また、いつか
またいつか 恋した人よ 共に過ごした日々をこの胸に
ありがとう 恋した人よ 離れて過ごす日々が日常に変わる
恋に焦がれた毎日は僕たちに切なさを教えてくれたけれど
心を燃やした感情に灰だけが残って
一つ また一つ 思い出がはじけていく 僕の中に君はもういない
笑った声も 泣き顔も もういない
これからの君ももう知ることはできない
僕らは別れる運命だった
なのに どうして出逢ってしまったのだろう
初めて君に出逢ったあの雨の日
困ったように微笑んだあの瞳を僕はもう一度抱きしめたい
さようなら 愛する人よ これまでの道のりを糧に
ありがとう 愛する人よ これからの道のりを君の足で
愛しあった毎日は僕たちにさよならを教えて去った
君の残した言葉が色褪せていく
一秒 また一秒 思い出が遠ざかっていく
君の中の僕はどんなだったのだろう
つないだ手も 触れた髪も 過去の中 これからの僕は独りで
君とずっと一緒に居たかった
なのに どうして手を放してしまったのだろう
初めて口付けたあの帰り道
照れたように微笑んだあの口元を僕は永遠に忘れない
君を失った哀しみはあれほど鮮明だったのに
今では薄れて霞んでしまった
それでもまだ胸の奥をチリチリと焦がす痛み
諦めと無気力が呼吸と鼓動を蝕んでいく
USBに入った写真フォルダにロックをかけ
心の底へ思い出をしまい込む
君はもういない その意識だけ強く焼き付いて
一つ また一つ 思い出がはじけていく 僕の中に君はもういない
笑った声も 泣き顔も もういない
これからの君ももう知ることはできない
僕らは一緒には居られなかった
どんなに互いを求めていたとしても
最後に君に会ったあの雪の日
冷たくなった手で僕らは互いに手を振った
さようなら また いつか