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父の3回忌

今日、父の3回忌でした。
父が生きていれば、75歳の誕生日のはずだった、12月3日。
よく晴れています。

2020年の12月3日。姉が贈ってくれた高級牛肉で、すき焼き。お肉にばかり箸を向ける父がかわいくて。娘からの肉は格別だったようです。
12月6日。今度は僕からの鰻。たくさんの鰻をいったんタワーみたいに積んでから、ご飯とのベストな配分を考えて、嬉しそうに口に運ぶ父。

「ありがとうな!」

……喜び方が過剰すぎる気がして、父の顔を見つめる。「そんなに喜んでくれると僕も嬉しいな。誕生日じゃなくても、何かにかこつけて、また買ってくるよ」

父はニコニコしながら、何も言いませんでした。

翌7日。病気の悪化で、父は急に亡くなりました。73歳になったばかり。早すぎると思いました。
あの日もすごく晴れていました。

……3回忌で悲しみが大きくぶり返してくるとは、意外でした。不思議な気持ちです。

いま悲しんだところで、何にもならないんですけど。まぁでもきっとこれも、必要な時間なのだと思います。

タワーみたいに積んだ鰻とご飯のように、うまいことバランスを取って、生きていくことなのでしょうね。悲しみと喜びと。

そんなことを考えた日でした。

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