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2020年 サイ・ヤング賞レース予想 【日本人投手の受賞の可能性は?】

7月23日に開幕した2020年のMLBシーズンですが、この記事を書いている8月21日時点で一番多いチームで27試合、一番少ないチーム(カージナルス)で14試合が行われました。そこで少し気が早いですがサイ・ヤング賞レースの予想をしてみます。

アメリカンリーグ

まずはアメリカンリーグから。以下がトップ候補者のリスト。

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アメリカにはサイヤングを含む各賞やチーム順位などのオッズを載せているサイトがあり開幕前はゲリット・コール投手が一番人気でした。しかしシーズンが始まるとシェーン・ビーバー投手が開幕から絶好調で一躍トップに躍り出ました。

ビーバー投手は開幕戦を6回4安打無失点14奪三振、次戦を8回3安打無失点13奪三振、3戦目と4戦目は失点しましたが5戦目はまた7回3安打無失点11奪三振、そして昨日(8/20)も6回6安打無失点11奪三振。昨年も15勝8敗防御率3.28、そして初のオールスター出場でMVPを獲ったりと素晴らしい活躍でしたが、まさかここまでの躍進は予想していませんでした。

投球内容を見ると昨年は4シームの割合が45.6%と高く、そこにスライダー26.5%、カーブ20.5%、チェンジアップ7.3%を混ぜて投球を組み立てていましたが、今年は4シームの割合が34%に減り、カーブが24.7%、昨年まで投げていなかったカッターが20.7%、スライダー14.1%、チェンジアップ6.5%となっており、カッターを加えた投球が見事に成功しています。各球種ごとの精度も上がっており、4シームは球速と回転数が上昇、カーブは縦の変化量が上昇して空振り率が58.2%という驚くべき数字になっています。


33歳のベテランのランス・リン投手と去年メジャーデビューした25歳のランディー・ドブナック投手もここまで好調です。

前田健太投手も絶好調で8月18日の登板では8回までノーヒットの快投を演じました。

ゲリット・コール投手は順調に勝ち星を挙げていますが、ここまで登板した6試合全てでホームランを打たれており防御率が少し高いですね。

他の候補では昨年のサイ・ヤング賞を獲ったバーランダー投手は怪我で今季の登板は微妙、2018年サイ・ヤング賞受賞者のブレイク・スネル投手はここまで2勝0敗、防御率3.00と悪くはないが絶好調とは言えない出来。個人的に期待していたレイズのタイラー・グラスノー投手は0勝1敗、防御率6.00とまさかの不調。もう一人ダークホースになるのではと期待していたマイク・クレビンジャー投手は遠征中に外出してチームのガイドライン違反でロースターから外されるという大失態。

サイ・ヤング賞は勝敗より防御率とイニング数を重視する傾向にあるのは皆さんご承知の通り。超強力打線のツインズの前田投手は最多勝争いではかなりいい線行くのではないかと思いますが、サイ・ヤング賞には手が届かないかなと見ています。

私の予想では最終的にはシェーン・ビーバー投手と馬力のあるゲリット・コール投手の一騎討ちになり、故障さえなければシェーン・ビーバー投手が受賞するのではと見ています。

ナショナルリーグ

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ナショナルリーグの開幕前の本命はこの2年連続で受賞しているデグロム投手でした。それに衰え知らずのシャーザー、伸び盛りのビューラーとフラハティあたりが候補に挙がっていました。

開幕すると昨年は成績が停滞して打ち込まれた後にセンターバックスクリーンにボールを投げ込んだことが話題になったトレバー・バウアー投手がここまで神懸ったピッチングを見せ一躍トップ候補に躍り出ました。防御率は何と0.68。球種ごとに見ると4シームの割合が去年の38.5%から50.2%に増えています。平均球速は若干落ちているのですが回転数が昨年の2412から2801に上がっておりホップ成分も強くなっています。4シームに自信があるので投げる割合が増えているのでしょう。ピッチバリューの指数も昨年のマイナス数値から大きく上がっています。バウアー投手と言えば縦に大きく落ちるナックルカーブも有名ですが今年は投球割合が少し減り、その代わりにカッターをより多く投げているようです。

面白いのは今年の特別ルールでダブルヘッダーの試合は7回で試合が終了するのですが、バウアー投手は2度ダブルヘッダーの試合に登板して7回を零封しているので記録的には完封勝利したことになっています。


バウアー投手に次いで防御率が良いのはブレーブスのフリード投手。パドレスのラメット投手も大健闘しています。

日本人最強投手のダルビッシュ投手は昨年後半からの好調を維持しており、ここまで4勝1敗防御率1.80と素晴らしい成績。サイ・ヤング賞は十分射程圏内であると言えます。

これは8/19登板回でのダルビッシュ投手御本人がこの日のベストピッチとするファウラー選手から三振を奪ったカッター

デグロム投手は相変わらず勝ち星は少ないながら高い次元で安定したピッチングをしています。ソニー・グレイ投手も頑張ってますね。

去年あたりはさすがに衰えが見えたカーショー投手ですが、今年はここまで力強い投球を見せているのも嬉しいです。球速も全盛期の頃には及びませんが、2018、2019シーズンより上がっています。そして年々4シームの割合が減りスライダーの割合が増えていましたが、今年はカーショー投手のメジャーでの13年のキャリアで初めてスライダーの割合が4シームの割合を上回っています。

私の予想ではバウアー投手、ダルビッシュ投手、デグロム投手の三つ巴の争いになり、最終的にはバウアー投手が受賞するのではと予想します。私は個人的にバウアー投手とダルビッシュ投手の大ファンなので正直どちらが獲っても嬉しいです。

ビーバー投手とバウアー投手はバウアー投手が去年シーズン途中でレッズにトレードで移籍するまでクリーブランド・インディアンズで同僚でプライベートでも仲が良く、バウアー投手が運営しているYouTubeチャンネルにも何度も登場しています。もしこの2人が受賞するとインディアンズファンは感無量ですね。

まだまだシーズンは続くので是非サイヤング賞争いにも注目してみて下さい。最後まで読んで頂きありがとうございました。



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