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Teamsから感じたMicrosoftの凄さ:徹底したユーザー目線

インターネットが発達し、今やビデオ通話・リモート会議が当たり前になった世の中。皆さんはどんなビデオ通話アプリを使用しているだろうか。

自分は会社で、Microsoftの「Teams」を使用している。普段Teamsを使用して、便利だなーくらいでしか思っていなかった。しかし、Teamsのある機能を使用した時、「こりゃすげぇ」と今更ながら思った。


Teamsには、「チーム」作成という機能がある。LINEで言えば、グループみたいなもので、チャットとは異なり、スレッド形式で会話できたり、ファイルも管理しやすかったりする。
まぁ詳しい説明はググってMicrosoftさんのヘルプでも見てください。

その中で、拡張アプリのような形で、「Lists」というアプリがある。
こいつが凄い。

要するに社内の課題管理アプリなのだが、めちゃくちゃ便利。
リマインドやメンションができる、よくある課題管理アプリなのだが、素晴らしいのは操作感がエクセルそっくりなこと。
右下をドラッグするとコピーできたりとか、エクセルをそのままTeamsのアプリ上に再現しているのだ。

エクセルは操作しやすい、でもメンションとかができない。一方、世にある社内管理アプリは、メンションは出来ても、操作感覚がイマイチ。そんな悩みをさっくり解決してくれる。


何より、恐ろしいのは、こうしてMicrosoftのソフト環境がないと生きていけない環境にどんどんさせられていくこと。

もうエクセルがない職場がありえないように、Teamsがない環境が想像ができない。
スケジュールも、チャットも、会議も、ファイル共有も、タスク管理もやろうと思えばこのアプリで出来てしまうのだから。

どっかの社長が生娘をシャブ漬けにすると言って炎上したが、我々社会人はMicrosoftにシャブ漬けにさせられている。

事実、Officeが調子悪いと、何も仕事出来なかったりしますしね。


顧客の幸せを実現する

Microsoftのこの凄さ。それはデファクトスタンダード(事実上の標準)を実現したことだろう。

誰も頼まれわけではないが、事実としてPCのOSはWindowsほぼ一択だし、ビジネスシーンでOfficeを使われないことはあり得ないだろう。PC環境の多様化は進んではいるものの、無視できる範囲で、事実上Windows一強。

つまりところ、Microsoft製品を使うことが、スタンダード(標準)になっているということ。
ビル・ゲイツは会社設立当初から、常にこれを目指していたらしい。


そのために彼がやってきたことは、非常にシンプル。
ベンサムが唱えた、「最大多数の最大幸福」に通じる、徹底したユーザー目線である。

Microsoftが独占することで、一番得するのはMicrosoftじゃなく、顧客である状態。これこそが彼が掲げたモットー。


実際、Windowsの開発がまさにこれだろう。

昔のPCはOSが統一されておらず、PCマシンごとに、専用のソフトを開発しなくてはいけなかった。それを、MicrosoftがOSを独占することで、Microsoft向けのソフトを開発するだけで、すべてのPCが使えるようになっていく。

このOSの独占の裏には、徹底的な開発者支援があった。MicrosoftのOSを開発する人たちではなく、市場にいるPCメーカーやソフトメーカーたちにだ。
大量にプロトタイプのOSをばらまき、手厚いマニュアルを用意し、無料でセミナーに招待する。

Windowsの理解を深め、開発者が開発しやすい環境を整えていく。ソフト開発者がWindowsのソフトを開発していくと、メーカーもWindowsを採用せざるを得なくなる。
ただ、メーカーも個別のOSごとにマシンをチューンナップしていたのを、Windowsに特化させれば良いから、それはそれで楽になる。

PCメーカーも、ソフト開発者も、使用者も。市場にいるすべての人が最大限の幸福を得られるように。こうして、Windowsがスタンダードになっていく。


Teamsにもその思想を感じる。
無理にアプリ内で、エクセルを再現する必要はないはず。多分相当コストかかっている。
でもやりきっちゃう。

Microsoftが独占している状況で、ユーザーが幸せでなければ、競合他社に奪われていくのだから。本当に徹底したユーザー目線での開発だ。


今回の種本

今回上で書いていることは、下の本をギュッと圧縮したもの。

Teamsの凄さに感動して、こんなスゴアプリを開発しているMicrosoftについて、改めてガッツリ調べてみた。

この本は、Microsoftで働き続けたイギリス日系人の本。筆者の主観がバリバリ含まれた、ジャンル的には伝記本。
正直読みにくいところもあるが、主張は非常に説得力ある内容。


後は、カオスな当時のMicrosoftの環境が面白い。
日本MicrosoftでWindowsの開発状況を把握しているのは一人のプログラマしかいなかったり。それでWindowsを日本語化するから凄い。

後は、Microsoftの職場環境も中々にしびれる。しょっちゅうビル・ゲイツがキレ散らかしている。絶対一緒に仕事したくない。

Microsoftコエーって思うのが下記一文。

マイクロソフトは、誰かがカッとならないと物事が先へ進まないところのある会社だった。
ゲイツが怒鳴り、プロジェクトを押し進める。スティーブ・バルマー(現CEO)もまた、癇癪を起こしながら、強引に仕事を進めるスタイル。
しばしば喧嘩腰でビジネスを進めるのが社風だったし、私もそれに倣って仕事を進めようとしていた。

トム 佐藤. 『マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方―』(新潮新書) (p.91). 新潮社. Kindle 版.


まぁでもこれくらいの狂気がないと、世界を支配するソフトは作れないんだろうなぁ。Microsoftの凄さを改めて認識したという話でした!

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