水はなぜ海と人に存在し、成分まで似ているのか
担当:田村
海の「水」には、ありとあらゆる元素が溶けている。
地球上に存在するほとんど全ての種類の元素が溶けているといわれているが、その中で最も多く溶けている元素はナトリウムと塩素です。
人の体には、体重の6割もの水が含まれていて(成人男性)その水分の3割が血液と組織液です。
組織液とは、毛細血管からしみでて細胞と細胞の隙間を満たす液体のことです。
人体をめぐる血液や組織液に溶けている主な元素もナトリウムと塩素です。
さらに血液や組織液中には、カリウムやカルシウム、マグネシウムなども溶けています。
これらの元素は、海水にも多く溶けている成分で、血液や組織液、海水に多く溶けている元素を比較してみると、濃度こそ違うものの溶けている元素の種類はとてもよく似ていることがわかります。
一方、人体の水分の約7割が細胞内部の水です。細胞内部の水に溶けている主な元素は、海水とは全く異なっているのです。
細胞内部の水に溶けているのは主にカリウムとリン酸水素イオンであり、カルシウムや塩素はほとんど溶けていません。
地球上に一番最初に誕生した生命は、海中の小さな単細胞生物だったと考えられていて、血液や組織液の成分が海水の成分と似ているのは、単細胞生物が海中を漂うように、人の一つ一つの細胞も組織液という海中に浮かんでいるからだとする説があります。
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