老いと、熱意と、クラプトン
忙しくて今更になったが、エリック・クラプトンのライブに行ってきていた。4月24日(月)の日本武道館。
セトリも、演奏も、ほぼ完璧だったと思う。ベストとブルースのライブ盤くらいしか聞いたことない自分でも知っている曲がほとんどくらいな、人気曲を中心に演奏されていた。レイラは披露してくれなかったけど。
もちろん、演奏の質も非常に高かった。バックも当然めちゃくちゃ上手かったし、クラプトンのギターも相変わらず、クラプトンの音だったと思う。個人的にはピアノの人のソロが一番好きだった。何ならクラプトンのソロよりも盛り上がったかも…
クリス・スティントンと言うらしい。
ここまでだとべた褒めしているような感じだけども、正直、自分はノれなかった。武道館2階席の最後方だったことや、疲れていたこともあったかもしれないが、途中ウトウトしてしまうほど…
長いクラプトンのソロも途中で飽きてしまうことも度々あった。
何なんだろう。演奏の質が低いとか客観的な話ではなく。レジェンドの演奏ではあった。でも、レジェンドで「あった」な演奏な気もした。
『BLUE GIANT』の平さんのこのセリフが思い浮かんだ。
自分の好きなクラプトン
通ぶるなと言われるかもしれないが、自分の大好きなクラプトンはCream時代のクラプトン。
ストラトではなく、ギブソンを使い、バッキバッキな音とチョーキングで人を殺せるくらい殺意と熱気溢れたギター・ソロを弾く姿が大好きだった。
クロス・ロードも大好きだし、レコードよりも、熱気が詰まっているライブテイクのほうがCreamは良い。
今回のライブのクラプトン、めっちゃ人のよいおじいちゃん、って感じがした。当然ながら、この頃のギラギラ感はない。
いい感じに丸くなっていた(体型の話ではなく)。
優しく、楽しそうに演奏するクラプトンは幸せそうだったし、見ていてほっこりした。でも、自分がロックのライブに求めているのはコレじゃないかも、と思ってしまった。
いい年の取り方をしていたと思う。素晴らしい「老い」の表しているとは思う。でも、それに比例して演奏の「熱意」がなくなっていっていたような…
まぁでも、ソロで活動しているクラプトン自体を自分がそんなに好きじゃなかったというだけかもしれない。『Crossroads』かかった瞬間、テンション上がってた人はほぼいなかったし、もう誰もCream時代のクラプトンなんて求めていないんだろうなぁ…
とりあえず、何100回聴いても、この『Crossroads』は最高だ。
どうでもいいけども、自分が見た席が、モニターのちょうど真裏。そのせいで、映像が反転していたので、最初クラプトンがレフトギターを使い始めたのかと勘違いしてしまった。
みんなジミヘンリスペクトしているみたいで、ちょっとシュールな体験だった。
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