銃刀法改正検討とか
新年あけましておめでとうございます。
記事のネタがなく、はじめましての記事から何もなく過ごしておりましたが、昨年末に銃刀法の改正の話題がありましたので少々。
安倍元総理の銃撃事件や、5月に発生した長野県での猟銃を使用した殺害事件を受けての改正を検討しているそうです。
手製銃対策と猟銃対策です。
手製銃対策については理解できます。
猟銃対策に関しては、大変な事件が起きるたびに厳しくなってきた経緯があり、更に厳しくなるのもどうかという思いと、それも仕方ない事かなとの思いもありますが、今回の改正案は眠り銃の扱いを厳しくする事と、ハーフライフルの許可基準を厳格化することが含まれるようです。
日本ではそもそも趣味で鉄砲をコレクションは出来ず、いつかは手放さなければならないですし、沢山猟銃を所持していても満遍なく使用していれば眠り銃の扱いに関しては特に問題はないですね。
問題なのはハーフライフルの許可基準を厳格化するという話で、「犯行に使われたハーフライフルに関しても、より厳しい許可基準が適用されるようライフル銃の定義を見直す。」との記載がありました。
ハーフライフルというのが北海道の初心者ハンターには必須の鉄砲でして、北海道内でも地域により色々でしょうが、シカ撃ちをするならばハーフライフル銃が無ければ話にならないのです。
ハーフライフルっていうのが何なのか説明しますと、弾(実包)自体は散弾銃に使う弾なので散弾銃なのですが、ライフルと言うからには銃身に螺旋が刻まれていまして、ただそれだとライフル銃になってしまいますので、ライフル銃に含まれないよう銃身内の半分の螺旋を削ってハーフライフリングにしてしまったのがハーフライフル銃なのです。
ハーフライフルに使う弾は『散弾』ではなく『単弾』で、一般的にはハーフライフル専用のサボットスラッグという弾を使うことと思いますが、銃の種類的には、『ライフル銃』ではなく『散弾銃』でもなく『ライフル銃及び散弾銃以外の猟銃』という種類で『その他の銃』とも言われています。散弾も使用できるので、散弾銃で登録をしている人も中にはいます。
正確に当てるのが大変なスラッグ弾をライフリングで回転させて、遠くのシカに当てられるようにしているのがハーフライフル銃なのですが、遠いといっても100mから150mくらいが精一杯でしょうか。ライフル銃ですとその倍くらいの距離200mや300mくらいは同じくらいの難易度で当てられるといったところです。
ライフル銃を持てるまでは装薬銃を所持してから基本的には10年かかりますので、初心者がシカ撃ちをするには必ず散弾銃からスタートすることになり、ちゃんと獲れる道具ということになるとハーフライフル銃が必須なのですが、今回の法改正の案で「ライフル銃の定義を見直す」というのがどのような内容なのか。ただ単に所持することを厳しくするのであれば、北海道では増えすぎたシカを駆除することも目的に含まれるので説明が出来るでしょうが、もしもハーフライフルの猟銃をライフル銃の扱いにしてハーフライフル銃を所持できなくしてしまったら、100m先のシカを仕留めるのも非常に難易度が上がり、初心者はほぼシカを仕留めることが出来なくなるのではないかと非常に心配です。
有害鳥獣の駆除を推し進めているのは警察ではないので関知しないでしょうが、一方ではハンターを増やして沢山シカを獲ってほしい、近頃ではヒグマを獲れるハンターを増やしたいといい、一方では猟銃の所持を制約しようとするのは、私たちハンターやこれから狩猟を始めたい有害駆除をやりたい人はどうしたらよいのでしょうか。
どのような内容で法改正をしようとしているのか詳細が分からないですが、犯罪や事故を起こすのは道具ではなく人ですので、事件事故を起こさないためには、どのような運用方法が考えられるのかを議論して頂きたいです。
追記:他の記事で、ハーフライフルの所持要件をライフル並に厳しくする方向とはっきり記載されてますね。警察官が殺害されてますので、本気で警察を怒らせてしまったようです。これは大変だ。法施行までに今ハーフライフルを使ってる人は平滑銃身の猟銃を追加してハーフライフルを抹消することになるのか。有害駆除の従事者はなにかしら特例がありそうだけど今後が心配です。若いハンターは辞める人が出てきますね。
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