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「孤独な一昨日から来てる男」C.O.S.A.を聴く
はい。
めっきり寒くなりましたね。
これを書き始めたときは10月だったんですけど、朝起きたときとか暖房を入れ始めました。
少し前までは職場へ行く時もまだ半袖ポロシャツで良かったんですが、セーター引っ張り出しました。寒いもん。
寒くなってくると聴きたくなってくる音楽が沢山ありますね。北欧メタルとか北欧メタルとか主に。(OPETHとかAmorphisとか大好き)
全く北欧メタルではないんですが、これも寒くなってくると聞きたくなる曲の一つ。
C.O.S.A. - 1AM in Asahikawa
「午前1時の旭川」の名の通り、イントロが鳴った瞬間から冷えた夜の空気が流れ込んでくるような体感を覚えます。
粉雪が降る街
声が枯れるほどにShoutしてた
そこにはFake Loveも存在してたよな
「まあ確かに」と口癖が出る
口が滑る
この曲の冒頭の歌詞なんですけど、厳つい見た目と裏腹に自嘲的に語り始めます。
僕が日本語ラップを好きになる前のイメージって
もっと自信満々というか
たくましい漢たちが跋扈している。
そんなギラギラした世界観ってイメージでした。
それは間違ってないけど、全てではないんだなと今は思います。
俺は知ってる
俺は誰かを傷付ける
良かれととった行動が裏目に出る
誰も俺を知らない雪の街で空気を吸うと
不思議と落ち着いて肩の荷が降りた
雪が降る夜、ライブ終わりにクラブを一人離れて
物思いにふけりながら白い息と共に雪道を歩く…。
めっちゃ渋いやん…。かっこいい…。
この曲には孤独を歌う哀愁と自分を顧みることのできる成熟したマインド、そしてまるでそこに北海道の寒空が見えるような情緒があります。
今回は存分にフロム愛知県は知立一番のTOUGH。
C.O.S.A.について拙文垂れ流していこうと思います。
魅力その①デカくてかっこいい
先ずこれですね。
太っている、デブとかってなんだか普通後ろめたい気分になるものです。
(少なくとも私はそうでした。)
なんですけどCOSA氏は違います。
見よ、この堂々とした佇まいを。
曲中でもその恵まれた体躯に誇りを持っているようなリリックがバンバン出てきます。
中でもこの曲。
C.O.S.A. - TWINZ feat.WELL-DONE
俺は血統書付きのBIG
愛知山のDNA
今も潮風を嗅ぐと佐久島の血が騒ぎだす
名古屋の殿様のようでサモア人みたいな二頭
~
ライブ前行く地元の居酒屋
会計ドン引きするオーガナイザー
この他にも「お前先輩の飯食えねえのかって話」など大食漢すぎるパンチラインが目白押し。愛知山って力士のことでしょうね。
私も日々、サモア人のような上腕二頭筋を目指してトレーニングに邁進しております。(もっとやるべきことがあるような気もしますが)
更に言うとめちゃくちゃお洒落です。毎回センスフル。
これは昨年末、SUMMITの特番に出演していたときのやつ。BAPEのパーカー超可愛いですね。
これNIKEとDRAKEのコラボブランドであるNOCTAのベストを着てますね。
ちなみにこんなん。↓
こんなん着こなせんて…。防弾チョッキやん。
あと完璧に余談ですが、COSA氏がよく着ているSTONE ISLANDが気になって私も欲しい!なんて調べてみたらめっっっちゃ高い。
薄手のナイロンジャケットで10万近くします。なんやねんナイロンメタルって…。
さらっと歌詞の中にMONCLERなんかも出てくるあたり、なかなか稼いでおられますね。
魅力その②光る知性と不器用な優しさを感じるリリック
もちろんルックスだけを見て憧れているわけではございません!
