![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160963817/rectangle_large_type_2_e3af13aa829c0a6f30cf904181c37a5c.jpeg?width=1200)
Web記事の基本、「PREP法」は本当に正しいのか?
⚫︎オススメ文章術「PREP法」とは?
Web記事の書き方を検索すると、よく「PREP法」が出てきます。ライター初心者の方へのオススメ文章術とも書かれていたりしますが、つまりこういうことです。
「Point」(結論)
↓
「Reason」(理由)
↓
「Example」(具体例)
↓
「Point」(結論)
この順序で記事を書けば、考えがまとまりやすく、かつ、読者に伝わりやすいということです。実際に文章を当てはめると、次のような感じです。
駅前にオープンしたカフェが、入場規制になるほどの人気です
↓
女性オーナーが考案したメニューが、OLのハートをキャッチ。
↓
10万フォロワーのインフルエンサーも、投稿で大絶賛してます。
↓
月曜の昼間は比較的空いているので、この機会にぜひ行ってみて。
なるほど。たしかに読みやすく、伝わりやすいですね。ただ、私は出版社に20年以上勤めていましたが、この「PREP法」というテクニックを先輩から教えてもらったことも、周囲で聞いたことも実はありません。
⚫︎「結」が先に、新聞記事の定石「逆三角形」
「PREP法」は口頭で説明する場合、つまりプレゼンで有効な手法です。結論を先に伝えてクライアントを前のめりにさせ、最後まで聞いてもらうというものです。それがなぜWeb記事に向いているかいうと、新聞記者の定石として、「結論」から先に書く、「起承転結」の逆三角形というのがあります。
もっとも重要なこと、つまり「結論」をまず書いて、順に解説していく。新聞のように多くの記事が掲載されているメディアでは、完読に時間がかかります。先に「結論」を述べて、重要度の高い順に書いていきます。読者は最初の「結論」を読んで、興味をもてばその先を読み進み、そうでなければ別記事に移動します。
⚫︎「型」はあくまでも「型」にしかあらず。
「PREP法」も「結論」が先に来ますから、同じように見えます。Web記事となっても、確かに読みやすい。ですが、この「型」に当てはめて記事を書くことに慣れてしまうと、もっとも肝心な「伝えたいこと」が薄まってしまう恐れもあるのです。
記事を書く目的は、「伝えたいこと」を届けることです。その「伝えたいこと」をもっとも効果的に読者に届けるために、記事の構造を考えます。構造とは、導入部でなにを語り、核心への導く流れのことです。音楽に例えると分かりやすいかもしれません。
音楽は核心は、サビです。イントロ、Aメロ、Bメロ、そして、サビという流れが一般的によく知られていますが、すべての楽曲がこの構成になっているとは限りません。いきなりサビが来たり、Bメロを飛ばしたり、ミュージシャンは楽曲制作において、いちばん伝えたいサビをいかにドラマティックに、いかに残るように聴かせるかに苦心しています。
記事も同じです。内容によっては「Reason」(理由)が先に来た方が効果的なケースもあります。導入部に「」付きのコメントを置いて、読者に「どういうこと?」と思わせる手法もありますし、Q&A方式で会話の緊張感や臨場感を演出することもあります。
⚫︎いくつもの「型」を会得する方法とは?
売れっ子ライターは、この「型」を何種類ももっていて、「伝えたいこと」に応じて使い分けています。「PREP法」は優れた「型」ですが、それだけだと「この人、毎回同じパターンだな」と思われるリスクもあります。ですから、これからライターを目指す方は、「PREP法」に胡座をかかず、いくつもの「型」をもつことが求められます。
じゃあ、その「型」にはどんなものがあるのか。それは、自分自身でいろんな記事を読んで、身につけていくしかありません。記事を情報源として読むのではなく、書き手が「伝えたいこと」はなにか? そのために、どんな構造となっているのか? そして、それが効果的かどうか。この積み重ねでしか、「型」は会得できません。
そのためには、いち読者として記事を読むのではなく、同業者として分析することが必要です。自分がその記事を書いたとしたら、どういった見出しにするか。どんな導入部にするか。そうやって記事を読むことを習慣化してください。世の中には、数えきれないほどの記事があり、それらすべてが参考書となるのです。