【R-ACE】《沼地のドロゴン》懐疑派による「ラドン型」考察Vol.3(罪宝ギミック登場編)【遊戯王】
はじめに……そして注意書き
おはようございます。私はディナーベルと呼ばれている者です。
『エイジ・オブ・オーバーロード』が発売されて一週間が経ちましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
早いもので、このシリーズも3本目となりました。もし以前の記事をまだお読みでない方がいらっしゃいましたら、以下のリンクからお読みください。
ラドン型【R-ACE】の構築理念、展開例(エアホイスター1枚初動、ハイドラント1枚初動、ワン・フォー・ワン初動など)、ゲームプランなどといった基本的な情報が載っています。
特に実績は残していない一般決闘者の戯言から始まったこのシリーズでしたが、環境の変遷というのは不思議なもので、今やラドン型【R-ACE】は「R-ACE」というテーマを語る上では外せない存在となっています。
ツイッター上ではオライオンの採用枚数やEXデッキの構築についての議論が飛び交い、つい最近では「このnoteを読んでラドン型【R-ACE】を組みました!」という方がネクストプレイ杯で優勝するという、私としては飛び上がるほど嬉しい出来事もありました。
このような状況を迎えて、これまでの活動が無駄ではなかったことに心がポカポカしております。外の気温は暖かいを通り越して大変なことになっていますが。
とはいえラドン型【R-ACE】がガチ勢の方にも認知され、それを題材にした記事や動画も増えてきた中で、「自分のような一般人が新しく記事を書く意味ってあるのかな……?」と思い悩んだりもしていました。
以前の記事でも度々言及していますが、私は最寄りのカードショップが電車で数十分というとんでもない山奥で暮らしているため、基本的にはDiscordを介したリモート対戦からでしか、自分の構築やプレイングに対するフィードバックを得られません。
実際のところ身内(【ティアラメンツ】や【ラビュリンス】、【神碑】などを相手にしています)に対する勝率は高いので、構築の強さやプレイングの精度に自信はありますが、やはり「ほにゃららCS優勝!」のような実績が無い以上、「この構築が最善です!」とは口が裂けても言えませんし、プレイングの解説などに説得力を持たせることも困難なのです。
しかし先程述べた、私の記事の読者がネクストプレイ杯で優勝した出来事が、私に再び筆を執るきっかけを与えてくれました。
この出来事を通して、一般人の自分の記事でも環境に影響を与えられるのだと知り、また私自身どうしても皆さんに共有したい情報があることに気が付き、そして曲がりなりにも4月からラドン型【R-ACE】を使い続けてきた自分にしか伝えられないこともあるという確信を得たからです。
実際の環境的評価はガチ勢の方にお任せしますが、この記事の内容が皆さんの構築の参考になれば幸いです。
……またしても自分語りが長くなってしまいましたね。それでは本題に移りましょう。
今回は現在ラドン型【R-ACE】でメジャーとなっている“ライトニングマスター型”の解説をした後、新弾である『エイジ・オブ・オーバーロード』を迎えて変化したラドン型【R-ACE】の構築の内容に焦点を当てつつ、新弾の目玉である《黒魔女ディアベルスター》の活用法、およびそれを用いた展開例について解説していきます。
相変わらず結構な情報量ですが、是非お付き合いください。
それから、前回同様この記事にも有料部分が設定してありますが、上で述べた主要部分(約13000字)は全て無料で読めます。ご安心ください。
有料部分(約2500字)では、私が気分で入れたり抜いたりしている【R-ACE】用オタクカードについて述べています。
これまでの記事と合わせて「参考になったので投げ銭したい!」という方、「これからも【R-ACE】でヤンチャしていきたい!」という方はご購入ください。励みになります。
第1章 ”ローランサベージ型”と”ライトニングマスター型”(新弾前の振り返り)
千分一見にしかず。
まずは私が記事投稿日現在使用している構築を載せます。
新弾前とはすっかり構築が様変わりしましたね。それだけ今回登場したギミックが強力である、ということなのですが。