C.O.S.A.X KID FRESINO - Swing at somewhere feat.コトリンゴ
こちらは彼のプロップスを全国区まで押し上げることとなったKID FRESINOとの共作アルバム「Somewhere」の中の一曲。
このアルバムのリードトラック「LOVE」も言わずもがな素晴らしいのですが、私が推したい一節はこの曲のここ。
俺はLike Sinatra しかしフランクではない
仲間以外に回す愛は持ち合わせない
でも一つ越えたStreetにも今日くらいは
ざっと幸せが雨のように降ると良いな
勤勉でできる限り善良で 気遣いのある人たちは踊ってくれ
傷を負い罪を背負ったその体で いつも孤独を引きずる人も加わってくれ
街がパーティーで忙しいところ悪いんだけど
俺とフレシノとJのステップを見てくれよ
1,2 and 3 and 4 手を引いて愛しい人
…
やばいですよね。
もう先ず、ライクシナトラ、しかしフランクではないの時点でしびれます。
でも楽しい夜、幸せなひと時を過ごしているときは
見知らぬ誰かも健やかであればいいなと、平和であればいいなと思ったりするものですよね。
それをこんなに雄弁に、それでいて陳腐にせずに描いている。素晴らしい。
JJJの賑やかなトラックも相俟って、ついつい頬が緩んでしまいそう。
C.O.S.A. - Cool Kids
そして、目下最新のシングルであるこの曲。
https://fika.cinra.net/article/202001-cosa_kngsh
このインタビューを読んだ上でこの曲を聴くと
彼の大きい背中が寂しげに見える。そんなような気がします。
知らず知らずとすり減る 心は消耗品 誰だって同じ 傷付けた分 倍で傷付く
気にしないことができれば悩まずにいる まだ手探りのcool kids
足を止めない人混みの中 うまくやれない自分を重ねた 茨の道を経て心は凍る いい思い出だけが俺を溶かす
痛みを知る者にしか書けないリリック、タフなラッパーはごまんといますが軟弱にならずに、且つ感情に寄り添ったリリックが書ける人物はそういません。
山口のBUPPON氏なんかもこれに当てはまると思います。
今年出したアルバムとてもかっこいいです。
BUPPON - I'll
やっぱりDIR EN GREYを聴いて育った我々としては内省的な歌詞に惹かれるんですよね。オラオラしたやつよりも。
魅力その③ライブがやばい
最後にこれ。
HIPHOPのライブはまだあまり行ったことがなくて、あまり多くのラッパーのライブを見てきたわけではないです。
なんですけど、個人的に微妙だなと思ってしまうことがあって、声まで同期で全部流したりしてるのを見たりすると萎えてしまうんですよね。
(ここらへんは分かってねえな!って言われたりしちゃいそうですけど)
サビのフックの部分くらいなら、皆で歌いたいし、煽ったりしたいから流してもいいのかなと思いますけど。
やっぱバチバチですよね、期待を裏切らない。
声量もやばいし、迫力あります。
こないだ渋谷のkineticsのオープンイベントで初めてCOSA氏を見に行ったのですが、本当に最高でした。感動した。
1stから知立babylon child、wassupもやってくれてめちゃくちゃアガりましたね。
曲間のMCも紳士的な感じで非常に好き。
C.O.S.A. - Girl Queen
中でもセットの最後に必ずやるであろう大名曲Girl Queen。
イントロが鳴った瞬間に場内が暖色の灯りに照らされるような、心から温かくなるような、大切な人に捧げる至高のラブソング。
Yo Yo Ma 君にグラスを掲げるぜ
Queenとして扱う
俺はKnight シベリアのMink
絨毯はペルシア
名前の由来探しに行こうぜ シチリア
生涯所帯を持たなかったルチアーノみたいに
君にとってボスでTeflonな首領
忠誠の伝え方ならルカ
この身を捧げる下心は隠せねえぜ タッタリア
もう全部ここに載せてしまいたいくらいに極上の比喩表現で彩られた歌詞、ゴッドファーザーなんかで出てくるようなゴージャスな名詞も、Aru-2の値千金のビートもこの曲を黄金に染めるのに買っています。
どのパートも素晴らしいのですが、私が一番好きなのはここ。
~
なのにレースからすけた肌
風が吹いたスカート
俺たち中身ばかり知りたがる
笑ってあしらう仕草すらNastyだね
君がモンローでそして俺がJFK
男の助平さ、愚かなところを描くときってどうしても嫌らしさが出てしまう、それをこんなに洒落た表現にできるもんなんだと衝撃を受けました。
全部お見通しの上で付き合ってくれる女性の偉大さ、優しさも感じます。
ラストのモンローとケネディの下りもクールすぎる…!
タフでありながら、優しさと知性を兼ね備えた唯一無二のリリシストだと思います。
この文章を書きながら思ったんですけど、マジで私この人のこと好きすぎるぽいですねww
最近Instagramで新しいアルバムのRECが全て終わったというポストがあったので、本当に楽しみだな…待ちきれないです。
Kineicsのときにやってた「BLUE」って名前の新曲もめちゃめちゃ良かったし、確実に今年のベストになるだろうな…と。
最後にこれまた好きな曲を貼ってお別れです。
廃盤になってた「Chiryu-Yonkers」再発されたので、買えたの嬉しかった。
C.O.S.A. -Wassup
居心地のいい場所、受け入れてくれる小さな場所
大事にして大事なもの、手放してないか確かめる