アジアにルーツを持ったアーテイスト集団88risingとは!?
世界がアジアの音楽シーンに注目する昨今、米国を拠点とするレーベル "88 rising" には、Rich Brian(リッチ・ブライアン)やJoji(ジョージ)など、アジアにルーツを持ったアーティストが多数所属しています。
中でもジョージのアルバム「Ballads 1」(2018)は全米R&B/Hip Hopチャートで1位を獲得し、一躍スターダムへとのし上がりました。
ここでは88 risingについて解説します。
88 risingとは?
88 risingは、2015年にSean Miyashiro(ショーン・ミヤシロ)とJaeson Ma(ジェーソン・マー)が設立し、当初はCXSHXNLYという音楽集団のマネジメント会社として、ネットで見つけたアーティストにコンタクトを取り始めたのが始まりです。ショーン・ミヤシロは、レーベルを立ち上げた理由を次のように明かしています。
特にミレニアル世代や若者にとって、アジア文化を代表し、賞賛する決定的なメディアブランドはないね。
16歳から34歳のミレニアル世代は20億人いる。
彼らは自分たちの好みに合うだけでなく、それを称え、アジア以外の人々にも伝えるメディアブランドを待ち望んでいたんだ。
それが俺たちの仕事だよ。
俺たちはカルチャーをカバーするだけでなく、それをクリエイトしたいんだ。
晴れ舞台を作りたいね。
2015年、韓国のラッパーKeith Ape(キース・エイプ)のシングル「It G Ma」がヒットし、「2015年ベストK-POPソング」の5位となりました。日本人ラッパーのKohh(コー)も参加したこの曲は、YouTubeで8000万回以上再生され、ショーン・ミヤシロが携わり、A$AP Ferg(エイサップ・ファーグ)とWaka Flocka Flame(ワカ・フロッカ・フレイム)が参加したRemixをリリースしています。
Keith Ape feat. JayAllDay, Loota, Okasian & Kohh - It G Ma (2015)
Keith Ape feat. A$AP Ferg, Father, Waka Flocka Flame & Dumbfoundead) - It G Ma Remix (2015)
インドネシア出身のRich Brian
2016年、88 risingとしてYouTubeに動画をアップロードし始めた頃、インドネシア出身のRich Brian(リッチ・ブライアン)が、ジョージらと活動を開始。
そのリッチ・ブライアンのシングル「Dat $tick」(2016)は全米バブリング・アンダーR&B/ヒップホップシングルチャートで4位を記録。当時16歳だった彼は、現在までにYouTubeで1億回の再生回数を記録しています。
Rich Brian - Dat $tick (2016)
88 risingのYouTubeチャンネルでは、Ghostface Killah、Cam'ron、21 Savageなどのリアクション動画が公開され「彼はドープだ」と語るGhostface Killahが参加したRemixも公開されています。
Rich Brian feat Ghostface Killah & Pouya - Dat $tick Remix (2016)
中国出身のHigher Brothers
ハイヤーブラザーズは中国出身の4人組ラップグループで、中国政府の検閲を回避しながら人気を集め、2016年に88 risingと契約。シングル「Black Cab」で同レーベルからデビューし、2017年にリリースしたFamous Dexとコラボしたシングル「Made In China」はYouTubeで2000万回再生されています。
Higher Brothers x Famous Dex - Made In China (2017)
日本人国籍のJoji
兵庫県神戸市生まれのJoji(ジョージ)は、日本とオーストラリアのハーフで、18歳の時に日本を離れてアメリカへ渡りました。意外にも、YouTuberとしてキャリアをスタートさせ、YouTubeチャンネル「DizastaMusic」の登録者数は100万人を超え、Baauerのシングル「Harlem Shake」(2012)を使った動画はYouTubeで6000万回再生されています。この動画がきっかけとなり、同曲は世界的なバイラルヒットとなりました。
その後、YouTubeでJojiとして本格的に音楽活動を開始し、2018年にリリースしたデビュー・アルバム「Ballads 1」は、アジア出身のアーティストとして初めてR&B/Hip Hopチャートで1位を獲得。収録曲「SLOW DANCING IN THE DARK」は年間R&Bチャートで5位を獲得し、YouTubeでの再生回数は2億9000万回を超えています。
Joji - SLOW DANCING IN THE DARK (2018)
リードシングル「YEAH RIGHT」も1億回再生を達成し、本作で多くのオーディエンスに知られることとなりました。
Joji - YEAH RIGHT (2018)
インドネシア出身のシンガーNIKI
2017年、NIKI(ニキ)はシングル「See U Never」で88risingからデビューし、2019年には「lowkey」をリリースし、YouTubeで3000万回再生を記録。2020年にはデビューアルバム「MOONCHILD」をリリースし、そのソウルフルな歌声でオーディエンスを魅了しました。
NIKI - lowkey (2019)
88 risingの活動
2018年にはレーベルコンピレーションアルバム「Head in the Clouds」をリリースし、ジョージ、リッチ・ブライアン、ハイヤーブラザーズが参加したシングル「Midsummer Madness」がR&Bチャートで23位を記録。この曲は、DJ Khaledの「I'm the One」やJustin Bieberの「Sorry」に楽曲を提供したAugust 08が制作し、YouTubeで9000万回再生されています。
88RISING feat. Joji, Rich Brian, Higher Brothers, AUGUST 08 - Midsummer Madness (2018)
また同年にレーベルは初の北米ツアーを開催し、Charli XCXやSki Mask the Slump Godがサプライズゲストで登場し、大きく話題を集めました。
翌年には、Major Lazer、Swae Lee、GoldLinkら名だたるゲストが参加した、レーベル第2弾コンピレーションアルバム「Head in the Clouds II」を発表。このアルバムはジョージがエグゼクティブプロデューサーを務め、イラストレーターの空山 基がアートワークを担当しています。
88 rising & NIKI - Indigo (2019)
近年の活動
その後も次々と新鋭アーティストをフックアップし、2021年には韓国人シンガーBIBI(ビビ)のシングル「The Weekend」(2021)をリリース。
BIBI - The Weekend (2021)
同年、タイのフィメールラッパーMILLIが同曲のリミックスを発表し、1カ月足らずで900万再生を記録するヒットとなりました。
MILLI - The Weekend Remix (2021)
また、マーベル映画史上初めてアジア人が主役となった「シャンチーと10の指輪の伝説」のサウンドトラックは、88 risingがプロデュースで参加し、
星野 源やJhene Aikoなどアジアにゆかりのあるアーティストが多数参加しています。
サントラについての記事はこちら。
アメリカはもちろん、ここ日本でも露出を強めている88 rising、今後も彼らの起こすムーブメントから目が離せません!!
こちらで紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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