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音楽の世界って大変だ

先週、飛蘭という女性シンガーのライブに行った。今年でデビュー15周年のアニソン女性シンガー。

自分が中高生のころは、ありとあらゆるアニソン、ゲーソンの主題歌に起用されていた。今でも『CANNAN』のOPを聞いたときの衝撃は覚えている。

ただ、当時はお金のない学生。ライブでは一度も彼女の声を聞いたことはなかった。一度は生で聞いておこうと、友人と参加してきたわけだ。本当に10年ぶりくらいに彼女の曲をサブスクで聞きまくった。懐かしい、平成を感じるメロディと力強いボーカル。かなり楽しみではあった。


しかし、同時に不安もあった。本当に声が出るのだろうかと。

「声優じゃない女性アニソンシンガー」というのがほぼ絶滅状態な時代というのもあるのだろうが、彼女は最近は新曲はほとんど出していない。ファンイベントなどはポツポツとやっていたようだったが、ライブハウスの長時間ライブもすごく久しぶりそうだ。

なんせ、15年である。小学1年生が、大学生になるくらいの時間だ。それに加えて彼女の曲はハイトーンバリバリの曲ばかり。体力的にも、喉的にもかなり厳しいのではないのだろうかと。そんな不安があった。


で、ライブ当日。

完全に杞憂だった。
もうバリバリに当時の声だった。

ダレることなく、原曲からキーを下げたりなんて妥協もせず。完璧に歌い上げた。聞きたかった飛蘭のライブを、完全にやり遂げてくれた。

MCで本人が言っていたのだが、このライブのためにかなり筋トレや、ルームランナーでランニングをしながらのセトリをフルで歌い切ったりと、様々なフィジカルトレーニングもしていたらしい。本当にその努力を感じられるライブパフォーマンスだった。


最高に満足できたライブだった。やっぱりプロのシンガーってすごいと思えた。しかし、それと同時に、音楽の世界の厳しさを感じた。

あれだけ努力して、真摯に歌に向き合っている人でも、ここ数年新作を出せていない。大きなライブツアーもできておらず。

一番売れていた時代は、著名なスタジオミュージシャンを引き連れて生バンド演奏をしていたけども、今やライブハウスで音源をバックに1人で歌っている。

すっごく厳しい世界なんだなと、ヒシヒシと感じた。ただ生き残っていくだけでも大変な場所なんだなと。15年という節目を迎えて、自分たちに当時と変わらない歌声を届けてくれたことだけでも、本当に奇跡みたいな時間だったのかもしれない。

音楽の楽しさも、厳しさも感じられたいい夜でした。誘ってくれた友人に感謝。


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