健康保険財政に対する提案 降圧剤に関して
初投稿です。
これから政策に関する提案を色々行っていきたいと思います。
私は55歳まで製薬会社で新薬開発に係わってきました。その中で自ら開発に携わった医薬品でこれはまずいのではないのか?これは厚生労働省に問題があるのではないか?これはいわゆるマスコミに登場する専門家がミスリードしているのではないか?法規で決まっていることの宣伝不足から国民に周知できていないことが多すぎると感じてきました。
その内容に関しては自分のブログなどで表明してきましたが、それではあまり伝わらないのでは無いかと思い、noteにブログを書いたときからの変更も含め書いていきたいと思っています。
第1回は「降圧剤」は本当に必要なのかという提案です。これは詳細は2020年12月22日に公開された「保険財政改善への提言、高血圧症治療の降圧剤は保険適用対象者を絞るべき」に書いたところですので、要点だけ書きます。
・高血圧症の治療目的は将来の脳・心血管障害の予防が主なものである。
・健康保険は疾病の予防に対して保険金の償還を行わない。
(インフルエンザワクチンなど)
・収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHgの基準は将来の脳・血管障害のリスクから定められているが、実際に収縮期血圧が130mmHg、拡張期血圧80mmHgの群で脳・心血管障害の死亡数は最も多い。(これは母数が多いからで、リスク(推定死亡率とここでは理解しやすいようにたとえで話をしています。統計学的に求められるリスクは別の解釈で認められます)この理由はリスクは低いが130mmJgの人口は多く、140mmHgの人口は少ないからです。
・現在130mmHg以上mmHg未満の人には、データを環境庁に届けてホームページで公開されれば、表示が許される機能性表示食品のコマーシャルがたくさん流れています。また、データを環境庁あるいは厚生労働省が確認の上、表示が許される特定疾病用食品の表示をとったものもあります。
・提案は、他の症状を持たない高血圧症の人々には特定疾病用食品を取るように医師が処方箋で進めることをです。
・医療用医薬品に関しては重篤な副作用の発生率が高い物はほとんどありません。従って、OTC医薬品にして、医師は高血圧症と判断した場合にはリスクを説明して、薬局で購入すべき薬剤を処方箋にて推奨するということです。
上記の提案によって現在高血圧症に使用されている薬剤が保険では償還されなくなります。定期的に医師への訪問を実際に診察に重点をおき、薬をもらいに行くだけでは病院の収入にはならなくします。
もう一つの提案は24時間血圧による今までのデータの見直しです。スマートフォンで血圧を測定できるようになっています。問題になるのは、スマートフォンの血圧測定が流速からの推定値であり、医療機器として認められている血圧計は圧力をかけて血流の音が変わることによって測定しています。
スマートフォンで不整脈の測定は医療機器としてFDAでは承認され、日本でも厚生労働省が認可すれば医療機器として用いる事ができます。また酸素飽和量は肺炎の病勢を知るためには重要な指標でこれもスマートフォンで測定できます。このことから血圧もスマートフォンで測定した値で治療経過を負うことを認めることを提案します。
さらに現在の高血圧は一定の時間における血圧を指標にしています。24時間血圧は機器の問題から、研究が遅れています。1日の血圧変動は、今はやりのことばでいえば「体内時計」によって変動します。その変動は不眠症などで乱れることも知られています。また、体内時計のずれが病気につながることを仮説として提案している人もいます。
24時間高血圧をどのようにして見るかに関しては、これから研究の余地がありますが、そのデータはスマートウオッチの血圧を医療機器に承認することにより、デジタル化した形で入手可能になります。まず、横断的な疫学試験を行うことにより、24時間血圧の変動を加味した場合に脳・心臓血管のリスクがどう変化するのを見て、仮説を立てる必要があります。この仮説は現在の「血圧が高いほど脳・心臓血管病のリスクが高まる」という仮説を補強するか、新しいバイアスを発見するかになるかと思います。
研究に用いる場合には、医療機器として承認を受ける必要が無いような気もしますが、圧をかけてみる方法との比較がその研究のなかで行う必要があるので、医療機器としてその問題を解消しておいた方がいいという考えです。