VCT 2023に向けて知っておくべき事
VCT Champions 2022が終わりました。VCT自体は公式女性大会であるGame Changersが残っているので楽しみにしましょう。自分のVCT感想記事はDay 2のまま止まっているんですがそれはまた別の形でまとめようかなと思います。たぶん。
今回この記事を書こうと思った理由は競技に直接関わっていない大会を見るだけの一般的な人は来年、来年以降のVCTについてあまり理解していないのではと思ったからです。それを自分なりに分かりやすく解説していこうと思います。
VCT 2023の構造、チーム数と地域区分
VCT 2022では地域大会であるChallengersを予選とし、そこを勝ち抜いたチームが国際大会であるMastersで争うという形をStageとしていました。そのStageを2回行い、上位の成績を収めたチームのみが最終的な優勝チームを決めるChampionsに進出し、年間王者を決めるという仕組みでした。
しかしVCT 2023では大会の名前こそ変わりませんがシステムが大きく変更になります。
まず来年以降のVCTは大会が二つあり、参加チームも二つに分けられると考えてください。分かりやすく言えばスポーツで言う一部と二部のようなものだと思ってください。
一つ目はインターナショナルリーグと言って名前の通り参加チームは国際大会だけを行う大会です。地域はAMERICAS、EMEA、PACIFICの三つに分けられ、2023年は各地域毎に選ばれた10チームのみが参加します。
EMEAは今までと変わらないですが、日本が関わってくるPACIFICやAMERICASは新しく区分されています。分かりやすく大雑把に言えばヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸と考えてもらえれば大丈夫です。
二つ目はチャレンジャーズリーグと言って今までのVCTと似た地域で分けられています。こちらは2023年は誰でも参加できるオープン予選がまず行われ、勝ち抜いたチームが参加できますが何チームになるかはまだ詳細不明です。地域区分は以下を参考にしてください。
日本は関係ないですが今まで大きく分けられていたEMEAやAPACなどは殆どが国単位に細かく区分されています。私の予想ですがVCT 2022で言えばMain Eventに進出したチームでリーグ制の大会を行うような形になると思います。チーム数に関しては未だ不明です。
また現在開発中ですがゲームのシステム内で大会が出来るようになり、来年度以降はオープン予選ではなく、そのシステム内の大会で勝ち抜いたチームがChallengersに参加できるようになります。
これはLoLにもClashと言う似たシステムがあって、Clashの場合は毎月決まった日にトーナメントが開催されて勝ち抜いたチームが報酬を得るというものなので似たようなものになると思います。詳しくは実装後に発表があるでしょう。
インターナショナルリーグ
インターナショナルリーグに参加するチームは行われる公式試合が全てオフライン大会になります。各地域のチームは試合が行われる都市に集まりリーグ制の大会を行います。なので参加するチームは活動拠点をソウルに移すことになります。
約2か月で1スプリット(区切り)とし、参加チームはソウルに集まってリーグ制で競い合い上位の結果を残したチームがMastersに進出という流れです。
本来はこのスプリットを2回行う予定ですが、各チームの準備期間を設ける意味合いで初年度となる来年限定でキックオフトーナメントが行われます。
キックオフトーナメントに参加するチームはインターナショナルリーグに参加する30チームで、この大会を優勝したチームが所属する地域はMastersへの参加枠を一つ獲得します。
今回はグループ運に恵まれなかったZETA DIVISIONですが、キックオフトーナメントでは地域毎のチーム数が同じなのでバランス良くランダムなグループ分けになると思います。チーム数が多いのでどんな形式になるか分かりませんが。
スプリット2の後はこれまでとほぼ変わらず、MastersとLCQを行った後にChampionsという流れです。これらの世界大会が地域ごとに何枠になるかは今のところ不明。
動画ではスプリット1と2の間の期間が短いように見えるのでスプリット1の後には国際大会は行われず、上位チームには別の報酬か何かがあるのかもしれません。こちらも今後の発表待ち。
インターナショナルリーグもMastersもChampionsも国際大会と言えるので読んでいて分かり辛かったかもしれませんが、発表を見る限りMastersやChampionsなどの地域が代表して集まる国際大会はグローバルイベントと名付けています。
