どう考える?ネットパトロール
71.2%
これは高校生におけるスマホの所有者のSNS(LINE、Facebook、Twitter等の6つサービスのいずれか)利用率を表している。
(引用)総務省による調査結果 2016年度数値
そして、警察庁による調査結果によると、平成29年にSNS等に起因する高校生の事件被害者数は年間で941件にもなっており、10年前の3倍もの数に膨れ上がっている。
画像出典:警察庁「平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状
現在、高校生のスマホの所有率は90%を超えるという大変高い所有率で、SNSの普及もありSNS上でのトラブルも多く発生するというのは大きく頷ける事であろう。
そんな状況を踏まえ多くの高校では生徒が正しくネットを利用できているか、"見守る" というのを目的としてネットパトロールを行っている学校が多い。
ネットパトロールって?
あなたの街にもいる警察は街の平和を守るために交通事故に繋がるような交通ルールを守らない車を見つける為にパトロールする。
ネットパトロールは警察が街でしているパトロールとほとんど同じだ。
しかし2点だけ微妙に異なることがある。
①活動場所がネットになる。
②現実の世界では警察だけが行うがネットパトロールを、学校の教員かネットパトロールを請け負う業者のどちらかが行うということ。
つまり、生徒のSNSの使い方を見守り、生徒がネット上で何かしらの問題を起こす前に注意をするというのがネットパトロールである。
ここまでの話で読者の皆さんはネットパトロールに対して概ね好印象を抱いているだろう。
事実ネットパトロール自体は問題ない事だと思う。
しかし、学校側が生徒のSNS等の利用を見守るという本来の目的とは異なった目的になってしまっていることが問題であると思う。
"見守る"のが本来の目的なのに、、、
・お前らのSNSなんか全部見てるんだからな(ホームルームなどで全体に向け発言)
・D君はいっつもマックばっかり行ってるよね
・学校名とかSNSに書くなよ。書いたらネットパ トロールですぐに分かるからな
上の3つは、現役の高校生の私が実際に言われた事と、知人が教師に実際に言われたことをいくつかあげたものだ。
生徒がネット上で問題を起こす前にSNSの利用を "見守る" のが本来の目的なのに、このような発言から汲み取れる目的は 脅して未然に防ぐ というものである。
なにか問題に繋がるようなことをした生徒に対して個別に、「見ているんだからな」と、言うのはまだ理解出来る。
しかし、普段から全体に向けて見ているからな等と発言するのはただの脅しなのではないかと思う。
このような脅しのような発言をされることで、生徒は教師に対して恐怖心を抱いてしまい、教師に自分の気持ちを伝えられないなどの問題が発生する可能性がある。
ましてや日常生活から監視されているということをほのめかすような発言はSNSを使うことへの恐怖心を植え付けるような発言で、SNSに自分の考えや自分の日常を全くアウトプットすることが出来ないような状況に陥る可能性もあるのだ。
まとめ
ネットパトロールは、生徒のSNSの使い方を見守り、生徒がネット上で何かしらの問題を起こす前に注意をするというもの。
ネットパトロールという行動自体は生徒の安全を考えて行なってくれている行動。
しかし本来の目的である "見守る" というのとは異なる目的での利用(問題を起こすのを防ぐ為の脅し)や、日常生活を監視していることをほのめかすような発言は、教師に対する恐怖心が生まれ、教師に自分の思いを伝えられなくなったり、自分の考え等をSNS等を通して社会にアウトプットすることが出来なくなる可能性がある。
結論
ネットパトロールの本来の目的 "見守る" と異なった目的での利用は、SNSの問題を未然に防ぐのには効果があっても、他に大きな問題が発生する可能性があるので危険。
学校側は改めて目的を明確にして意識して欲しい。
今回はネットパトロールについての考えを書いてみました。
これを見ている高校生(中学生の方でもネットパトロールされている学校であれば)はネットパトロールについてどんな考えをお持ちなのか気になるのでぜひぜひ教えてください!!