラ、マルコスの金塊伝説の不思議な親和性の説明が付きます:
こちらは反トランプの記事ですが、ミルが『自由論』で言っていたように「敵の言い分を自分の言い分と同じか、それ以上に熱心に研究」することは大切ですので、我慢して読んでみて欲しいと思います。
「どぶさらいをする!」というのは「Drain the swamp」のことだと思いますが、これはトランプ以前にもレーガンやペロシですら使っているフレーズである(そしてオリジナルNESARAの発案者ハーヴィー・バーナードの著書のタイトルでもある)ので、CA社の研究から生まれたという表現は正確ではありません。
私はスティーブ・バノンに対してどちらかと言えば好感を持っていますし、ケンブリッジ・アナリティカのおかげでトランプが当選できたのであれば、それは喜ばしいことだったと思っています。ヒラリーがよかったなどと微塵も思いませんし、リベラルのエリート主義や汚職、上辺だけの偽善や売国的グローバリズムも嫌いです。しかし同時に、フェイク情報とホーピアムに常に感情を操られるデジタル権威主義も嫌です。
ケンブリッジ・アナリティカはなくなりましたが、今はイーロン・マスクのXがアルゴリズム的にその役割を引き継いでいるように思います。
こちらの話はフィクションなのですが、X(ツイッター)の心理操作についてうまく説明しています。
フィリピンで実験が行われるというのもケンブリッジ・アナリティカと同じです。
トランプはバノンに恩赦を与えたことから、バノンに恩義を感じていることは確かです。最近はどうか知りませんが、少し前まではよくQ関連のミームをリトゥルースしていました。しかし、ネサラゲサラ、QFS、EBS等に関係するミームには手を出さないよう気をつけている様子です。
まとめると、心理作戦ツールが「ホワイトハット/アライアンス」によって利用され、ある程度良い結果も生んだが、その副作用と弊害も予想以上に大きかった、というところでしょうか。だから、マイケル・フリンはQを葬り去ろうとしているのであり、クレイ・クラークとReAwaken Americaツアーで人々を「再度目覚めさせ」ようとしているのでしょう。
おそらく、大局的にはコーリーが言うように、西洋のエリートから東洋のエリートへの権力の移譲が起きているだけなのでしょう(マルコスの復権も約束されていたことなのだと思います)。旧来の西洋エリート(リベラル派)が復権するのはまた100年後とか、かなり先のことで、彼らがフェイク情報やデジタル権威主義を批判してまともなことを言っていても、負け犬の遠吠えのように響いてしまうのはそのせいだと思います。
かといって、フェイク情報はフェイク情報であり、それが真実になることはないでしょう。つまり、トランプやマルコスに紐付けられ、期待感を醸成されていた、金塊に基づく人道支援資金やネサラゲサラの噂話の部分は、人々が勝手に期待しているだけなのです。実際には、それがネットの心理作戦ツールによって増幅され、それを黙認されてきた可能性が高いにも関わらず。
ボンボン・マルコスがタラーノの金塊を持っていないと否定しつつも、政府系投資ファンドに「マハルリカ」の名前を冠したあたりに、そのズルい心理が垣間見えます。
大切なのは、「強いリーダー」ではなく、民衆が自分たちに力があることを認識することではないでしょうか。民衆の支持がなければ、マルコスが復活することはありませんでした。カシュ・パテルは「無投票層の票をバロットハーベスティングしなければ」トランプが大統領選に勝つことはできないと言っていました。
しかし、フィリピンという実験場で起きていることは、アメリカや世界で今後起きることを占うヒントになるかも知れません。注目を続けたいと思います。