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とりあえず、2巻まで読んでほしい 『神様がまちガえる』(漫画紹介)

今日は漫画紹介を。本とかはブクログに感想メモを書いていっているんだけども、漫画はあのサイトで本棚に並べる気がおきず、アウトプットする機会がなかったので、これからはnoteに投稿していこうと思う。

今日紹介するのは『神様がまちガえる』。著者は仲谷 鳰先生。


前作は『やがて君になる』という傑作百合漫画を描いていた。
どっかでこの漫画についても語り尽くしたい。

実は、著者は東方の同人誌を描いていたころから知っており。めっちゃくちゃ高クオリティな作品を当時から作り出していた。絵や話が上手いのももちろん、大胆な演出が大好きだった。

博麗霊夢が好きな人なら、ぜひ『スペクトルのきもち』を読んで下さい。
東方の同人誌の中でもイチニを争うくらい好き。
特殊刷りを活用した作品で、同人誌ならでは、って感じ。


元に戻って、『神様がまちガえる』の話を。

前作の『やがて君になる』が傑作すぎたので、かなり期待値は高く本書を読み始めた。あらすじとしては、こんな感じ。


起きたら街がジャングルになってた、右を向いたら左を見てた、いつもの階段が一段増えてた……
周期性例外事象、通称"バグ"に満たされたこの世界では、そんなことは日常茶飯事。
シェアハウスの大家にして"バグ"に心躍らせる研究者のお姉さん・かさねと、
彼女とひとつ屋根の下で暮らしながら助手を務める中学生の男の子・紺は、
へんてこな世界で今日もおかしな一日を過ごします。

Amazon『神様がまちガえる』1巻より

お姉さんが可愛い日常モノか~面白くないことはないけど、読み続けるかは微妙…くらいな出来だった。
前作のせいで期待値が高すぎたのか、ちょっとショックだった。
いや、面白かったんですけどね!


でも、2巻で化けた。
ネタバレになるから、詳しくは書けないけど。

とりあえず、黙って2巻まで読んでほしい。
この作品のコンセプトが明かされるし、主人公とヒロイン(でいいのかな?)のかさねとの関係性が描かれる。

なんで、この2人が物語の中心として描かれるのか。
なぜこの設定の物語なのか。
すべてが一気に明かされる感じが凄まじく気持ち良かった。
ミステリの解決編見ている感じ。


これを1巻ではなく、2巻まで引っ張るあたり、仲谷さんの自信が見て取れるな~。編集者もよくOK出したなと。
本当に、1巻で切るのはもったいないので、ぜひとも読んでほしい。


この2人以外ないよな、って組み合わせ好き

これ読んでて思い出したのが、『月姫』。
アルクと志貴の関係性。

主人公とヒロインがどうして愛し合うのかって、めちゃくちゃ重要。
いや、一目惚れとかでも別にいいんですけど、「これなら好きになるしかねぇよな」っていうエピソードがほしい。


アルクと志貴の、満月の夜のホテルのシーンがめちゃくちゃ好きなんです。
↓のイラストのシーン(グッズ宣伝絵しかなかった泣)

https://www.gamer.ne.jp/news/202204080039/image/3/


これは、モノでも人でも、何でも切れば壊れる「死線」が見えてしまう志貴(主人公)が、夜のアルク(ヒロイン)を見る場面。
初めて裸眼でみても、線が1つも無い存在としてアルクが描かれる。
なぜなら、夜の彼女は「死なない」から、死線が見えないのだ。


つまり、主人公が裸眼で見ることができる女の子は、この世の中でアルクただ一人なんですよね。
それ以外の存在は、ヒビだらけの、もろくて気持ち悪い存在としか見えない。

これって、地球上でこの2人以外の組み合わせなくない?と思っちゃう素敵なエピソード。
何でも壊せる殺人鬼が、初めて出会った絶対に壊せない吸血鬼。

このプロット思いついた時の奈須きのこ、超気持ちよかっただろうな…


後半、『月姫』の話しちゃいましたけど、仲谷先生の新作もめっちゃ面白いので、ぜひ!2巻まで黙って読んでください。

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