国道避ける人「非国民」

まえがき

 お久しぶりです。diKnK_kokuryo16です。京都と名古屋の記事を書く書く言っていたのにも関わらず、書く時間がほとんどなく、いざ書いてみても内容があまりに薄っぺら過ぎたのでボツにしました。本当に二度あることは三度あるですね。すみません。
 さて、本日のお話ですが、皆さんは「非国民」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。恐らく大多数の方が「国民としてあるまじき行為をする国民」のことを思い浮かべることと思います。しかし、今回の「非国民」は少々違った意味です。今回の「非国民」は、タイトルにもある通り「国道を避ける人」です。もう少し詳しく書くと、「自動車等の移動で国道を使わずに目的地を目指す人」ということになります。国道趣味を持つ方は多いでしょうが、それが高じたものがこれです。2010年代からちらりほらりと話題になっていましたが、2020年代になりTwitter上で「非国道チャレンジ」という言葉ができるほどに。道路好団等々、道路クラスタの方々とはあまり関わりが無いので完全に外野ですが、一旅行好き、地理好きとして論じてみたいと思います。

国道回避の難しさ

 早速本題に入るわけですが、こう思う方も居るかも知れません。
 「国道を使わないなんて普通にできるくね?」
 「ソレの何が良いの????」
 後者はそれはそうとしか言いようがありませんが、前者には反論の余地があります。よく地図をご覧になられたり、おでかけをされる方なら気づくかと思いますが、地方のとりわけ山間部に行くとまともな道が国道だけというケースが多々あります。そのため、ルート選定に大きな制約が生まれます。国道を避けるため無理して貧弱な道路や林道を進む必要が生まれてくるわけですね。
 「じゃあさ、例えばどこなんだよ。日高山脈のど真ん中とかでしょw」
 もちろん日高山脈のど真ん中はそうです。というより国道でも怪しい部分があります。ところで皆さんは、「さった峠」という峠を聞いたことはありませんか?漢字で表記すると「薩埵峠」となります。見たことも聞いたことも無い人も、多分写真を見ればピンと来るのではないでしょうか。

Taka1 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=85914217による

 生憎私の方で画像を持ち合わせていなかったため、ウィキメディア・コモンズの画像を引用させていただきますが、この画像の所です。一度はこの風景を見たことあるよ!という人が多いと思います。この画像こそが「薩埵峠」です。こんな記事をご覧くださる方々なら説明せずとも、写真だけで都道府県の検討がつきますよね。そうです。「静岡県」です。では、なぜ薩埵峠を話題に上げたのかと言うと.…
「自動車を用いて静岡経由で東西を普通に行き来しようとすると、ほぼ100%ここを通らなければならない。」からです。
 取り敢えず、この画像に写っているものを確認していきましょう。今回は道路のことについてのお話なので、道路にフィーチャーします。道路が見た感じ二本通っていますね。線路と共に山際に張り付くように通っている道路は「国道1号」です。そして、海側から手前で山側に向かっている道路は「東名高速道路」です。なるほどなるほど。大動脈が通っているわけですね。そりゃここを通らなきゃならないわけだ。でも待てよ、あれ?
 茶番 (?) はここまでにして、もうお気づきでしょうが、ここに写っている二本の道路は使用不能なのです。どうしろというのだ…

 突然ですが、ここで皆さんに良い知らせと悪い知らせがあります。良い知らせはなんと、薩埵峠を国道不使用で抜けられることです。
 「なんだ。突破できるのかよ。じゃあさっきの100%無理みたいなのは嘘だったのかよ!」
 とお思いになられることでしょうが、私は「ほぼ」100%としか言っていません。さらに「普通」に移動した場合のお話です。国道回避というのが異常なのは火を見るよりも明らかですから、普通の移動には入りません。ですが皆さん、悪い知らせもあることを忘れていませんか?聞きたくないと言われても言ってしまいます。それはずばり!「離合困難な狭い道しか無い」ことです。人によってはある程度許容できる問題ですが、とにかく狭いんです。しかも崖っぷちを走っている所も多く、精神衛生上大変よろしくない道路です。剰え天気が悪かったら最悪です。

 ここまで聞いても信じていない方が多そうなので、薩埵峠以外にもやりようがあると言う仮説の「反証」を提示していきたいと思います。

迂回すらも困難!!!!!

 まず迂回と言えば、近くの道を使う方法が一般的です。少し旅行に詳しい方ならば、静岡県道223号清水港土肥線を航行する土肥港~清水港のフェリーを思いつくかもしれません。しかし、実のところ海上区間は指定されておらず、全線に亘って未供用ということになっています。さらに、土肥港まで到達するために国道を必ず経由せねばならないのでそもそも使用できません。
では、大きな迂回を考えてみます。静岡を迂回と言えば、中央本線、中央道に沿ったルートが思いつきますね。旧街道でいうなら甲州街道+中山道です。残念ですが、結果としてこれは長野県下伊那郡売木村または長野県下伊那郡阿南町新野で詰みます。売木村は村内の旧道が国道指定から外れれば、やはり貧弱な道路を挟むものの愛知県豊田市足助までは進めます。しかしそこから先は無理です。ちなみに木曽谷経由ですが、そもそもまともな道が木曽高速しか無いので論外です。
 中央高地廻りがだめなら、日本海廻りです。新潟に出る方法は、山梨・長野経由と群馬・長野経由が使用可能です。ですが、新潟から富山の移動が課題です。鉄道で言うなら糸魚川から泊のあたりです。林道と県道を数珠繫ぎでジグザグ行くほかありません。それで頑張って富山までたといたどり着いたとしても、福井県南条郡で詰みます。だからといって富山・石川両県から岐阜に抜けることも不可能です。
 というように、薩埵峠の旧道を通るほかありません。最善で最良なのが薩埵峠なのです。流石東海道と言ったところです。
 以上のように静岡県を超えるだけでも大変です。このことから国道が如何に国の骨格を担っているかわかりますね。

国道を使わずにどこまで行けるの?

 東京起点に考えてみて、中部地方を抜けることすら難しいのならば実際はどこまで行けるのかということが気になると思います。これに関しては色々な方が検証をしているため、Twitter等で検索していただければ簡単にわかります。例えばですが、どうやら東京と下関を国道非経由で行くことは理論上可能みたいです。他にも北海道内や、北陸地方、北海道などで検証している方もいらっしゃいました。非国道チャレンジに関しての同人誌も出ているようなので、気になる方は読んでみるのも良いかもしれません。

おわりに

 こんなに散々道路のことを書いておいて、私は原付しか運転できません() 自動車免許を取得できる年齢ではあるので、免許を取得して運転に慣れてきたらチャレンジしてみたいなと思いました。私はゲームでもわりと縛る方の人間なので、現実世界でのこういった試みには大変興味があります。今後もこういった旅行やら地理やらに関する気になる話題の記事を書いて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。本日も拙文をお読みくださりありがとうございました。

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