とはいえ、構築理念はこれまでと一切変わっていません。
《幻獣機アウローラドン》から《幻獣機オライオン》をリクルートし、《焔聖騎士導-ローラン》を介して《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をシンクロ召喚することで、エンドフェイズに《R-ACEインパルス》をサーチ。
これにより、サベージの万能無効効果とインパルスのリクルート効果を構えることを目標にしています。
ラドン型の中でも“ローランサベージ型”とでも呼称するべきこの構築は、最初こそ注目を集めたものの、すぐに別の型に取って代わられることになりました。
【R-ACE】有識者ならご存知であろう“ライトニングマスター型”の登場によってです。今やラドン型【R-ACE】の入賞レシピは、ほぼこのデッキタイプによって独占されていると言っても過言ではありません。
Ⅰ. ”ライトニングマスター型”について
とはいえ詳しく知らない方のために、一応この“ライトニングマスター型”についても解説しておきましょう。
【R-ACE】の展開力を利用して《幻獣機アウローラドン》をリンク召喚するところまでは、通常のラドン型(利用者数を鑑みると、もはやどちらが通常のラドン型であることやら……)と変わりません。
しかし、“ローランサベージ型”が最終盤面にアウローラドンを残してしまう(展開リソースとして使い切れない)のに対し、“ライトニングマスター型”はリクルート効果のコストとしてアウローラドン本体をリリースし、幻獣機トークンを使い切るように展開します。
具体的な手順としては以下の通りです。
この型の強みは、なんといっても場にアウローラドンというバニラ同然の置物を放置せず、2種類の強力な妨害を用意できる点にあります。
特に《虹光の宣告者》の存在が大きく、【ラビュリンス】や【ティアラメンツ】、【烙印】などといった墓地利用デッキが跋扈する現環境においては、何気なくテキストに記されている手札・デッキからの墓地送りを阻害する①の効果が非常に強力です。
攻守自体は600/1000と吹けば飛んでしまう程度ではあるものの、これを退かすためだけにバトルフェイズを挟むということは実質的にメインフェイズ1を放棄することと同義であり、高速化した現代遊戯王においては著しいテンポアドバンテージを発生させてしまいます。
相方である《F.A.ライトニングマスター》は、無効化できる範囲こそ「魔法・罠」と若干狭いですが、そもそも【R-ACE】はモンスター効果には非常に強く、怖いのは《ハーピィの羽根帚》や《拮抗勝負》のような魔法罠のため、それを補うことができるというだけで十分なのです。
私がこの構築を始めて見たときは「オライオンだけでもギリギリなのに、ジェット・シンクロンまで入れたらストレスで爆発してしまうのでは?」と杞憂そのものな考察をしていましたが、結果は入賞リストの数々が示している通りですね。
私自身、ラドン型【R-ACE】がより多くの人に知られ、構築を進化させてもらうことを目的のひとつとしてこのシリーズの投稿を始めたので、大人しく“ローランサベージ型”を脱し、ガチ勢も認めた“ライトニングマスター型”を組もうと考えていました。
……もう誰もローランの効果でインパルスをサーチすることはないのだ、ということに一抹の寂しさを覚えながら。
Ⅱ.《黒魔女ディアベルスター》がもたらしたもの
そんな心境で迎えた7月某日。世界が変わりました。
美人でスタイルが良く、私生活はだらしないというこれが嫌いなオタクいないだろというキャラクターデザインの秀逸さ……はここでは置いておいて。
チェーンブロックに乗らない緩い特殊召喚条件に加えて、《灰流うらら》に妨害されないサーチ効果、そして相手ターン限定ではありますが自己再生能力まで完備。
あらゆる方面で高水準を叩き出すテキストからは、「これが12期のカードパワーの基準だ!」というKONAMIからの熱いメッセージが感じられます。
このカードを含む「罪宝」ギミックが発表された当初から、各地で彼女を出張パーツとして利用しようとする動きが活発化していました。当然私も例外ではありません。
特に《原罪宝-スネークアイ》の登場は、これまでの【R-ACE】の構築を過去にすると言ってもよいほどの影響を与えました。
まさかの追加の《EMERGENCY!》の登場に驚いた方は多いでしょう。
