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背の低いMLB選手特集 - セドリック・マリンズ讃歌

2021年の大谷選手の大活躍でメジャーで成功するにはやはり外国人並みに背が高くないといけないと思われた方も多いのではないでしょうか。今回はそのアンチテーゼとして背が低いけど活躍しているメジャーの選手を何人か紹介します。

メジャー選手の平均身長

MLB選手の平均身長は187cm、日本のプロ野球選手の平均身長は181cm。ポジション別では最も背の高いのがピッチャー、低いのが2塁手だそうです。日本でも同じかは不明ですが、おそらくそうなのではないでしょうか。

ちなみに皆さんご存じの通りアメリカはフィート、インチが長さの単位で身長は通常何フィート何インチと表します。例えば185cmだと6フィート1インチ。野球選手は6フィート(183cm)以下だと背が低いとされるので180cm(5フィート11インチ)でも背が低いとみなされます。そもそも1インチって2.54cmなので差がかなり大きい。正確に言うときはインチだけで端数もつけますが、通常の何フィート何インチの時は端数はつけない場合が多いので、その辺かなりアバウトな気がします。

現役有名選手

背の低い選手で最も有名なのはアルトゥーベ選手でしょう。5フィート6インチ(168cm)。昨年はサイン盗みの汚名返上に燃えたのかキャリアハイに並ぶ31ホーマー、OPS8割台と復活しました。

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もう一人有名なのはムーキー・ベッツ選手でしょうか。5フィート9インチ(175cm)。昨年はベッツ選手にしたら低めの成績でしたが、それでもOPS.854, WARは4.2は立派。今年29歳で選手として最も脂が乗っている時期。MVP級の活躍を期待しています。

ちなみにアーロン・ジャッジ選手は6フィート7インチ(201cm)。

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他の現役選手だとTony Kemp (168cm), Kolten Wong (170cm) 、Ozzie Albies (173cm)、Tommy Edman (178cm) は全員2塁手。

投手ではマーカス・ストローマンが170cm。ストローマン選手は自身でHDMH(Height doesn't measure Heart ー 心の大きさは身長では測れない)というファッションブランドを立ち上げています。投手としてはツーシーム、スラッター、スプリットチェンジ、カッターを武器に2021年シーズンは179イニング、防御率3.02と活躍しました。学生時代は投手兼内野手で主にショートを守っていたので、今でも素晴らしいフィールディングを見せてくれます。名門Duke大卒。グローブはSSK製。2022年はカブスでプレイすることになりました。背番号はメッツ時代に引き続き0ゼロ番。ツイッターではとてもモチベーショナルでインスピレーショナルな事を呟く熱い男です。大ファンなのでつい長くなってしまいました。


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過去の有名選手

過去の有名選手ではレッドソックスの名2塁手で勝負強いバッティングが売り物だったダスティン・ペドロイア選手が175cm。手が小さく指が短いペドロイア選手のためにWilsonが専用グローブを作り、今もDPモデルとして販売し続けられています。うちの子はWilson定番の1786モデルだと少し大きいのでA2000のDP15モデルを愛用しています。

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もっと遡るとヤンキースの名キャッチャーだったヨギ・ベラさんが170cm。アメリカに住んでいると野球以外でもヨギ・ベラさんの名言・格言に触れることが多々あります。ヨギさんの名言は深く、ユーモアに溢れていて、ゴロも良くて最高です。一番有名なのは It ain't over till it's over 試合は終わるまで終わらない、と言うやつかな。当たり前なんだけど、最後まで何があるか分からないので勝っていても油断するな、負けていても諦めるなってことでしょうか。

元祖5ツールプレイヤーのウィリー・メイズ選手は178cm。打撃も凄かったですが、一番有名なのは1954年のワールドシリーズでのセンターオバーの打球の背走キャッチですかね。

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安打製造機のピート・ローズ、トニー・グウィン、イチローさんの3人は全員5フィート11インチ(180cm)。面白い偶然。

ピッチャーだとペドロ・マルティネスとティム・リンスカムが5フィート11インチでした。

セドリック・マリンズって誰?

やっと本題に入ります。そもそもこの記事は日本ではまだまだ知名度が低いと思われるオリオールズのセドリック・マリンズ選手のことを書こうと思ったことがきっかけでした。

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マリンズ選手は今年27歳の左投げ左打ちの選手。身長173cm、体重79キロの小柄な選手。2015年のドラフトで13ラウンドでオリオールズに指名され入団。13ラウンドとはかなりの下位指名ですね。身体が小さいことも要因だったかもしれません。

順調にマイナーの階段を駆け上り2018年にメジャーデビュー。デビュー戦でいきなり3安打と活躍しましたが、シーズンを通しては45試合に出場して打率235,ホームラン4本に終わりました。翌年2019年は大不振に陥り打率が094と落ち込み、ついに3Aに落ち、その後更に2Aにまで落ちてしまいました。

しかし2020年は復活して打率を271と伸ばしセンターのレギュラーの座を獲得。そして迎えた2021年、それまで入団当初の監督に言われスイッチヒッターとして左投手には右で打っていましたが今季から本来の左打者一本になったのが功を奏したのか、打率291,ホームラン30本、盗塁30,OPS878の大活躍を見せました。30-30達成! アルトゥーベ選手もそうですが、この身体でホームラン30本はエグイ。オリオールズ本拠地のカムデン・ヤーズはホームランの出やすい球場とは言え、それでもホームラン30本(うち22本がホーム球場)は凄いことです。オールスターにも選ばれました。

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守備の指標は余り高くなく肩もそれ程強くはありませんが、俊足を活かしての難しいキャッチを見せてくれます。ちなみに左利きの選手は余り肩が強くない印象があるのですが、気のせいでしょうか。

2022年シーズンを終えた時点で年俸調停権を得るので、今季昨年並みに活躍をすればかなりの大型契約になり、その後FAになれば知名度も大幅アップするのではと思います。

ちなみにマリンズ選手はこのシーズンオフに結婚しました。このシーズンオフは他にもアーロン・ジャッジ選手やマット・チャップマン選手も結婚しています。

最後に

マリンズ選手は不人気球団(失礼!)のオリオールズにいるために日本ではまだまだ知名度がない選手です。しかし今後更なる活躍をして人気球団と大型契約する可能性もあります。

何より背が小さくてもこれだけの活躍を見せてくれるのは日本人にとって夢を与えてくれる存在であります。

今季からメジャーに来る鈴木誠也選手は身長181cmで日本だと背が低いという印象はありませんが、こちらの表記だと5フィート11インチで低い部類に入ります。しかし鈴木選手は体重98キロとかなりバルクアップしているのでメジャーでもそのパワーは通用するのではないでしょうか。

それともう一人メジャーに来る可能性があるオリックスの吉田選手は175cm、85キロなのでマリンズ選手よりも一回り大きい。このことから背は低いが室伏広治さんに鍛え上げられた強いフィジカルと高い技術を持つ吉田選手なら十分メジャーでも通用するのではと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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