ミハイル1st Mini Album『THEATRE』制作を振り返って
2021/8/28オンライン即売会BOOTH Festival APOLLO11にてダウンロード版としてリリース、その後2022/4/24音系・メディアミックス同人即売会M3にてパッケージ版がリリースされた、作曲家・ミハイルさんのミニアルバム『THEATRE』。
ジャケット・ブックレット・クロスフェードデモ・仮歌・作詞・ブラスアレンジ・採譜など様々な形で携わったこの作品について、改めて記しておきます。
CD概要
収録曲
1. ムゲンドット・ワールド
作詞・作曲:ミハイル
2. The Answer
作詞:井手隊長
作曲:ミハイル
3. かげぼうし
作詞・作曲:ミハイル
4. CASTER & Roses
作詞:ディン
作曲:ミハイル
5. アクリルケースの流星群
作曲:ミハイル
試聴
サブスク配信
ダウンロード版購入
制作の背景
アートディレクション
ジャケット(カバーアート)、ブックレット、クロスフェードデモ動画から告知画像に至るまで一任していただきました。
様々な物語が上映される映画館のようなイメージとのことで、タイトルロゴはシンプルな濃紺をベースに細字のフォントで仕上げています。
ブックレットは、ダウンロード版だとPDF版歌詞カードといった体裁でしたが、雰囲気を重視し実際のCDサイズをイメージして作りました。そのため、パッケージ版でもほぼ同じデザインの12P仕様となっております。(ただし、ミハイルさんによるライナーノーツが加わったほか、ウェイト=文字の太さは変えています。)
『ムゲンドット・ワールド』YouTube動画制作
このミニアルバムの構想以前に、YouTube動画として公開された一曲。
テーマ何ですか〜?と尋ねたら「マイクラ」と即答されたので、率直にドット風のイメージで描いてみました。
まだ知らない世界はいつだってワクワクする、それは年齢を重ねても変わらない本能みたいなものです。
G majorは抜けるような青空のイメージが強いですね。
マイクラはわたしも大好きで、以前よくプレイしていました。広大な海も今やエリトラでひとっ飛びですから、爽快さも段違いなことでしょう。
『The Answer』YouTube動画制作
こちらもミニアルバム以前に発表された曲で、YouTubeではショートバージョンが公開されています。
曲を聞いたときの第一印象から連想した、モノクロームでザラザラした砂嵐をそのまま背景に。タイトルロゴは表裏一体の危うさを印象付けたくて作りました。
作詞した井手隊長曰く、ハードディスクのデータが消えた悲しみを綴った歌だそうで、実際に狼狽している様を見た者としては「これだけショッキングな出来事でもこんなカッコいい物語にできるんだ?!」と衝撃的だった記憶があります。
『かげぼうし』仮歌
ボーカルを宮武愛理さんにお願いする前に、仮で歌う機会を貰いました。
愛理さんボーカルの方が何百倍も良いので語ることは何もないのですが、これだけ長い曲を歌い切るには相当の力が必要だなとまざまざと思い知らされました。ボーカリストってすごい!
もともとボーカロイド用に作っていたそうで、その時点ではサビの転調がなく非常にキーが高い曲でした。どう転んでも無理なレベルだと分かってはいましたが、一応試しに歌ってみて、無事撃沈しました。
『CASTER & Roses』 作詞とブラスアレンジ
ミハイルさん曰く「酒と煙草とギャンブル」な曲。
実は何年も前から作詞を依頼されていたのですが、妊産婦〜授乳婦だった期間はどうしても曲の雰囲気に気持ちがついていかず、散々待たせてしまいました…
きちんと丸一曲作詞する、というのは初めての経験です。
結局は自分の引き出しからしか言葉が捻り出せないので、自分という存在をあらわにするばかりの作業が恥ずかしいなぁと思いながら削り出した記憶が強く残っています。
ミハイルさんとは長いお付き合いになるものの、彼の音楽の根幹に立ち入ることは控えていたのですが、落ちサビの「見せて」は吐息多めのイケボがいいんじゃないですかとか、ラスサビの「汚い」は文字通り吐き捨てるように、とか、詞に思い入れを持つほどに細やかな要求をしたくなる自分に驚いたりもしました。
また、ブラスアレンジにも少々口出しさせていただいたのですが、しゅーいちくんにミックスしてもらった途端に想定通りの音が返ってきたのには本当に感謝です。その音が欲しかったんです。
『アクリルケースの流星群』楽譜(ピアノ・ソロ)制作
ミニアルバムのエンドロールとして位置付けられる一曲。
ダウンロード版販売にあたり、特典として楽譜を制作しました。
楽譜上の指示はAllegro ariosoで俯瞰的な進行を見せますが、感情のままに揺らしまくった演奏も聞いてみたい気持ちがあります。
流星群なんてもうずっと見ていないし、そういう人が大半でしょうけれど、この曲は瞼の裏に降り注ぐ星を感じさせてくれます。
遠い遠い星を小箱に閉じこめて、静かな夜を共にする。穏やかで贅沢な時間ですね。
楽譜は単体での販売も行っています。よかったらぜひ弾いてみてください。