それぞれの「価値」
自分は、デザイン採用枠という枠組みで公務員をしています。
「デザイン」の分野は、特に行政が関わる範疇の中では、簡単にお金に換算できない最も難しい分野だと思っています。
公務員の仕事を始めて10年とちょっとですが、学生時代の師匠たちが仰られた「クリエイティブに物事を考える思考を持ちなさい」という言葉が、今になって改めて身に染みます。
芸術系の学生の方は、絶対向き合って考えるべき思考だと思います。
だって、普通の総合大学じゃなかなか学べない分野だしね。
アート思考、デザイン思考、クリエイティブ思考。
言葉は色々あるけれど、根っこにあるものは共通してんなと振り返る度に感じてます。
デザインの価値
これって誰が決めるものだろうか。
私は、誰でもないと思います。
アート作品の価値は「観る人」だろうし、
プロダクト製品の価値は「使い手」だろうし、
デザインの版権の価値は「周りの評価」だろうし、
例えば、近年。マンションをつくる際、低層階の内装、外装にすごくこだわったデザインを目にします。
これは「住む人」にとっては、スペシャルな自分の家だという満足感を与えるものだろうし、「前を通る人」にとっては、いつかは住みたい憧れのマンションや街の雰囲気を高めるステータス感だったりするだろうし。
(一例です)
人によって価値の指標は全く異なると思います。
建築家の考えや価値観もわかるし、
人の生活拠点をつくる建築家という仕事は幼い時に単なる憧れだったけど、
今になって尊敬の度合いは、ますます深まってます。
「行政」という枠組みの中でのデザイン
自分がたった公務員歴10年の積み重ねの中で感じているのは、「行政」という枠組みの中での「デザイン」はあくまでも「黒子」だと言うことです。
「素晴らしいデザインのものをつくりました!」
って、大きな声で発表するのはやっぱり違和感あるし、それが素晴らしいと思わない人もいると思います。
ひとつの価値の考え方ってことですね。
だけど認識を間違ってはいけないのは、一言で個々の自由と言い切るのは良くないということ。
上部だけの感じ方や先入観で物事を決めつけないというのは、ものすごく大事だし、もちろんまちづくりにおいては、そのまちに関わる人の生活をデザインすることなので、関わってきた人たちの想いや歴史を知ってからでも遅くないでしょう。
あらためて
何が言いたかったかって、
「自分のものさしで物事を測らない」
ということを自分への言い聞かせで、
書いてみました。
先日、とある自治体に勉強に伺ってきました。
自分が関わっている仕事と同業なんだけど、考え方や視点、スタンスの違いでこんな表現方法があるんだなと。
そこに関する価値の捉え方は、人それぞれ、地域それぞれですね。
余談ですが、最近YouTubeでこんな動画を見ました。
若いYouTuberで、自分のやりたいことを表現する彼のスタイルと人柄が良いなと思ったのと、動画の中に出てくるイラン人の方のコメント(「人種差別」についての考え)であらためて、「価値観」に対して深く考える機会になりました。
最近、カメラとかデザインとか遊び方とか、Youtubeだけで色々勉強できんな〜とか思いながら見ていた時に、ふと考えさせられる動画にたまたま遭遇しました。
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