Romantica with Stringsライヴ

 4月13日(日)に、中目黒のお店、楽屋(らくや)で、Romanticaのライヴを見ました。

 Romanticaは、パーカッショニストの田中倫明さんが率いるユニットです。最近では、ギターの梶原順さん、チェロの橋本歩と田中さんの3人を基本に、さまざまなゲストを加えて活動している模様で、この日は、ヴァイオリンの梶谷裕子さん、ヴィオラの田中景子さんが参加。弦三重奏+ガット・ギター+パーカッションによる素敵なアンサンブルとなりました。

 この弦三重奏から生まれる、音の迫力は聴きものでした。主旋・伴奏を自由に行き来するし、ダイナミクスもすごい。リハをしながらアレンジしていったということで、クラシック奏者のような緻密に構築された演奏というよりも、もっと自由に生き生きと演奏している印象でした。心なしか梶原さんのギター・ソロにも、一層熱がこもっているような気が。倫明さんのパーカッション・プレイも、キューバン・リズムをベースにしたグルーヴが格別。この日は、カホンを使用する場面が多かったのですが、コンガ・ソロやザブンバによるリズムなどもフィーチャーされ、打楽器好きの自分にはたまりませんでした。

 Romanticaの楽曲は、田中倫明さんが作っています。この日のライヴでは、それぞれの曲が始まる前、倫明さんが曲のイメージをじっくり解説してくれました。パブロ・ピカソ作の絵画をモチーフにした「ゲルニカ」(アルバム『Pablo X』収録)では、平和への思いを。「ロルカ」(同作収録)は、詩人であり戯曲家のフェデリコ・ガルシア・ロルカを描いた曲で、その人物像やスペイン内戦にまつわるお話を。「アダン」(アルバム『Romantica Dos』収録)では、実際にモチーフとなった、田中一村の絵画を飾ってくれました。Romanticaは、基本はヴォーカルなしのインスト・ユニットなのですが、こうした倫明さんの解説によって、楽曲がさらに生き生きと伝わってきました。

 これからも、Romanticaのライヴは順調に続いていくようです。異国情緒溢れるエキゾチックなメロディと、絶品のアコースティック・アンサンブルを楽しみたい方はぜひ。

[田中倫明Blog]
MICHIAQUI STYLE
http://tanakamichiaki.blogspot.jp

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