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🇩🇪【ネタバレ注意】「アドルフに告ぐ」を語りたい

手塚治虫先生の名作「アドルフに告ぐ」について語りたいです。

↓以下、読了当時の感想
「アドルフに告ぐ」を読み終わった。3人のアドルフと狂言回しの峠草平が「ヒトラーはユダヤ人だ」という秘密文書をめぐる運命・・・

当時、ドイツはヒトラー一色であり、誰もナチスには逆らえなかった。

カウフマンとカミルは最初友人同士だったのに、いつしか憎み殺し合う関係になったのが物悲しい。

本作はナチスドイツ問題だけではなく、戦後のパレスチナ問題についても触れている。民族が、種族が違うというだけで殺し合わなければならない。カウフマンがヒトラーユーゲントになってからはアーリア人至上主義に目覚めて歪んでいく。

この作品を読んだ人がパレスチナ問題に真摯に向き合って欲しいと思う。将来に渡って残してゆきたい大作だ。

やはり手塚先生は偉大だと思う。本作は大人向けに描かれたのでいつものギャグが控えめなシリアス作品となっている。

「・・・・『アドルフに告ぐ』は、ぼくが戦争体験者として第2次世界大戦の記憶を記録しておきたかったためでもありますが、何よりも、現在の社会不安の根本原因が戦争勃発への不安であり、それにもかかわらず状況がそちらのほうへ流されていることへの絶望に対する、ぼくのメッセージとして描いてみたかったのです。
もう戦争時代は風化していき、大人が子供に伝える戦争の恐怖は、観念化され、説話化されてしまうのではないか。虚心坦懐に記録にとどめたいと思って『アドルフに告ぐ』を描きました。なかでも、全体主義が思想や言論を弾圧して、国家権力による暴力が、正義としてまかり通っていたことを強調しました。・・・・」
(「ぼくのマンガ人生」 手塚治虫 岩波新書 1997年 p92~93)

〇アドルフに告ぐ公式サイト
https://tezukaosamu.net/jp/manga/14.html

〇【海外の反応】アドルフに告ぐ
http://www.kagerou.biz/archives/4706831.html

#アドルフに告ぐ #手塚治虫 #パレスチナ問題 #海外の反応

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