私も初めてテキストを読んだときは驚きのあまり椅子から転げ落ちました。
【R-ACE】で対応しているモンスターはハイドラントのみですが、《ピリ・レイスの地図》などで無理矢理初動の枚数を確保していたことが遠い昔の出来事に感じられるほどのパワーカードです。
加えて”ライトニングマスター型”では《ジェット・シンクロン》もリクルート対象になるので、実質的に追加の《ワン・フォー・ワン》として扱うことができます。
【R-ACE】の展開ルートの中でも、妨害の踏み方が酷く、二の矢不足にも悩まされていたエアホイスター初動は、このギミックのおかげで使い勝手が大幅に改善しました。
エアホイスターの通常召喚に《灰流うらら》などの妨害を貰っても、それをコストにディアベルスターを特殊召喚するだけで貫通できるようになったからです。
とはいえ、この段階では私は「滅茶苦茶強力な”貫通札”が来たな」程度の認識しか持っていませんでした。
『エイジ・オブ・オーバーロード』の発売から数日後、通販から届いた実物で一人回しを始めてようやく「これは貫通札とかで収まるレベルのカードではない」と気が付きました。
強力すぎるテキストは、却って人間の目を曇らせるのです。
……それと同時に、私は”ライトニングマスター型”ではなく、手放しかけていた”ローランサベージ型”に再び光明を見出すことになります。
第2章 それでも”ローランサベージ型”を使う(デッキ解説)
前置きが長くなりましたが、ここからようやくデッキの解説です。
改めてデッキの画像を載せましょう。
前回の記事のリストから変化した点は挙げればキリがないですが、特筆すべきはやはり「罪宝」ギミックの採用と《虹光の宣告者》の採用でしょう。
《S:Pリトルナイト》も強力な新戦力ですが、こちらはラドン型のギミックとは関係がない、純粋なパワーカードとしての採用のため解説は割愛します。
特に、これまで”ライトニングマスター型”の専売特許のはずだった《虹光の宣告者》がどうしてEXデッキに紛れ込んでいるのか気になる方は多いはずです。
その疑問にお答えするべく……まずは前提となる《黒魔女ディアベルスター》についての解説から始めていきましょう。
Ⅰ.ディアベルスターの投入枚数について
このリストでは《黒魔女ディアベルスター》は3枚フル投入されています。一般的な構築では《罪宝狩りの悪魔》が3枚、彼女自身は1~2枚に抑えて投入されることが多いので、このリストを見て違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこのデッキにおいては《黒魔女ディアベルスター》本体がフル投入されなければならない理由が3つあります。
1つ目の理由として挙げられるのは、「インパルス⇒ファイア・アタッカー」のギミックの出力が大幅に上昇することです。
これまで初動や追加の手札誘発などを引き込むことを目的に利用されてきたこの2枚ですが、ディアベルスターの登場により、後攻0ターン目の展開強度の期待値がより高まりました。
理由は単純で、相手ターンにインパルスで引っ張ってきたファイア・アタッカーの効果でディアベルスターを捨てると、彼女の③の効果が誘発するからです。
そのままディアベルスターの②の効果を発動すると、相手はただサーチしただけなのにもかかわらず、こちらは2ドロー1ディスカードのおまけとして盤面に2体のモンスターとセットされた「罪宝」が確定します。
最近では「ディアベルスターの登場によって【R-ACE】にインパルスはいらなくなるんじゃないか?」という意見がちらほらと見られるようになりましたが、実態は真逆で、インパルスとファイア・アタッカーは最強を超越したパワーカードとなっています。
ファイア・アタッカーによってディアベルスターを捨てる確率を上げるためには、ディアベルスター自体の枚数を増やす他ありませんよね。これが1つ目の理由です。
2つ目の理由は、《罪宝狩りの悪魔》を積み増しする構築では、《罪宝狩りの悪魔》自体がデッキスロットを圧迫し、他の手札誘発を抜かなければならなくなることが問題となるためです。
【R-ACE】はテーマの固定枠が23枚存在し、残りの17枚に手札誘発などを入れてやりくりするデッキです。
