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Lex Lugerが師と仰ぐJucy Jと再びコラボレーション!Juicy J & Wiz Khalifa - Stoner’s Night(2022)

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Juicy J(ジューシー・J)は、1991年に結成された南部のヒップホップグループThree 6 Mafia(スリー・シックス・マフィア)の創設メンバーであり、2005年のアルバム「Most Known Unknown」はR&B/Hip Hopチャートで1位を獲得し、彼らのキャリアで最も売れたアルバムとなりました。

その後、ソロ活動に乗り出したジューシー・Jは、Mike Will Made-Itとの「23」Lil Wayne2 Chainzとの「Bandz a Make Her Dance」などのクラブヒットを連発、メンフィスを象徴するラッパーの1人に。

また2020年には、長年所属していたColumbia Recordsを離れ、自身のレーベルからアルバム「The Hustle Continues」をリリースしており、40代半ばに差し掛かりつつも精力的に活動しています。

そんな彼がWiz Khalifa(ウィズ・カリファ)とタッグを組んで、コラボレーションアルバム「Stoner’s Night」(2022)をドロップ。

全13曲入りで、ジューシー・JのProject Patやメンフィス出身の若手Big 30、シンガーのElle Varnerがゲスト参加しています。

また収録曲の半数近くをLex Luger(レックス・ルガー)がプロデュースしており、そのヘビーなビートとラップが見事にマッチした作品に仕上がっています。

ここでは、レックス・ルガーのこれまでのキャリアと、ジューシー・Jウィズ・カリファのコラボレーションついて迫ります。

レーベル  :    Trippy Music
リリース日 : 2022年2月11日
名前    : Juicy J & Wiz Khalifa
本名    : Juicy J / Jordan Michael Houston III
        Wiz Khalifa / Cameron Jibril Thomaz
年齢    : Juicy J 46歳
        Wiz Khalifa 34歳


出身地   :    Juicy J テネシー州メンフィス
        Wiz Khalifa ペンシルベニア州ピッツバーグ

ステージネームはプロレスラーからインスパイアされた?!

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地元の教会のバンドでドラムを叩き、音楽と出会ったレックス・ルガーは、当初はインスト曲とアカペラをミックスしたDJセットで、ビート、BPMなどダンスミュージックの基礎を学んだようです。

その後、PlayStationのゲームソフト「MTV Music Generator 3」で音楽制作に移行し、ターンテーブルを使った制作を開始。

叔父からMPC2000を購入後、FL Studio、Maschine、Pro Toolsなどの音楽制作ワークステーションを取り入れ、本格的にビートを作り始めます。

しかし当時学生だった彼は、放課後や週末にしか音楽に打ち込めず、制作スキルを高める為に高校を中退し、1日に10本ものビートを制作していたといいます。

コンスタントにビートメイクできるようになった彼は、プロレスラーのLex Luger(レックス・ルガー)に影響を受け、ステージネームをレックス・ルガーとし、MySpaceを通じてビートを投稿するようになります。

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ワカ・フロッカ・フレイムとの出会い

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2009年、まだ無名のWaka Flocka Flame(ワカ・フロッカ・フレイム)が彼にメールを返したのがきっかけで、2人は親交を深めるようになります。

ワカ・フロッカ・フレイムは彼のビートに興味を持ち、彼のハードなビートをいくつかリクエストし、レックス・ルガーはそのうちの40曲を彼に送り、最終的に3つのビートがワカ・フロッカ・フレイムのミックステープ「Salute Me or Shoot Me 2」(2009)に収録されました。

2009年、ワカ・フロッカ・フレイムがシングル「O Let's Do It」で南部のヒップホップシーンから注目を集める中、レックス・ルガーをアトランタに呼び、デビューアルバム「Flockaveli」(2010)の制作を始めます。

また前述の「Salute Me or Shoot Me 2」(2009)からレックス・ルガーが手掛けた「Hard in da Paint」がクラブヒットとなり、デビューアルバムから先行シングルでリリースされました。

