sukekiyo 「視姦パレード」-漆黒の儀- 21.01.28 at TSUTAYA O-EAST
実に3年ぶり。通算3度目。ワンマンで観るのは「IMMORTALIS」をリリースした2014年ぶりなので約7年ぶりといったところですね。時間の経過の早さに驚いています。
そう、我らが京さん率いるsukekiyoのライブに行ってきました。
コロナ禍による緊急事態宣言が発令され、開催自体が危ぶまれましたが、公演に際して予防対策を講じて開催されました。
(正直な話、直前まで具体的なアナウンスなんにもなくてやるのかやらねえのかハッキリしてや…とは思いましたね…フリー〇ィルさん…)
今回は「漆黒の儀」ということで、喪服、もとい全身黒服をドレスコードとすることが定められているライブでした。
普段あまり黒い服を着ないので、この為に靴とシャツ買いました。お金かかりましたけど、なんか仮装してるような感覚で楽しかったですね。これは良いもの。
sukeikiyoのライブは他にも「声を上げてはいけない」「曲間の拍手もダメ」などの明確なルールがあります。一見窮屈の様に思えますが、徹底した世界観の構築に一役買っていて、儀式的、カルト的な雰囲気を一層強めています。こういう厨二的発想って少しテンション上がりますね。皆そう、多分。
(↑当日のセットリストです。こういうのインスタに公式が上げてくれるの嬉しいですよね🌝)
会場に到着。コロナ関連の質問票に回答して、身分証明書とチケットを確認してもらい友人と入場。お久しぶりのO-EAST。
ステージにはDIRの演出でもお馴染みの黒味がかった紗幕が掛かっていて、映像での演出への期待が高まります。
場内は床にマスのようなバミりが貼られており、この枠内に一人ずつ立って見てくださいねというアナウンスがされていました。
18:30定刻ちょうど、ブザーが鳴り暗転。おもむろにメンバーが入場してきます。DIRと違って歓声を上げることは許されていませんので、とても静かなオープニングです。
そんな中、変態的な「漂白フレーバー」で開幕。久しぶりに京さんのご尊顔を拝見。この曲の冷徹な雰囲気大好きなんです。無機質な演奏の最中、バックスクリーンの映像に兎の着ぐるみを着た京さんが金槌を持って登場。
(↑完全にこれでした)
たぶん声を上げることが許されていれば、場内ファンから黄色い歓声が飛んだと思うのですが、そこは訓練された未亡人の皆さん。しっかりと沈黙を守っていました。(sukekiyoのファンの総称を未亡人といいます。)
そういえば、その昔sukekiyoが始動した直後に開催されたライブ(確かリキッドルームだったような…)で我慢できずに「ギョーーー!!(京ー!)」と叫んだファンの方に対して、京さん自ら指を指して、「黙れ」と嗜められたという話がありましたね。流石に可哀想、笑ったけど。
ライブの方に戻りまして、
まだテープでしかリリースされてない、2曲目「接触」ではバックスクリーンと前方紗幕にデカデカと「DOPE」の文字が踊り、京さんも曲に合わせて奇妙なロボットダンスを踊りまくっていました。僕は一人で「闇のwinkだ…」とか思っていましたけどね。
解像度が荒い。
その後、基本的に前半のセットリストは「INFINITIUM」の曲を中心にインダストリアルでダンサンブルなナンバーが続きます。
ラムシュタインと見紛うようなデカダンビートで幕を開ける「アナタヨリウエ」では、カメラに向かって口紅を塗り直したりと色気たっぷりの京さん。あなた今年で44歳なんですよね?と言いたくなるような耽美っぷりを発揮。
個人的に、某TMネットワーク感バリバリのキラキラ90sナンバー「dorothy」が来た時はブチ上がりました。あのビカビカのイントロみんな好きですよね。(たぶん)
その次の曲は新曲で、これもK室節ともいうべきバブリーな雰囲気でした。あとでセトリを見たら「valentina」と書いてありました。最近テープでリリースされた3曲のうちの一曲ですね。個人的にこれが一番気に入りました。演出もすごくてF-ZERO並みの近未来サーキットみたいな映像が出てきて鮮烈でした。こんなん。
その後も歌詞の中に"304号室"というワードが出てくる妖しい「触れさせる」と変態ガラス細工のような「夢見ドロ」と新曲を続けて披露。
そろそろ知ってる曲きて欲しい…と思っていたら
「チャカポコチャカポコ」
と不穏なイントロが鳴り始め、「死霊のアリアナ」へ。予想してない流れでこの曲来ると本当に狂います。頭振りすぎそうになりました。
「dunes」を挟んでから、リズム隊のセッションへと流れ、UTA氏の前にアコースティックギターが運ばれてきます。更にYUCHI氏がアップライトベースへと楽器を切り替え、聞き覚えのあるベースラインをソロで弾き始めます。これは…。
「斑人間」でした。今回聴けると思ってなかったので、とても嬉しい!
あのノリノリの表拍のサビ最高です。曲展開変態すぎます。
そして、その後まさかの「zephyr」、これも聴けると思っていなかったので狂いました。「苦しめた君の忘れ様の無い…」の部分では観客に訴えかけるような目線で歌う京さん。ここからライブはクライマックスへと突き進んでいきます。
続いて、今回一番聴きたいと思っていたsukekiyo史上最も美しいと言っても過言ではないピアノバラード「憂染」。これで”うそ”と呼びます。この曲は失恋をテーマにした歌詞なんですけども、本当に素晴らしいメロディも相俟って心に刺さります。
「窓際に置いた 貴方はもう動かない笑顔のまま
誰かのものへと変わる心 愛してもいい?」
この部分の歌詞が大好きで、京さんの描く歌詞の中でこんなに親切にファンの私たちでも分かるような言葉選びをしている曲は珍しいです。
映像の演出もそれまでの退廃的な雰囲気とは打って変わって、美しい青空や波が寄せる浜辺などの清々しい映像が映されていました。(初見の友人は異常叙情ハードコアだね!と言っていました、まあ言えなくもない)
ダークで救いようのない楽曲が並ぶsukekiyoのセットリストの中で一抹の清涼剤となってくれていました。感無量です。
そして、これまた最強の一曲「ただ、まだ、私」。もう言葉が出ません…!
↑完全にコレもんでした。
この素晴らしいバラード3連単に涙し、本日のライブの勝利を確信していた私でしたが。ここでその余韻を打ち破るように不穏なミニマルビートが鳴り始めます。
「INFINITIUM」の一曲目を飾る「偶像モラトリアム」で締めでした。
一定の間隔で繰り返される無機質なビート、ヴォコーダーで加工されながら、信仰対象への禁断の恋慕を綴る歌詞。
そして、ラストの「末期症状」「末期少女」のリフレイン。
もう完璧にガンギマリ状態の中、恍惚の表情を浮かべながらスクリーンの中を乱舞する京さん。その最中、紗幕にエンドクレジットが流れる演出。鳥肌バチバチの中終幕。退出するメンバー。拍手喝采。
最高でした。いやマジで。脳汁出まくりでしたね。
まだまだコロナの情勢はいい方向に向かっているとは言えませんし、大手をふるって「ライブに行く」ということは言いにくい状況ですが、気を付ける部分には十分に気を付けて、応援したいアーティストの公演にはできるだけ足を運びたいなと思っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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