私は2枚多くした19枚でやりくりするというズルをしていますが……それはそれとして、その自由枠にどのカードを何枚入れるのか、という判断の正誤がそのままデッキの強弱に結び付きます。
前のめりすぎる構築は、後手に弱くなることはもちろんのこと、せっかくの「インパルス⇒ファイア・アタッカー」の価値をも下げてしまうのです。
ファイア・アタッカーの2ドローを有効に使うためには、手札誘発はインパルス抜きで8枚は必要です。欲を言えば10枚くらい欲しいですが、そこまでデッキスロットに余裕はありません。
(私が掲載しているリストは常に42枚ですが、これはラドン型【R-ACE】が一番安定して回せるのがこの枚数だからという事情があります)
1つ目の理由がある以上、魔女自身は減らせません。結果的にサーチ先である「罪宝」を絞ることになりますよね。
そしてそのことがそのまま3つ目の理由に繋がります。
ラドン型【R-ACE】において、《黒魔女ディアベルスター》の重ね引きは強力ですが、《罪宝狩りの悪魔》の重ね引きはあまり強くないのです。
これは実際に回してみてから初めて気がついたことです。
仮にディアベルスターを2枚引いても、片方をコストにもう片方を特殊召喚することができ、《灰流うらら》に妨害されないサーチ効果で展開を回していくことができます。
後手でもインパルスが手札にあろうものならもうウキウキです。
ところが《罪宝狩りの悪魔》を2枚引いてしまった場合は、弱くはないものの少々困ったことになります。
速攻魔法とはいえ《灰流うらら》も《屋敷わらし》も刺さるサーチで、1枚使った場合、もう1枚はそのターン中は完全に腐ります。遊戯王において最も回避するべき事象、欠損の発生です。
何とも奇妙なことですが、「罪宝」ギミックはカードパワーが高すぎるあまり、サーチカード(罪宝狩り)よりサーチ先(ディアベルスター)の方がサーチカードとして有用という逆転現象が生じているのです。
以上の3つの理由から、《罪宝狩りの悪魔》はピン差しに留めて、《黒魔女ディアベルスター》本体をフル投入して素引きする確率を上げた方がいいと考えたため、上のリストのような採用比率となっています。
Ⅱ.「罪宝」ギミックの活用方法
枚数の疑問も解消したところで、いよいよギミックの解説に移りましょう。
《虹光の宣告者》もここで取り扱いますよ。
ギミックの「核」となるのは当然《黒魔女ディアベルスター》です。
私は初めこのカードのことを強力な”貫通札”だと勘違いしていましたが、その実態は「”貫通札”にもなる”初動”」でした。
まあ考えてみれば当然のことです。
彼女の①の特殊召喚効果と②のセット効果が連動している以上、このカードは実質《原罪宝-スネークアイ》であり、スネークアイからは【R-ACE】の初動となる《R-ACEハイドラント》が呼び出せるのですから。
挙動としては《ワン・フォー・ワン》に近いですが、こちらはモンスターカードだけではなく魔法・罠カードもコストにできるという点で非常に優秀……どころか完全にオーバースペックです。
その異様さを示す具体例として、以下の画像を見てみましょう。私が一人回しをしていた際に実際に引いてきた初手です。
「罪宝」ギミック、もといディアベルスターは、これまで【R-ACE】使いが怯え続けてきたテーマの魔法罠を大量に素引きする事故を過去のものにしてしまいました。
もちろん5枚すべてテーマの魔法罠なら動けませんが、そのような初手が来る確率はほぼ無いですから安心してください。仮にそんなことになったら笑顔でソシャゲのガチャを回すなり宝くじを買いに行くなりしてください。きっといいことありますよ。
そして彼女の②の効果でセットされることが多い《原罪宝-スネークアイ》についても解説しておきましょう。
基本的にはこのカードをセットしたディアベルスター自身をコストに発動し、ハイドラントをリクルートします。前回の記事で紹介した《ワン・フォー・ワン》を用いた展開がそのまま流用できますね。
しかし、このギミックの肝はそんなところにはありません。
ここで頭の体操の時間に入りましょう。
このカードのコストは「自分フィールドの表側表示カード」なら何でもOK。そしてラドン型、特に”ローランサベージ型”の【R-ACE】にはまだ使い切れていない展開リソースがあるのですが、皆さんはお気付きでしょうか。
《幻獣機アウローラドン》? それとも《幻獣機トークン》?