外国語などでちょっとニュアンスが難しいですがあえて日本語に訳すなら世界大会と言った感じです。以後そのような形で書いていきます。
チャレンジャーズリーグ
チャレンジャーズリーグもインターナショナルリーグと変わらずスプリットを2回行いますが、違う点としてはMastersやChampionsに直接繋がるわけではないことです。その代わりチャレンジャーズリーグで上位の成績を収めたチームはChallengers Ascensionという大会に進むことができます。
Challengers Ascensionはアジアの各地域を勝ち抜いたチームが集まる大会で、そこで勝ち抜いて初めて次の年のインターナショナルリーグの出場権を獲得します。その後にインターナショナルリーグで結果を残して初めて世界大会に出場することができます。
Ascensionを勝ち抜いたチームは2年間インターナショナルリーグに参加でき、2026年以後はAscensionからの昇格枠が2チームになります。なので一年経つごとにインターナショナルリーグの参加チーム数が1ずつ増えることになります。
ここまでのまとめ
さて出来るだけ分かりやすく書いたつもりですが一度まとめてみましょう。まだ終わるわけではありません。
競技シーンに参加するチームはインターナショナルリーグとチャレンジャーズリーグのどちらかに参加することになります。インターナショナルリーグは選ばれたチームのみが参加でき、チャレンジャーズリーグは誰でも参加できます。
チャレンジャーズリーグは誰でも参加できる予選から始まり、勝ち抜いていくことで参加できる地域大会です。またそこで結果を残す事でAscensionに進み、そこで優勝すると来年度以降2年間インターナショナルリーグに出場できます。
インターナショナルリーグに参加するチームについては後述しますが、選ばれたチームのみが都市に集まり競い合うオフライン国際大会です。ここで結果を残すことでMastersやLCQ、更にその先のChampionsなどの世界大会に進出します。
またこのシステムの初年度となる来年だけの要素として、チャレンジャーズリーグへの参加方法がオープン予選である事とインターナショナルリーグのスプリット1に代わりキックオフトーナメントがあることの二つがあります。
多くの選手はオープン予選を勝ち抜きまずはチャレンジャーズリーグへ参加することが目標になります。オープン予選を含めての期間かもしれませんが、大事なのは一月からチャレンジャーズリーグが始まることです。参加を考えている選手は早く準備しましょう。三か月もありません。
オープン予選を勝ち抜いた後はチャレンジャーズリーグでのリーグ制が始まります。一つ言える事があるとすれば仮に平日にも開催するのであれば専業、つまりプロの選手でなければ難しいかもしれません。
パートナーシップ制
ここから話すことが一番大事と言っても過言ではないかもしれません。ここまでは参加チームについて詳しく書きませんでしたが正式発表は近日と報道されています。色々リークはされていますが。
さてインターナショナルリーグではパートナーシップ制が導入されています。Riot Gamesはフランチャイズ制とは言ってないので違いますが概ねフランチャイズ制だと思っていいかと思います。
フランチャイズ制とは出場チームが固定され、降格がないリーグ制になります。日本のプロ野球をイメージしてもらえればと思います。
フランチャイズ制のメリットは降格がないため長期的な視野で興業を見込める事、デメリットは入れ替え戦がないため新規参入がし辛い事と言われていますが、VCTの場合はそこを閉ざす事がないシステムになっています。
他にもメリット・デメリットはありますが今回話したいのはそれではなく、インターナショナルリーグに選ばれるかどうかは雲泥の差があるという話です。
まず選ばれる条件についてですがチームを運営できる資金力やチームのコンテンツが充実しているかなど、大雑把に言えば大きなプロチームになります。ビジネスな関係としてここを重視するのは当然と言えます。ここで言っておきたいのは今までの結果を重視しているわけではないということです。
またインターナショナルリーグが行われる都市で活動できるかも重視しています。PACIFICであればソウルに活動拠点を移せるかどうかということです。スプリットの間はオフライン大会が行われるため当然と言えば当然です。
インターナショナルリーグに選ばれたチームはRiotとのパートナーシップ契約を締結します。これによりチームへの一年単位の経済的支援に加えてコンテンツのコラボ、言ってしまえばコラボスキンなどの収益分配があるそうです。
しかしパートナーに選ばれなかったチームはこういった支援などはなく、最低でも一年はチームを運営しつつインターナショナルリーグを目指す形になります。パートナーシップになれるかどうかがいかに大事か分かります。
