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薬事委員会って何でしょう 【こちら覆面DI室 #010】
DI室に薬学部5年の実習生が来ると、
必ず「薬事委員会って何でしょう」という問題を出すんですよ。
で、これが全然知らない。
「薬剤部の運営方針を決定する」
「薬機法にのっとり医療が行われているか審議する」
「麻薬などの管理が正しいかチェックを行う」
「薬剤師の人数が適切かどうか確認する」
こんな答えが出てきます。
(本当ですよ)
結局、大学の授業で「薬事委員会」という
キーワードを教えていないんですよね。
「新しい薬を採用したり、副作用報告を行ったりする」
こんな答えが模範解答でしょうか。
では、病院に薬事委員会を設置すべき事はどこに記されているか?
日本医療機能評価機構が認定している、病院機能評価の評価項目の中に
「薬事委員会が適切に機能している」
があります。
更に下位項目として
「新規採用薬の適否を検討し採用医薬品の品目削減を併せて行っている」
「医薬品の適正な使用基準を検討している」
などがあります。
病院機能評価の評価項目にあるということは、
薬事委員会を設置して適切に機能していることが、
あるべき姿であるといえます。
ちなみに、薬学の実習コアカリキュラムの到達目標の中に
「医薬品の採用と使用中止の手順を説明できる」
という項目がありますので、
これをクリアしないと実習単位がもらえません。
だから6年制薬剤師って、
薬事委員会のことを勉強してきていることになるんですよね。
「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。
そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。