……ぱっとは思いつかないかもしれませんね。少し意地悪な問題を出してしまいました。
答えは《ヴァレルロード・S・ドラゴン》に装備されるリンクモンスターです。
サベージの①の装備効果と②の攻撃力上昇効果、そして③の万能無効効果はそれぞれ別の効果なので、装備カードが外れても万能無効効果は利用可能です。攻撃力が3000に戻るだけで済むということですね。
このことが「罪宝」ギミックとどのように関連しているのかといいますと、サベージを立てた後で装備カードをコストに《原罪宝-スネークアイ》を使うことによって、展開をさらに伸ばすことができるのです。
では、このスネークアイでリクルートするカードは何かといったら……1つしかありませんよね。《ジェット・シンクロン》の出番です。
私が”ローランサベージ型”に光明を見出した理由がここにあります。
これまで”ローランサベージ型”はアウローラドンを使い切れないことがボトルネックになっていました。インパルスがサーチできるとはいえ、このギミックから用意できる直接的な妨害はサベージだけだったからです。
環境の影響もあるとはいえ、2妨害用意できる”ライトニングマスター型”に取って代わられるのも当然のことです。
しかし、《原罪宝-スネークアイ》をセットしたまま展開をし、あえて《幻獣機アウローラドン》をリリースして《幻獣機オライオン》をリクルート。《焔聖騎士導-ローラン》を介して《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をシンクロ召喚した後、装備カードをコストに《ジェット・シンクロン》をリクルートすると、余った《幻獣機トークン》と合わせてレベル4のシンクロ召喚が可能になります。
……もうみなさんには、私が何を伝えたいのかお分かりでしょう。
「罪宝」ギミックの登場により、”ローランサベージ型”は《幻獣機アウローラドン》を残すことなく、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》と《虹光の宣告者》を両立させることができるようになりました。それも簡単に。
詳しくは展開例の章で述べますが、基本的には任意の初動(エアホイスターやハイドラントなど)と《黒魔女ディアベルスター》or《ジェット・シンクロン》の素引きという組み合わせで成立します。
”ライトニングマスター型”はジェット・シンクロンのために手札を切らなければならないことがウィークポイントでしたが、こちらの展開はエンドフェイズにローランのサーチで手札を増やしながら、墓地のジェット・シンクロンを次のターンの展開リソースとして温存できます。
追加でタービュランスを出したなら、自己蘇生してレベル9+レベル1で《フルール・ド・バロネス》を出すなりもうやりたい放題です。
《黒魔女ディアベルスター》は1枚だけのときは初動、他の初動と合わせて引いたときは貫通札兼上振れ札として使うことができるカードだったのです。いくらなんでも多芸すぎです。苦手なこととかないんでしょうかね。
注意点としては、あまりにもできることが増えすぎたせいでよりアドリブの練度が求められるようになったことでしょうか。ここまでくると、もはや固定ルートなどあってないようなものです。
以下の画像はほんの一例ですが、これを見て「何から入って」「どのように相手の誘発を受けて」「どこで展開を終わらせるか」を瞬時に考えられるようになると勝率が格段に上がります。もしこの構築を使う方がいらっしゃいましたら、練習は怠らないようにしてください。
第3章 「罪宝」ギミックを用いた展開例
さて……大変お待たせしました。新しく生まれ変わった「罪宝」ギミック入りラドン型【R-ACE】の展開例をご紹介しましょう。
毎度のことですが、展開ルートが長いので動画にしています。
詳しいルートはそれぞれのツイートのリプライ欄にぶら下げておくので、「な……何が起きてるんだ……!?」という方もご安心ください。
このシリーズも3本目となり、読者のみなさんにも様々な展開ルートの知識が累積してきたかと思います。
デッキこそ新しくなり、《ワン・フォー・ワン》は抜けてしまいましたが、これまでの知識から流用できる部分はたくさんあります。たまには過去の記事を参照していくのも重要です。私すらも気が付いていない、展開や構築のヒントが隠れているかもしれませんよ。
それでは行ってみましょう。
Ⅰ.《黒魔女ディアベルスター》+手札コスト(召喚権なし)
まずは基本展開から。《ワン・フォー・ワン》の基本展開の復習です。
前回の記事で扱った《ワン・フォー・ワン》の基本展開(召喚権なし)とやっていることは同じです。
召喚権を使わないため、相手の妨害を貫通して本命の展開を通すために利用します。
Ⅱ.《黒魔女ディアベルスター》+手札コスト(召喚権あり)
こちらも前回の記事の復習ですね。
ハイドラントからエアホイスターをサーチすることによって展開を伸ばしていくのは頻出事項なので、覚えておいて損はないです。召喚権を使わない展開はほぼすべてこれに分岐できるので、行けそうだと思ったらチャレンジしてみましょう。
Ⅲ.《R-ACEエアホイスター》+《黒魔女ディアベルスター》(召喚権あり)
さて、ここからが本番です。ギアを一つ上げていくぞッ!
