歓迎されていたのか? 【こちら覆面DI室 #049】
東日本大震災のときのお話しです。
筆者も当時、福島県の郡山市や田村市などに、
支援へ行かせていただきました。
いま思い出してみると「支援」なんてとんでもなく、
勉強させていただくことの連続でした。
災害の講演会で聴いたのですが、
過去の災害医療の現場では、医療従事者は重宝されていて、
どのような場面でも歓迎されていたとのこと。
しかし、東日本大震災では、
必ずしも歓迎されているとは限らなかったそうです。
それは医師でも看護師でも薬剤師でも。
山間部に支援に行ったDMATが悪天候で遭難し、
別のDMATに助け出されたような例も挙げられていました。
災害医療とは何かを知らずに、好奇心だけで向かった医療従事者は、
現場では歓迎されていなかったのかもしれない。
そんなことを考えてみて、
災害医療の現場で無力な経験をしてきた方々は、
ぜひとも継続的に災害医療の勉強をして欲しいとのことです。
災害時に病院で最初にすることは、帰ることができる患者を帰すこと。
そして被災者受け入れの準備をします。
病院のスタッフは、どんな事態がやってくるかわかりませんから、
病院の中での活動が最重要です。
それでも余剰がある場合に、被災地へ派遣されるべきとのことでした。
筆者は派遣ではなくボランティアでしたが、
はたして歓迎されていたのでしょうか。
この問題で思うことは、
継続的に災害医療のことを考えていかなきゃいけないな、
ということですね。
「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。
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