だから私は、刀剣乱舞の大包平というキャラクターを[童子切安綱]と呼ぶことにした。
大包平というキャラクターのセリフは、確かに名前や経歴が合っているけれど、大部分のセリフが大包平に縁も逸話もない。
本体刀剣の擬人化のはずなのに、刀剣の大包平の個性、固有性がないセリフばかりをいう。
固有の刀でありながら、縁も逸話も関係ないセリフはどこから出てきたものだろう。
ゼロから生み出すならなら、もっと作りやすい刀を採用すればいいのにと思う。
そんな不満を抱きながら、さらにセリフを紐解いていくと、なぜか最後は童子切が見えてくる。
どのセリフを考えてみても童子切。
ゲームでアニメで舞台でミュージカルで、描かれる行動理由を一つ一つ考えていくと、どれも童子切に行き着く。
むしろ、なぜ今まで大包平だと思えていたのか分からなくなるくらい童子切になった。
これはもう、刀剣乱舞の大包平というキャラクターは「童子切安綱」であると考えた方が納得しやすい。
あのキャラクターが童子切であるならば…
私の好きな刀剣 名物大包平を「一度も戦った記録がないはずなのに、実績ある刀剣に劣等感をぶつける大言壮語なキャラクター」だと悲観せずに済むのだ。
そう、とうらぶの大包平は童子切だから…
逆に刀剣の大包平らしいところってどこだろう?
……………………。あまり思いつかない。
自信家や不屈の精神など
キャラクターの属性は思いつくけれどそれは「作られたキャラクター性」であって、モチーフである刀剣の大包平らしさじゃない。
戦いに前向きなところも
自分より優れたところを追い抜こうとする姿勢も
人に報いようとする気概も
どれも刀剣の大包平とは結び付かない。
刀剣の大包平は「何かをした」記録はない。
だから戦いに、自分に、人に、何もしない。
だけど出来よく美しく、状態良く在り続けられた。
そんな刀剣だと、学んで思った。
対して刀剣の童子切はいろいろ記録がある。
安寧のため、人と共に、武功を重ね、そして評価されてきた。
そんな刀剣だ。
だから、とうらぶの大包平が実は童子切だと考えたら、すんなり納得できる。
私が見たいのは刀剣をモチーフにしたキャラクターであり、とうらぶのオリジナル設定だからと言い訳せずにキャラクターを楽しめること。
オリジナル設定のキャラクターがいいなら別の作品に行けばいい。
でもまぁ、名前でなくセリフを見たら、なぜだか分からないけど別刃になってる擬人化刀剣が見えたので…。
……じゃあもう童子切でいいや。
わざわざ違和感を抱えて、しかしこのキャラは大好きな大包平だと思い込んで苦しむよりも、あれは童子切だからと考えた方が楽だから。
だから私は、刀剣乱舞の大包平というキャラクターを[童子切安綱]と呼ぶことにする。
……では、刀剣の大包平の擬人化はと考えると、鶯丸というキャラクターだと思う。
「ふくれで自己評価低いことを気にして同郷の刀を愛憎含んだ揶揄いをする年上のひねくれ屋」なんて思わなくていい。
武功名高い刀に対して、並び立つ実力から本気で揶揄えてプライドが高く自分の仕事は変わらず存在することだと言い切れる刀。
そう考えた方がセリフも、回想も、手紙も、派生の行動も、演出も、解釈も、すごく納得できる。
じゃあ私は、刀剣乱舞の大包平は「童子切安綱」で、刀剣乱舞の鶯丸は「大包平」だと、そう思うことにした。
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