新弾を経てもなお私が”ローランサベージ型”を使う理由です。
エアホイスターに妨害が飛んできた場合も、二の矢としてディアベルスターを投げることができるので隙がありません。
これにより、「出力は高いがいまいち頼りない」欠点を抱えていたエアホイスター初動がかなり扱いやすくなりました。積極的に狙っていきましょう。
Ⅳ.《R-ACEハイドラント》+《黒魔女ディアベルスター》(召喚権あり)
初動の出力をより高められるという「罪宝」ギミックの特性は、当然ハイドラント初動でも活用することができます。
伝えるのを忘れていましたが、《虹光の宣告者》の影響下でも、《R-ACEインパルス》および《R-ACEファイア・アタッカー》の効果は問題なく使うことができます。
仮に手札の「R-ACE」名称が除外されても《R-ACEプリベンター》の帰還効果や《R-ACEヘッドクオーター》の回収効果の対象にできるので、心置きなく使い倒してあげましょう。
Ⅴ.《幻獣機オライオン》+《黒魔女ディアベルスター》(召喚権あり)
ラドン型【R-ACE】は常にパーツの素引きとの戦いです。とはいえ、私の構築では既に克服しているのですが。
前回紹介した《フルール・ド・バロネス》を出す展開の応用です。
この展開ができることから、ラドン型【R-ACE】には《幻獣機オライオン》を2枚入れることを強く推奨しています。
Ⅵ.《ジェット・シンクロン》+《黒魔女ディアベルスター》(召喚権なし)
”ライトニングマスター型”ではそこそこ対処に困る《ジェット・シンクロン》の素引きも、この構築ではこの通り。
召喚権を使わずにこの盤面を用意できるのは破格と言えます。
ここから悠々とエアホイスターを通常召喚するなり好きにしましょう。
ここまでの展開例でご覧になった通り、パーツの素引きが展開を一切阻害していないのは非常に重要です。長年の研究の成果ですね。
”ライトニングマスター型”だと《F.A.ライトニングマスター》のシンクロ召喚に工夫がいりますが、こちらの構築では何を引いても十分な展開が可能なのです。
Ⅶ.超アドリブ展開
先程紹介した例のややこしい初手。これを上手に調理するにはどうすればいいのでしょうか。以下に画像を再掲しておくので、「自分だったらどうするだろうか?」ということを考えながら展開例をご覧ください。
そもそもとして、相手の《増殖するG》は《灰流うらら》で無効にできるので、そこの心配は無用。そのためこの初手でケアするべきなのは《灰流うらら》と《無限泡影》の2種ということになります。
最初にディアベルスターを投げて無効誘発(泡やヴェーラー)をチェック。
その後スネークアイは温存したままエアホイスターを召喚し、ここでも誘発チェック。
サーチした《EMERGENCY!》も温存したまま展開し、サベージの装備効果が通ったところを見計らって、装備カードをコストにスネークアイを発動。
2枚目のハイドラントをリクルートして、万全の態勢でタービュランスの効果を発動する……という流れです。
かなりややこしいですし、この通りの初手が実際に来ることもそうそう考えにくいですが、《警衛バリケイドベルグ》で墓地コストを確保できること、サベージの装備カードをコストに《原罪宝-スネークアイ》を発動できることの2つだけでも覚えておくとプレイングの幅はかなり広がるので、是非活用していきましょう。
おわりに
伝えかったことは概ね伝えきったので、この辺で失礼しようと思います。
あれもこれもと書き足したり動画を撮ったりした結果、今回も非常に情報量が多い記事になってしまいました。もうヘトヘトです。
特に実績は残していない一般決闘者の戯言ですが、参考になったのであれば幸いです。実績を残せば箔は付きますが、それは追々ということで。
私は、このnoteの感想や、この構築に対する質問・アドバイスをいつでも受け付けております。
よろしければ、以下のツイートへのリプライや、アカウントへのDM等にご連絡ください。喜んでお返事いたします。
さて、ここから先の有料部分では、私が気分で入れたり抜いたりしている【R-ACE】用オタクカードについて好き勝手に述べています。
前回の記事と合わせて読んで「参考になったので投げ銭したい!」という方、「もっと【R-ACE】でヤンチャしたい!」という方はご購入ください。励みになります。
次回の更新はまだ未定ですが、いい感じの時期になったらTwitter……ではなく「X」上で通知いたします。今度は【R-ACE】から離れた題材を扱ってもいいかもしれませんね。
新しい記事を書き終わったら、そのときまたお会いしましょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それではみなさん、おやすみなさい。ディナーベルでした。
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