さらに2 ChainzYoung JeezyPusha Tによる「Hard in the Kitchen」と題された Remixや、Rick RossMeek Millらによるフリースタイルがリリースされ、レックス・ルガーは一躍脚光を浴びるようになります。

Waka Flocka - Hard in Da Paint (2009)

2 Chainz feat. Young Jeezy & Pusha T - Hard In The Kitchen (2011)

そして、「Hard In The Paint」を聴いたRick Ross(リック・ロス)からRemix制作の依頼を受け、2人の関係が始まります。これがきっかけとなりリック・ロス「B.M.F. (Blowin' Money Fast)」(2010)「MC Hammer」などのクラブヒットを生み出し、リック・ロスと共に大きくキャリアを飛躍させました。

Rick Ross feat. Styles P - B.M.F. (2010)

オファーが殺到する中、カニエ・ウェストとの出会う

業界、ヒップホップヘッズから特に注目を集めたレックス・ルガーは、Ace HoodSoulja Boy ChingySean GarrettFabolousからプロデュースを依頼され、戸惑いながら答えたことを明かしています。

でも、あるアーティストは「Hard In The Paint」と「B.M.F.」を欲しがっていたよ。
空港で誰かから電話がかかってきて、誰だかわからなかったから『ああ、どうしたんだ』って感じで電話に出たんだ。
『レックス・ルガーです』ってね。
すると、「ああ、俺はChingyだ」と言われた。
俺は「誰?Chingy?」俺はその人が信じられなかったんだ。
彼は俺に「ビートがほしい」と電話してきた。
また業界に戻りたいんだって。
俺は「いやだ」とは思わなかったし「Chingy、お前とは仕事したくない」なんてことはなかった。
俺は「わかったよ、クールだ」って感じだった。
彼は「あの "Hard In The Paint" みたいなのをくれよ」と言ったんだ。
俺は「ええっ、できないよ」と言ったんだ。
でも、そういう人たちがたくさん電話してくる。いつもそうなんだ。
Busta Rhymesからこの前電話があったよ。
Sean Garrettはクラブでヒット曲が欲しいって言ってた。
彼らは俺に電話してきて、"俺を戻すためにあのヒット曲が必要だ "というようなことを言うんだ。

さらにKanye West(カニエ・ウェスト)からもオファーがあり、さすがに怖くなったと明かしています。

カニエが俺に電話してきたとき、俺をニューヨークに呼びたいと言ったから、俺は1ヶ月遅れで飛行機に乗ったんだ。
最初は飛行機に乗りたくなかったんだ。
地下室のミルウォーキーから、今最もビッグなアーティストの1人であるカニエが、俺のサウンドを欲しがり、彼の作品に参加してほしいと言ってくるなんて、どうしたらいいんだろう?
怖かったよ。でも、チャンスだと思ったから行ったんだ。
彼は俺のドラムが好きだと言ってくれた。
俺のドラムと彼のサウンドは完璧にマッチすると言っていたよ。
それで、やる気満々になったんだ。
でも同時に、仕事もしなければならなかった。
俺はカニエのレベルに達していない気がしたんだ。
戻って6ヶ月くらい働いたけど、カニエとは何も話さなかったよ。
ジーロビンソンに電話して、彼に何か送ったり、カニエにまた送ったりして、ただ行ったり来たりしていたよ。
俺とカニエはまだ仕事してるんだ。

カニエからのお墨付きで自信をつけた彼は、Jay-Zカニエのコラボアルバム「Watch the Throne」(2011)「H.A.M.」に取り組み、全米チャートで1位を獲得。グラミー賞では「最優秀ラップアルバム賞」を含む2部門にノミネートされ、BETヒップホップ・アワードで「プロデューサーオブザイヤー賞」を受賞し、その名は全米に広く知れ渡ることとなりました。

Jay-Z & Kanye West - H-A-M (2011)

