小話:3betレンジが見えないわけ

ポーカースタジアムやオンラインポーカーをしている人のTwitterを見ていると、たまにこんなツイートを見かけます。(実際のツイートとは異なります)

何でプリフロ3betしてるのにわけわからんハンドでコールしてくるんだよ。それでこっち滑って向こうはストレートやフラッシュになるとか、理不尽だわ。

気持ちはわからないでもないですが、そもそもどんなハンドを使うかは自由なわけです。マイハンドとかある人もいますし。

この内容で気になるのは、「何で3betしてるのにわけわからんハンドでコールしてくるんだよ。」という部分です。

おそらくツイートしてる人は、オープンレンジ(プリフロップで自分からレイズで入る)と3betレンジ(プリフロップリレイズ)が以下のような感じで何となく定まっているのではないかと思います。
(ポカスタ用に割と広めに設定しています)

↑オープンレンジ

↑3betレンジ

で、この人が3betした場合は基本的にオープンレンジに比べてハンドを絞っているわけですが、基本的に3betに対してコールする場合、それはコールする人の3betレンジとは一致しません。

①そもそもがオープンレンジである
仮にAさんとBさんが全く同じ上記レンジを使用していて、3betシチュエーションを

「アンティなし、SB-BBが100-200、Aレイズ600に対してBリレイズ2000、他フォールド」

だったとします。この場合、レイズ600の時点でAさんがオープンレンジに基づいてレイズをしているならば、Bさんからのリレイズ2000の時点でポット2900に対し1400でコールできるかを考えることになります。オッズは2900:1400なのでおよそ2:1、勝率としては33%でいいのです。

3betレンジに対してオープンレンジの勝率は40%程あるので、オッズ的にはコールが可能です。

いや、わけわからんハンドで3betコールしてくるって話なのにAAとか入れちゃダメでしょ。

と思った人がいると思います。




案外オッズ合うんですよこれが。
3betレンジハンドを除外したオープンレンジで33%くらいなら意外と問題ないのです。

もちろん、ハンド単位で見て相性が悪いケースもありますが、そもそもプリフロップ時点でクローズハンドを評価するのに特定のハンドの組み合わせを考えることはナンセンスなのです。3bet側がAAだろうが66だろうが、3betしたこと以外は相手に伝わらないのです。(ベット額の差とかは考えられるかもですが)

そして、最終的には全てが開いた状態からプリフロップの行動を逆算してしまうので、自分のハンドとの強さの開きで理不尽に感じてしまうわけです。


②オリジナルレイザーじゃない
「レイズに対してリレイズしたらコールが入った」というケースは、コールしたのがオリジナルレイザーではないケースがあります。この場合、3betレンジから基本的に強ハンドしが出てこないのがわかっていれば、投機的ハンド(極論は23o)でコールしていることも考えられます。

例えば、相手の3betに対して68スーテッドでコールしたとします。フロップがAT9の該当スートなしなら以降ベットもコールもする必要が無いですし、AT8だったとしても3betレンジを考えれば8ヒットが心もとないのがわかります。

逆に、フロップ579だったり66Jのような形がくれば、相手はオリジナルである以上コンティニューベットしやすいですから、予定外の角度で殴りつけることができます。

結局は相手と被っていなければ、フロップ時点で絡まない限りはほぼ勝ち筋がなくなるので無理をする必要が無いのです。これを前提として、3betまでをリスクとしてフロップ以降のリスクを削ることができるのが、投機的ハンドでコールするメリットです。


③根本的にレンジの概念が通じない
ポーカースタジアムにはありがちですが、そもそも「3bet=レンジが狭くなる」が前提にないプレイヤーは、今までの話が通じません。A1枚でプリフロオールインをコールできる人もいますし、マイハンドほならとりあえずコールという人もいます。

結局このあたりは同卓している中で見極めていくしかないので、経験がものをいうことになります。


とりあえず、わけわからないハンドに見えるものの理由としてはこんな感じかと思います。

最後に、私が以前受けたありがたいお言葉を置いておきます。

「プリフロオールで負けるのは運かもしれないが、フロップ以降の負けはコールする理由を与えた自分のミスだ」


今回はここまで、ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?