これによって考えられる事態としては選ばれなかったチームの解散です。ヴァロラントはサービス開始からフランチャイズ制を導入すると考えられていて、投資としてサービス開始から参入していたチームは解散する可能性があるということです。
また選手の移籍も活発になるでしょう。選ばれなかったチームに在籍していた優秀な選手が選ばれたチームへ移籍する事も考えられますし、インターナショナルリーグやチャレンジャーズリーグへ向けてロスター変更するチームも多いでしょう。NAやEMEAでは特に活発にみられると考えられます。
いずれにせよチームの解散や選手の移籍などマーケットが大きく動く事はほぼ確定しています。オフシーズンの間はこういった話に事欠かないと思います。形が変わって慣れるには時間がかかるかもしれませんが、選手やチームを支える良い仕組みだと自分は思います。
この記事と公式発表の後に改めてパートナーシップ制について掘り下げた記事を書きました。良かったらご覧ください。
雑談
今までの記事は基本的には確定している情報やジャーナリストによる報道ベースで書いてきましたが、ここからは自分が気になる事について少しだらだら書いていきます。
インターナショナルリーグのフォーマットはどうなるんだろうって考えたんですが、期間が2か月で1スプリットなので約60日で約8.5週。10チームでリーグ戦を総当たりで行うと試合数は45試合になるそうです。
例えば一日で3試合を消化するとしても15回なので4日に一回ペースで配信が行われる感じ。チームが試合する感覚としては他の9チームと試合をするわけなので計算しやすく63日で9週間あると考えると週一ペース。
仮にプレイオフがあった場合はもう少し詰まった日程になるが、チャレンジャーズではプレイオフがあるという記述はあったもののインターナショナルでは見つけられなかった。
次はMastersの各地域の枠は何枠なのかについて。NAやEMEAに比重があるのかどうかが気になる。各地域のチーム数が同じなので個人的にはないと考えるけど。均等だった場合地域ごとに何チームずつになるかも難しい。
基本的に世界大会における出場チーム数は12チームか16チーム。12チームだった場合は均等に地域ごとに4チームになるが16チームは均等に出来ない。来年に関してはキックオフトーナメントによっては出場枠が増えるというのもフォーマットを考えた時に意味が分からん。
仮にバランスを崩して16チームだとしてもChampionsならまだしもMastersで30チームの内半分以上が世界大会に出れるのはちょっと変な感じ。なので12チームが妥当かなと思う。でもこの場合はその先がどうなるのか分からない。
グループステージの振り分けだったりプレイオフだったりバランスだったりを考えた時に良いフォーマットが思いつかない。つまり今までのフォーマットと違うか、バランスを崩すか、均等な割り振りじゃない感じがする。
次にチャレンジャーズリーグ。まとめの所で平日開催だったらプロじゃないと厳しいとは書いたものの、期間がかなり長いのでこちらはアマチュアチームの事を考えて土日開催に絞っている気がする。そうじゃなかったらチーム数が多いとかになる。
名前の通りリーグ制なはずなのでやっとフォーマットが変わった日本での大会が見れて良かったって感じ。これでリーグ制じゃなかったらウケる~。
あまり日本シーンにとって良くないパターンが一つあって、基本的にインターナショナルリーグとチャレンジャーズリーグの大会は被らないようにするらしい。そのためにチャレンジャーズリーグの期間を長くしているのであれば平日開催もありえる。
後はパートナーに選ばれたチームのアカデミーチームはチャレンジャーズリーグに参加することが出来ないらしい。まあ当然と言えば当然ではあるんですが、アカデミーチームに公式試合は用意されるのかどうかが気になるところ。
あえてここまで書いてませんでしたが、やっぱり気になるのは日本のチームについて。どこが何チーム選ばれるのか。まあプロチームの規模感で言うと日本のチームは他の国や地域に比べて小さいのであまり期待はできない感じがしますね。正直言って1, 2チームだと思います。
まあここまで雑談で書いたり選ばれたチームなど不明な点は今後発表されるので発表を待ちましょう。
参考にした記事
大正義、公式情報。今回書いた物は殆どここに書いてある。それを個人的に分かりやすいかなってまとめたのが今回の記事。
公式発表の動画。
それらを補足した記事。意図的に今回の記事では書かなかった情報も書いてあるので気になる方は各自読んでください。
条件だったり貰える金額だったりの記事。
アカデミーは登録できない話。
フランチャイズ(パートナーシップ)について書いてる記事。
それでは今回はこの辺で。