Wiz Khalifa、Juicy Jとのコラボレーション

2011年のウィズ・カリファのミックステープ「Cabin Fever」の収録曲の半数近くをレックス・ルガーが手掛けており、その中でも「Taylor Gang」について次のように話しています。

(Taylor Gang)あの特別なビートは古いビートなんだ。
たしか、2007年か2008年のものだと思う。
Wizはいつもインターネットをやっているような人で、Wizからメールを受け取ったんだ。
それで、俺と一緒に仕事をしたいと言ってきて。
Taylor Gangは1年ほど前にリークしていたんだけど、誰も知らなかった。
それを彼がリマスターして今出したんだろう。
最近、Wizから連絡が来て、みんなが気に入っているから世に出したいと言ってきたんだ。
それで俺は「おお、どうぞ」って感じで。

Wiz Khalifa feat. Chevy Woods - Taylor Gang (2011)

また、2010年後半にはジューシー・Jとの関係を築き始め、2つのコラボミックステープをリリースしています。ジューシー・Jと彼のスリー・シックス・マフィアのサウンドに長い間大きな影響を受けてきレックス・ルガーは、「俺はジューシー・Jと一緒に育ったし、ずっと彼が好きだった」と明かしています。

俺はJuicy Jと共に育ち、彼のビートとサウンドがずっと好きだったんだ。
彼はWorldStarで隔週で作品を発表していたし、インターネットでも何かやっていた。
だから「俺はあなたの音が大好きで、あなたを見て育ちました」って言ってみたんだ。
そしたら、彼は俺のサウンドが好きだって言ってくれたんだ。
俺のことを知ってるなんて知らなかったよ。
それで彼は『一緒にミックステープを作ろう』と言ってきたんだ。
それで1日に30ビートくらい送って、次の日にまた30ビートくらい送って、その次の日に20ビートくらい送った。
1週間後に電話がかかってきて『もういいよ』って。
俺は「やろう」と思った。
Lex Luger x Juicy Jのミックステープだ。
そうすれば俺の名前も彼の名前も話題になるし、俺ら2人が今必要としている信用を得られると思ったんだ。
俺に影響を与えた人たちみんなと一緒に仕事をするようになったんだから、クレイジーだよ。

Juicy J, 2 Chainz & Tha Joker - Zip & A Double Cup (2011)

また彼の中でジューシー・Jは、メンター的存在だったようで、業界やお金にまつわることをたくさん学んだようです。

Juicyとは一度も会ったことがないけど、毎日電話で話しているよ。
彼は長い間この業界にいるから、彼からアドバイスを受けるのが好きなんだ。
彼はレーベルのあり方や、自分のレーベルを立ち上げる方法、基本的には音楽のビジネス的な部分について教えてくれた。
俺は音楽のやり方は知っているけどまだ19歳だし、すべての数字を扱うことはできないし、裁判や弁護士をやりこなすこともできないんだ。
だから、彼のような失敗をしないようにと、本当にいろいろと教えてくれたんだ。彼は僕と同じ失敗をしたんだ。ハングリー精神に溢れていて、デビューしたての頃は何にでも挑戦し、良くない契約でも喜んでサインしてしまうんだ。レーベルがくれるのは良いことだが、長い目で見ればそうではない。
契約金、裁判費用、弁護士費用など、音楽業界のダークサイドをJuicy Jは教えてくれたんだ。

前述したジューシー・Jの最新アルバム「The Hustle Continues」(2020)でも二人の関係は途切れることなく続き、このコラボアルバムム「Stoner’s Night」(2022)の楽曲の多くを手掛けたようです。

またBig 30を客演に迎え、MVが公開されている「Weak」も彼がプロデュースし、スリー・シックス・マフィアらしいロービートのサウンドに仕上がっています。

Wiz Khalifa & Juicy J feat. Big 30 - Weak (2022)


以上、レックス・ルガーを中心に書きましたが、この機会に彼のプロデュース作品と、Wiz Khalifa & Juicy Jのニューアルバムをチェックすることを
お勧めします。


こちらで紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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